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連日、息をするのも苦しいほどの危険な暑さが続いていますね。
最近の外来でも、
「公園から帰ってきたらぐったりして吐いてしまった」
「顔が真っ赤で体が熱い」
と駆け込んでくるお子さんが増えています。
今回は、熱中症が起こる仕組みや、命を守るための「正しい対策の優先順位」について、最新のガイドラインに基づき詳しく解説していきます。
「大人と一緒にいたのに、なぜうちの子だけ体調を崩したの?」
そう疑問に思う親御さんも多いかもしれません。それには、こどもの体の仕組みと環境の違いという2つの明確な理由があります。
① 汗をかいて体温を下げる能力が未熟
人間の体は汗が蒸発するときの気化熱で体温を下げますが、こどもはこの体温調節機能が未熟です。体に熱がこもりやすく、うまく外に逃がすことができません。
② 地面からの「照り返し(輻射熱)」の直撃を受ける
夏の晴れた日、アスファルトは巨大なヒーターのようになります。環境省のデータによると、大人の顔の高さ(150cm)で気温が32.3℃のとき、こどもの顔の高さ(50cm)では33.1℃。さらにベビーカーに乗る赤ちゃんに近い高さ(5cm)ではさらに高い気温に達します。
大人が「今日は少し暑いな」と感じているとき、足元のこどもは「灼熱のサウナ」の中にいます。大人の感覚だけで暑さを判断するのは非常に危険です。
熱中症対策というと、「こまめな水分補給」が真っ先に思い浮かぶかもしれません。しかし、最も重要のは、「まずはエアコンの効いた涼しい室内にいること」「炎天下を避けること」が鉄則だということです。水分補給は、あくまで活動時の次善の策です。
最も確実な予防法は、暑い環境に身を置かないことです。環境省は「室温を28℃以下に保つこと」を推奨しています(エアコンの設定温度ではなく、実際の室温です)。猛暑日は「室内でいかに楽しく過ごすか」に頭を切り替えましょう。
日中の最も暑い時間帯(午前10時〜午後2時頃)の外出や外遊びは、原則として避けてください。お買い物などは、朝の涼しいうちか夕方以降にずらす工夫が必要です。
学校の行事や部活動などで外出が必要な場合は、気温だけでなく「暑さ指数(WBGT)」を必ず確認してください。
WBGT 28℃以上(厳重警戒): 激しい運動は中止
WBGT 31℃以上(危険): 原則運動は中止
水や麦茶だけを大量に飲むと、血液中の塩分が薄まり、かえって熱中症を悪化させることがあります。
経口補水液(OS-1など)
汗を大量にかいた時や脱水気味の時に最適です。
スポーツドリンク
糖分が多めのため、日常的な水代わりではなく、激しい運動時に限定しましょう。
飲むペース
高温・運動時の水分補給については、もともと脱水がない状態であれば、9〜12歳では100~250mLを20分毎、思春期では1時間で1~1.5Lの経口補水が目安になります。
もし暑い環境にいて体調を崩した場合、以下を目安に対応してください。
| 重症度 | 主な症状とこどものサイン | 対応方法 |
| Ⅰ度(軽症) | 「顔色が悪い」「足が痛い」と訴え、機嫌が悪い。めまい、立ちくらみ、大量の汗。 | すぐに涼しい場所へ移動し、水分と塩分を摂らせる。 |
| Ⅱ度(中等症) | 呼びかけへの反応が鈍く、ぐったりして自分で水分を飲めない。頭痛、吐き気。 | すぐに医療機関を受診してください。 |
| Ⅲ度(重症) | 呼びかけに全く答えない。意識がない、けいれんしている。 | ためらわず「119番」で救急車を呼んでください。 |
【応急処置のポイント】
涼しい場所へ移動させた後、「首の周り」「両脇の下」「足の付け根(そけい部)」の3箇所を保冷剤などで冷やします。
※吐き気がある時や意識がもうろうとしている時は、窒息の危険があるため無理に水を飲ませないでください。

こどもの体は日々成長していますが、大人と同じように過酷な環境に耐えることはできません。「ちょっとくらいなら大丈夫」という油断が大きな事故につながります。私たち大人が率先して「涼しい場所へ逃げる勇気」を持ち、環境を整えてあげましょう。
「武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科」では、お子さんの急な発熱や体調変化はもちろん、アレルギー(食物アレルギー・ぜんそくなど)、夜尿症、便秘、低身長、赤ちゃんのあたまの形など、日常の幅広いお悩みに対応できる専門外来も行っています。エビデンスに基づきながら、ご家族のライフスタイルに合わせた無理のないアドバイスを心がけております。
「熱中症かな?」「なんだか様子がおかしいな」「肌荒れが治らない」と迷ったときは、決して無理をせず、いつでも当院にご相談ください。
【参考・引用文献】
環境省『熱中症環境保健マニュアル2022』
日本救急医学会『熱中症診療ガイドライン2024』
公益財団法人日本スポーツ協会『スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック』
総務省消防庁『令和5年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況』
American Academy of Pediatrics (AAP) 関連資料
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当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)
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