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こんにちは。
「武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科」院長の大熊喜彰(くま先生)です。
武蔵小杉の街を歩いていると、元気に走り回る子どもたちの姿に、いつもたくさんのパワーをもらっています。
さて、すっかり世間は落ち着きを取り戻し、新型コロナウイルスのニュースがテレビで連日のように流れることもなくなりました。 「コロナはもう、ただの風邪になったんでしょ?」 そう思われている方も多いかもしれません。
でも、私たち小児科医の診察室には、今も熱でぐったりしたお子さんや、長引く体調不良に悩む親御さんがたくさん来られます。 そして、この季節になると毎年、パパやママからこんな質問をいただきます。
「先生、ぶっちゃけ今年のコロナワクチンってどうしたらいいですか?」
「副反応も心配だし、高いお金を払ってまで受けるメリットはあるの?」
大切なお子さんの体に入れるものですから、悩むのは当然です。
だからこそ、小児科専門医から科学的なデータ(エビデンス)を交えながら、できるだけ分かりやすくお話ししたいと思います。 この記事が、ご家族で「どうしようか?」と話し合う際の一つの、そして確かな判断材料になればとても嬉しいです。
<忙しい方のためのまとめ>
■ 当院でのご予約・お問い合わせ方法
ワクチンの確保と丁寧なご案内をさせていただくため、お電話にて承ります。
TEL:044-739-0888(「コロナワクチンの相談で」とお伝えください)
結論から言うと、ウイルス自体の重症化率は、流行初期に比べるとかなり下がりました。それは間違いありません。しかし、「ただの風邪」になったわけではないのです。 子どもたちにとっては、インフルエンザと同様に、時に体に大きな負担をかける「油断できない感染症」であり続けています。
「うちの子は元気だから大丈夫」 そう思いたくなりますよね。でも、データを見ると少し怖い現実があります。 日本集中治療医学会などの報告によると、新型コロナで入院し、集中治療室(ICU)に入るような重症になったり、不幸にも亡くなってしまったりしたお子さんのうち、なんと約7割にはもともと基礎疾患がなかった(健康だった)ということが分かっています。
感染をきっかけに、急激に脳に炎症が起こる「急性脳症」や、心臓の筋肉に炎症が起こる「心筋炎」といった、命に関わる合併症を起こすケースが稀にあります。 実際、中等症以上で入院したお子さんのうち、脳症が17.9%、心筋炎が1.7%で見られたという報告もあるのです。これは、小児科医として決して見過ごせない数字です。
さらに厄介なのが、熱が下がった後に続く後遺症です。 「ロングコビッド(Long COVID)」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。 感染したお子さんのうち、一定の割合(10〜20%とも言われています)で、以下のような症状が長引くことが分かっています。
これらは、子どもたちの学業や学校生活、そして心の発達にとても大きな影を落とします。 アメリカでは、このロングコビッドが子どもの中で最も一般的な慢性疾患になっており、なんとこれまで一番多かった喘息を抜いているとまで言われているのです。 せっかくの楽しい学校生活が、数ヶ月もだるさで台無しになってしまう。そんな事態を防ぐためにも、「そもそも感染する回数を減らす」ことが、何より大切になってきます。
では、今年のワクチンはどうなっているのでしょうか。 2026年の当院におけるラインナップは以下の通りです。、どちらも、現在流行している最新の変異株にしっかりと対応したワクチンです。
小さなお子さんには、モデルナ社製の「スパイクバックス」を使用します。2026/2027シーズン用に最新の流行主流株である「オミクロン株XFG」に対応して作成されています。
小学校高学年以上、そして大人の方向けには、モデルナ社製の「エムネクスパイク」を使用します。 中学生以上のお子さんや、受験生の皆さん、そして日々忙しく働くパパやママにこそ、ぜひ知っていただきたい特徴があります。
このように、腕の痛みやだるさ、頭痛など、接種後の嫌な症状がおよそ1〜2割近く減っています。さらに、症状が続く期間の中央値も、従来の4日間から3日間へと短縮されました。 「コロナワクチンは2〜3日寝込むから嫌だな…」と敬遠していた大人の方や、勉強や部活で忙しい中高生のお子さんにとって、これは非常に嬉しい進化です。

「日本小児科学会」が、現在コロナワクチン接種についてどう考えているかをご紹介します。
現在、学会では以下のように提唱しています。
「うちの子は喘息があるけれど、基礎疾患に入るの?」
「少しアレルギーがある、体が弱い、というレベルでも推奨されるのかな?」
このような疑問を抱かれる親御さんはとても多いと思います。日本小児科学会では、重症化のリスクを考慮して、以下のような病気を持つお子さんを「基礎疾患あり」の対象として具体的に定めています。専門用語が多くて難しいので、分かりやすい言葉に噛み砕いてご紹介します。
これらに当てはまるお子さんは、新型コロナウイルスに感染した際、もともと健康な子に比べて重症化したり、合併症を起こして入院が必要になったりするリスクが高いことが分かっています。そのため、小児科学会は「ワクチンによる体を守るメリットが大きい」として、強く接種を推奨しているのです。
「うちの子の病気はあてはまるのかな?」と不安に思われたら、お気軽にご相談聞ください。
これを聞いて、「え?学会はおすすめするのをやめちゃったの?」と思われる方もいるかもしれません。
今の日本の子どもたちは、すでにこれまでの感染や過去のワクチン接種によって、多くの子が「ある程度の免疫」を持っています。そのため、国や学会が「全員一律で、絶対に打ちましょう!」とする時期は過ぎた、ということです。
むしろ、「一人ひとりのお子さんの生活環境やリスク、ご家族の考え方に合わせて、オーダーメイドで決めましょう」という方針になったと私は捉えています。
一方で、データを見ると、5歳以上のお子さんは約9割がすでに抗体を持っていますが、4歳以下、特に1歳未満の赤ちゃんは、抗体をほとんど持っていません。お母さんからの移行抗体も、生後1年を過ぎる頃には完全に消えてしまいます。 そのため、まだ一度もコロナにかかっていない小さなお子さんや、集団生活(保育園など)をこれから始める予定のお子さんにとっては、今でもワクチンが体を守るための大切な盾になります。
ワクチンの副反応で、最も不安視されているのが「心筋炎(心臓の筋肉の炎症)」だと思います。
確かに、特に10代の男の子において、mRNAワクチン接種後にごく稀に心筋炎が起こることが報告されています。頻度としては、100万回接種あたり数十件程度です。そして、そのほとんどは軽症で、入院は必要になっても短期間で自然に、きれいに回復しています。
ここで、ぜひ考えていただきたいことがあります。「もし、ワクチンを打たずに本物の新型コロナウイルスに感染してしまったらどうなるか」ということです。
ウイルスに感染したときに心筋炎を起こすリスクは、ワクチンによるリスクよりも何倍も高いことが、世界中の膨大なデータから証明されています。つまり、「心筋炎が怖いからワクチンを避ける」という選択は、皮肉にも、お子さんをより高い心筋炎のリスクに晒してしまうことになりかねないということです。
当院では、万が一の事態にも迅速に対応できるよう、以下の体制を整えています。
今年の秋冬の接種スケジュールを分かりやすく表にまとめました。
| 対象年齢 | 使用するワクチン | 接種歴 | 接種回数と間隔 | 費用(税込) |
|---|---|---|---|---|
| 生後6か月〜4歳 | スパイクバックス(10月中旬以降開始予定) | 未接種 | 2回接種(通常4週間あける) | 14,300円 / 回 |
| 5歳〜11歳 | スパイクバックス(10月中旬以降開始予定) | 未接種 | 2回接種(通常4週間あける) | 14,300円 / 回 |
| 接種歴あり | 1回接種(前回から3か月以上あける) | 14,300円 / 回 | ||
| 12歳以上(大人含む) | エムネスパイク(9月下旬以降開始予定) | 接種歴あり | 1回接種(前回から3か月以上あける) | 16,500円 / 回 |
色々と難しいデータもお話ししてしまいましたが、最後に私が一番お伝えしたいことは、「こどものワクチン接種は、メリットがデメリットを大きく上回る」ということです。
もちろん、100%安全で、100%効果のある魔法のような薬はありません。どんなに優れたワクチンにも、副反応というデメリットは存在します。しかし、そのわずかなリスクを避けるために、脳症や後遺症という「実在する大きなリスク」にお子さんを無防備なまま晒すのはそれもまた大きなリスクだと考えています。
ネットの根拠のない噂に振り回されることなく、信頼できるデータをもとに、納得して接種するかしないか決める材料にこのブログがなれば幸いです。
私たち「武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科」は、これからも地域の皆さんと並走しながら、かかりつけ医として子どもたちの健やかな成長と、ご家族の笑顔を全力で守っていきます。
この冬も、みんなが元気に、笑顔で乗り切れますように!
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当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)
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