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当院の「トラベルワクチン外来」では海外出張、その帯同、旅行、留学などで海外渡航するかたが多く受診されています。
楽しい海外生活の準備の真っ只中、「そういえば、海外の感染症って大丈夫なのかな…?」と、ふと心配になることもあるかもしれません。そうは言っても、渡航先に必要と思われるワクチンをご自身でアレンジするのは難しいと思います。
当院トラベルワクチン外来は、小児も成人も対応していますので、ご家族まとめての対応も可能ですし、渡航先別に最適なワクチンの提案・スケジューリングをさせていただきます。。渡航が決まりましたらお早めにまずはご相談ください。
トラベルワクチン外来はお電話で受け付けております(044-739-0888)。
近年、世界各国で様々な感染症が報告されています。日本にいると身近に感じない「狂犬病」ですが、世界的にはまだまだ注意が必要な感染症です。今回は、最新の研究データを踏まえた狂犬病のリスクと、事前のワクチン接種の重要性についてお話しします。
狂犬病は、ウイルスを保有する哺乳類(犬だけじゃない!、猫、コウモリ、サルなどほぼすべて)に咬まれたり、引っ掻かれたりすることで、唾液中のウイルスが傷口から侵入して感染する病気です。
発症すると、発熱や頭痛といった風邪のような症状から始まり、やがて興奮状態やけいれん、さらには水を極端に恐れる「恐水症」といった症状が現れます。現在の医学では発症後の有効な治療法は確立されておらず、致死率はほぼ100%とされる非常に重篤な病気です。
日本は1957年以降、国内での感染報告がない「清浄国」ですが、アジア、アフリカ、中南米などの多くの国では依然として発生が続いています。
「狂犬病=凶暴な大きな犬」というイメージを持たれる方が多いかもしれませんが、ここに見落とされがちなリスクがあります。
2024年7月、大分大学と長崎大学の研究グループが、国際学術誌『Frontiers in Microbiology』にて非常に重要な研究結果を発表しました。フィリピンで行われた3年間の大規模な前向き患者登録研究(151例の狂犬病患者を対象)により、以下の事実が判明しています。
ヒトへの狂犬病感染の最も主要な原因動物は「成犬」ではなく「子犬」である。
動物に咬まれた後に予防的治療を受けなかった最も多い理由は、「軽度の咬傷(ケガ)であったため、自己判断で治療の必要がないと考えた」からである。
同研究が行われたフィリピンは、狂犬病の発生が多い地域の一つです。2019年にはフィリピンを訪れたノルウェー人女性が、道端で助けた子犬に咬まれ、帰国後に狂犬病を発症して亡くなるという痛ましい事例も報告されています。

お子様は好奇心が旺盛で動物への警戒心が薄く、小さくて可愛い子犬や子猫を見ると、つい手を出してしまいがちです。
先ほどの研究データが示す通り、「少し引っ掻かれただけ」「甘噛みされただけ」といった軽度のケガの場合、お子様は親御さんに伝えない(あるいは親御さんも大事と思わない)ケースが多々あります。これが、海外において重大な事態を招く恐れがあるのです。
もし渡航先で動物に咬まれたり引っ掻かれたりした場合は、ケガの程度に関わらず以下の行動を徹底してください。
すぐに傷口を石鹸と流水で「15分以上」念入りに洗浄する。(ウイルスの量を物理的に洗い流すため)
速やかに現地の医療機関を受診し、狂犬病ワクチンの追加接種を受ける。(状況により、抗狂犬病免疫グロブリンの投与が必要になる場合もあります)
「咬まれてから現地の病院に行けばいい」と思われるかもしれませんが、途上国や地方都市では、確実かつ安全なワクチンや免疫グロブリンが即座に手に入らないリスクがあります。
渡航前に日本で事前に狂犬病ワクチンを接種(曝露前接種)しておくことで、体内に基礎免疫ができ、万が一の際に以下の大きなメリットがあります。
発症までの時間を稼ぐことができる
現地で入手困難な「免疫グロブリン」の投与が不要になるケースが多い
咬まれた後の追加接種の回数を減らせる
事前に接種しておくことで、いざという時により落ち着いて適切な処置を受けることができます。
狂犬病ワクチンは、アジアやアフリカなどの発生地域へ渡航される方、特に中長期滞在される方や、動物に触れる可能性の高いお子様には強く接種をお勧めいたします。
「武蔵小杉 森のこどもクリニック 小児科・皮膚科」では、渡航先の状況やご滞在スタイルに合わせて、丁寧にワクチンのスケジューリングを行います。 渡航が決まりましたら、なるべくお早めに当院までご相談ください。皆さんの安全で楽しい海外生活を、スタッフ一同心からサポートさせていただきます。
【SNSでも情報発信中!】
当院のSNSでは、小児科・皮膚科に関する役立つ情報や、季節ごとの病気の注意点などを発信しています。ぜひフォローしてください!
Instagram: 武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科
当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)
© Morino Kodomo Clinic
