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当院の定点観測データに基づく、地域の感染症週報「もりのこIDWR」をお届けします。
※IDWR=Infectious Disease Weekly Report
5月も後半に入り、爽やかなお天気が続いていますね。今週の地域の感染症動向ですが、先週に引き続きインフルエンザ・新型コロナウイルスはともに「ゼロ」を継続しており、冬の流行は完全に終わりを告げました。
急性胃腸炎(24件)や溶連菌(7件)がやや動きを見せていますが、全体的には特定の大きな流行がなく落ち着いた状況です。このように目立った感染症がない時期だからこそ、今回は、風邪の引き始めに突然やってきて親御さんを慌てさせやすい「クループ症候群(夜間の特殊な咳)」について詳しく解説します。
全体的に大きな流行は見られず、穏やかな推移となっています。
【当院の診断数】
急性胃腸炎(嘔吐下痢):24件 🟡(先週20件からやや微増、引き続き手洗いを)
溶連菌感染症:7件 🟡(先週4件から微増、喉の痛みに注意)
ヒトメタニューモウイルス感染症:5件 🟡(春の咳風邪、まだ少し残っています)
アデノウイルス:2件 🟡(散発的)
RSウイルス感染症:1件 🔵(減少傾向)
インフルエンザA/B型:0件 🔵🎉(ゼロ継続!)
COVID-19:0件 🔵🎉(ゼロ継続!)
水痘/おたふくかぜ/マイコプラズマ/百日咳:すべて0件 🔵

今週は特定の感染症の大流行はありませんが、風邪のウイルスなどが原因で、夜間に急に激しい咳き込みを起こす「クループ症候群」についてお話しします。
1. クループ症候群ってどんな病気?
クループ症候群とは、風邪のウイルスなどが原因で、喉の奥にある「声帯」の周り(喉頭)が腫れて空気の通り道が狭くなってしまう状態のことです。特に生後6ヶ月〜3歳くらいまでの小さなお子さんは、もともと気道が狭いため、少し腫れただけでも特有の強い症状が出やすくなります。
2. 特徴は「犬やオットセイの鳴き声」のような咳
一般的な風邪の「ゴホゴホ」という咳とは違い、「ケンケン」「ガウガウ」「ヒンヒン」と響くような咳が出ます。また、声がハスキーに枯れたり、息を吸い込む時に「ズーズー」「ヒューヒュー」と音がしたりする(吸気性喘鳴)のが特徴です。
Q1. なぜ夜中に急に症状が悪化するのですか?
A. 体内のホルモンバランスや自律神経の変化や、寝ている姿勢、空気の乾燥が影響します。
クループの症状は、昼間は比較的落ち着いているのに、夜間や明け方に突然激しくなるのが大きな特徴です。夜間は体をリラックスさせる副交感神経が優位になり、血管が拡張して喉の粘膜が腫れやすくなります。さらに、横になることで気道が圧迫され、寝室の空気の乾燥も手伝って、夜中に突然「ケンケン」と苦しそうに咳き込み始めることが多いのです。
Q2. 夜中に子どもが「ケンケン」と苦しがり始めました。お家での応急処置は?
A. まずは「縦抱き」にして落ち着かせ、部屋の加湿と冷たい空気で喉を潤しましょう。
親御さんがパニックになるとお子さんも不安で泣いてしまい、泣くとさらに喉が腫れて呼吸が苦しくなります。まずは優しく声をかけながら「縦抱き(上体を起こした姿勢)」にしてください。これだけでも呼吸が少し楽になります。その上で、加湿器をつけたり、優しく水分を飲ませたり、少し窓を開けて外の涼しい空気を吸わせてあげると、喉の腫れが和らぎ、咳が落ち着くことがあります。
Q3. 夜間でも救急外来を受診すべき、あるいは救急車を呼ぶ目安はありますか?
A. 息を「吸うとき」に苦しそう、胸がペコペコ凹む、唇が紫色の場合はすぐに医療機関へ!
以下の症状が見られる場合は、気道がかなり狭くなっていて危険な状態です。夜間であっても救急外来を受診してください。
息を吸い込むときに「ヒュー」「ズー」と苦しそうな音がずっと鳴っている
息を吸うときに、鎖骨の上や胸の真ん中(肋骨の間)がペコペコと凹む(陥没呼吸)
苦しくて横になれず、座り込んで前かがみで息をしている
唇や顔色が青白い、紫っぽくなっている(チアノーゼ)
呼びかけに対する反応が鈍く、ぐったりしている
Q4. クループは一度治ればもう安心ですか?何度も繰り返しますか?
A. 3歳くらいまでは、風邪をひくたびに繰り返しやすいお子さんもいます。
クループは特定のウイルスだけでなく、様々な風邪のウイルスで引き起こされます。そのため、気道がまだ狭く、喉の粘膜が敏感な3歳頃までは、風邪をひくたびに「ケンケン咳」を繰り返す体質のお子さんもいらっしゃいます。ただし、成長とともに気道が太く丈夫になれば自然と起こらなくなります。予防としては、普段からの手洗い・うがい・マスクが重要です。
ご家族の皆様へ
夜中に突然、お子さんが聞いたこともないような「ケンケン」という咳をして苦しがり始めると、ビックリすると思います。クループは、初期であればクリニックでお出しする「ステロイドの内服薬(シロップや粉薬)」を飲むことで、劇的に喉の腫れが引いて楽になることが多い病気です。「ただの風邪の咳とは違うな」と感じたら、昼間のうちに早めに「武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科」へご相談くださいね。 今週も、ご家族の皆様が安心して夜を過ごせるよう、私たちが全力でサポートいたします!
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当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)
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