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当院があります武蔵小杉周辺の地域でも、先週あたりから「手足口病」や「ヘルパンギーナ」といった、いわゆる「夏風邪」にかかるお子さんが徐々にみられるようになってきました。
「いきなり高熱が出て、のどを痛がってごはんを食べてくれない…」
「手足に赤いポツポツができているけれど、保育園はいつから行けるの?」
など、ご家族からの不安の声を耳にするようになり、我々小児科医は夏の訪れを感じたりしています。
どちらも夏場にかけて大流行するウイルス感染症ですが、初期症状が似ているため「違いがよくわからない」というご相談をよく受けます。そこで今回は、手足口病とヘルパンギーナの違い、具体的なホームケアのコツ、そして共働きのご家庭にとって非常に気になる「登園の目安」について詳しく解説します。

ヘルパンギーナは、主に「コクサッキーウイルスA群」などのエンテロウイルスによって引き起こされる感染症です。3〜6日間の潜伏期間を経て発症し、特に1歳から4歳くらいの乳幼児に多く見られます。
【主な症状と特徴】
突然の高熱
38℃〜40℃の高熱が突然出ます。熱は通常1〜3日程度で下がることが多いです。
のどの奥の水ぶくれ
のどの奥(口蓋垂という「のどちんこ」の周辺)に、1〜2mm程度の小さな水ぶくれ(水疱)や潰瘍が多数できます。
強いのどの痛み
この水ぶくれが破れると非常に強い痛みを生じます。「飲み込むと痛い」ため、よだれが急に増えたり、飲食を嫌がって不機嫌になることが最大の特徴です。
手足口病は、主に「コクサッキーウイルスA16型、A6型」や「エンテロウイルス71型(EV71)」などが原因となります。潜伏期間は3〜5日程度で、こちらも乳幼児を中心に流行しますが、小学生や大人に感染することもあります。
【主な症状と特徴】
特徴的な水ぶくれ
病名の通り、手のひら、足の裏、口の中(舌や頬の内側など)に、2〜3mm程度の水ぶくれのような発疹ができます。おしりや膝の裏などにポツポツができることもあります。
発熱は軽度なこともある
発熱が見られない方もいまし38℃以下の微熱で済むこともあります。
発症後に爪が剥がれることも(爪甲脱落症)
「コクサッキーウイルスA6型」による手足口病では、発症から1〜2ヶ月後に手足の爪が根元から剥がれ落ちる「爪甲脱落症(そうこうだつらくしょう)」がみられることがあります。見た目は痛々しく驚かれる親御さんも多いですが、数ヶ月かけて自然に新しい爪が生えてくるため、慌てずに経過を見守って大丈夫です。
ヘルパンギーナも手足口病も、原因がウイルスであるため、抗生物質などの特効薬はありません。現時点ではワクチンもありません。そのため、ご自身の免疫力で自然に治るのを待ちながら、症状を和らげる「対症療法」が基本となります。
1. 脱水予防!水分補給が最重要
のどの痛みから飲食を拒否し、脱水症になりやすいのが一番の注意点です。麦茶、イオン飲料、経口補水液などを、「スプーン1杯ずつ」「5〜10分おき」など、こまめに少しずつ飲ませてあげてください。
2. 刺激が少なく、のどごしの良い食事
オレンジジュースなどの酸味があるもの、お醤油などの塩辛いもの、熱いものは、のどの粘膜を刺激して痛みを強めます。少し冷ましたスープ、お豆腐、ゼリー、プリン、アイスクリームなど、噛まずにつるんと飲み込めるものがおすすめです。
3. お薬の上手な活用
熱が高くてぐったりしている時や、痛みが強くて眠れない・飲めない時は、決して我慢させずに、小児科で処方された解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)を使用してあげてください。
親御さんにとって非常に悩ましいのが「お休みをいつまでとればいいか(いつから登園できるか)」という点ですよね。 実は、手足口病もヘルパンギーナも、インフルエンザなどのように「解熱後〇日を経過するまで」といった法律による一律の出席停止期間は定められていません。
こども家庭庁が公表している「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)」によれば、登園の目安は以下の通りです。
「発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること」
つまり、熱がしっかり下がり、のどの痛みが和らいで、いつも通りに水分と食事がとれて、元気に遊べる状態にまで回復すれば登園可能です。通常は発症から1週間程度が目安となります。ただし、保育園や幼稚園によっては独自のルールを設けていたり、医師が記入する「登園許可証(意見書)」や保護者が記入する「登園届」が必要な場合がありますので、必ず事前に通われている施設にご確認ください。
【重要な注意点:治ったあとも感染対策を!】
症状がすっかり良くなった後でも、便の中にはウイルスが2〜4週間にわたって長期的に排出され続けます。そのため、トイレの後やおむつ交換の後は、ご家族全員で石鹸と流水による十分な手洗いを継続することが、園や家庭内での二次感染を防ぐために極めて重要です。タオルの共用も避けましょう。大人が感染すると、子ども以上に激しいのどの痛みやだるさが出ることがあるため、親御さん自身も手洗い等で十分にご注意ください。
診断後、解熱剤や対症療法等で基本的には数日で自然に治癒に向かう病気です。が、まれに無菌性髄膜炎や脳炎などを合併することがあります(特にエンテロウイルス71型感染時など)。自宅療養中、もし以下の症状がみられたら、迷わずすぐに小児科を受診してください。
半日以上おしっこが出ていない、泣いても涙が出ない(重度の脱水サイン)
38℃以上の高熱が3日以上続いている
何度も繰り返し嘔吐している
頭痛をひどく訴えたり、けいれん(ひきつけ)を起こした
視線が合わず、ぐったりして呼びかけへの反応が鈍い
お子さんの急な発熱や痛がって泣く姿を見ると、親御さんとしても本当に胸が痛み、心配になると思います。私たち「武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科」は、そんなご家族の不安に優しく寄り添い、最新の医療知識に基づいた正確な情報提供で、少しでも安心しておうちでの時間を過ごせるようサポートいたします。
「手足口病やヘルパンギーナかな?」と疑わしい時、あるいは「水分がとれていないけれど大丈夫?」とホームケアで悩んだ時には、お気軽にご相談ください。地域のかかりつけ医として、この夏もこども達の元気な笑顔を守っていきたいと思っています!
<参考>
・厚生労働省HP「手足口病」
・厚生労働省HP「ヘルパンギーナ」
・国立健康危機管理研究機構「手足口病」
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当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)
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