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暑い季節が近づくと、外来で急増するのがお子さんの「あせも(汗疹)」のお悩みです。
「毎日シャワーを浴びせているのに、どうしてあせもができるの?」
「夜中にかきむしって眠れないみたいで、見ているこちらも辛い…」
お子さんの肌トラブルは、ご家族にとっても大きなストレスですよね。
そこで今回は、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医の視点から「あせも」の正しい知識とご家庭でできるケア、そしてよくご質問をいただく「小児科と皮膚科、どちらを受診すべきか?」という疑問について、医学的なエビデンス(根拠)に基づき分かりやすく解説いたします。

医学用語で「あせも」は「汗疹(かんしん)」と呼ばれます。 大量に汗をかいたとき、皮膚の中にある汗の通り道(汗管)が詰まってしまい、汗が皮膚の組織内に漏れ出すことで起きる炎症のことです。
では、なぜ大人は平気な環境でも、子どもばかりがあせもになりやすいのでしょうか?それには、明確な医学的根拠があります。
人間の皮膚には、汗を出す「エクリン汗腺」という器官が全身に約200万〜300万個あるとされています(※1)。驚くべきことにこの数は、生まれたばかりの赤ちゃんでも、身体の大きな大人でも全く同じなのです。
成人の体表面積が約1.6平方メートルであるのに対し、赤ちゃんの体表面積はその約6分の1程度しかありません。つまり、子どもの皮膚は大人に比べて、汗腺の密度が極めて高い(約6倍)ということになります。小さな面積に大人と同じ数の汗の出口が密集しているため、少し汗をかいただけでもすぐに管が詰まり、あせもを発症しやすい構造になっているのです。
一言であせもと言っても、汗が詰まる皮膚の深さによって主に2つの種類に分かれます。
水晶様汗疹(すいしょうようかんしん):白いあせも
皮膚のごく浅い部分(角層)で汗が詰まった状態です。水滴のような1〜3mmの透明な小さな水ぶくれができます。赤みや痒みはほとんどありません。赤ちゃんによく見られ、数日で自然にポロポロと剥がれ落ちて治ります。
紅色汗疹(こうしょくかんしん):赤いあせも
一般的な「あせも」はこちらを指します。皮膚の少し深い部分(表皮内)で汗が詰まり、炎症を起こした状態です。赤いブツブツができ、強い痒みを伴うのが特徴です。首の周り、脇の下、肘や膝の内側、おむつ周りなど、皮膚が擦れやすく汗が溜まりやすい部位によく発生します。
「子どもの肌にブツブツが!でも、かかりつけの小児科に行くべき?それとも皮膚科?」 検索エンジンで調べてみても様々な意見があり、迷われる親御さんは非常に多くいらっしゃいます。
結論から申し上げますと、「どちらを受診しても間違いではありません」。なぜなら、それぞれの科には異なる特長と良さがあるからです。
お子さんの「全身状態を総合的に診察できる点」が最大の強みです。 ただのあせもだと思っていたら、実は「手足口病」や「水疱瘡(みずぼうそう)」、あるいは別のウイルス性発疹症だった、というケースは小児科外来では日常茶飯事です。発熱や咳、機嫌の悪さなど、肌以外の気がかりな点も一緒に相談できるのが小児科のメリットです。
皮膚という臓器のエキスパートとして、「精度の高い皮膚の診断と、外用薬(塗り薬)の細やかな使い分けができる点」にあります。 あせもとアトピー性皮膚炎やカンジダ皮膚炎(カビの一種)を的確に見極めることもできます。
「武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科」の最大の特長は、「小児科と皮膚科、両方を備えていること」です。もし迷われた際は、当院では次のように使い分けていただくことをおすすめしています。
どちらの科でも、塗る部位(顔、体、おむつ回り)や皮膚の厚さに合わせて「軟膏・クリーム・ローション」といったお薬の基剤や、ステロイドのランク(強さ)を精密に選択します。
【皮膚科】でのご予約がおすすめの方
「あせもや湿疹など、肌の相談だけをしっかりしたい」「日時を指定してスムーズに予約を取りたい」 という場合は、皮膚科をご予約ください。皮膚科専門医が、正しいスキンケアの指導からお薬の塗り方まで丁寧にお伝えします。
【小児科】でのご予約がおすすめの方
「あせも以外に、咳や鼻水も出ている」「発熱がある」「便秘やアレルギーの相談も一緒にしておきたい」 という場合は小児科をご予約ください。全身の健康管理と併せてサポートいたします。
同じクリニック内で小児科医と皮膚科医が連携できることは、患者様にとって大きな安心に繋がると自負しております。
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あせも対策の基本は「涼しくして、清潔を保つ」ことですが、最新の知見に基づいた具体的な実践ポイントを3つご紹介します。
1日に何度も石鹸でゴシゴシ洗うと、皮膚を守るために必要な皮脂まで洗い流してしまい、肌のバリア機能が低下します。日中にかいた汗は、「ぬるめのシャワー(38℃程度)でサッと流すだけ」、または「濡れタオルでこすらず、優しく押さえるように拭き取る」ことで十分です。
「夏風邪をひかせたくない」とエアコンを控えるのは、現代の酷暑においては推奨されません。日本小児科学会の見解等でも、夏の室温は26〜28℃、湿度は50〜60%が快適な目安とされています(※2)。お子さんの背中に手を入れてみて、しっとり汗ばんでいないかを確認しながらこまめに調整してください。
「汗でベタベタしているから保湿は不要」は大きな誤解です。あせもでダメージを受けた肌はバリア機能が低下しており、そこに摩擦や新たな汗が加わると炎症が悪化します。小児皮膚科学においても、季節を問わない保湿の重要性がエビデンスとして示されています(※3)。夏はさっぱりとしたローションやフォーム(泡)タイプの保湿剤を選び、優しく保護してあげましょう。
「たかがあせも」と放置し、かきむしった傷口から「黄色ブドウ球菌」などの細菌が感染すると、「伝染性膿痂疹(とびひ)」になってしまうことがあります。とびひになると、抗生物質の飲み薬や塗り薬が必要になり、治るまでに時間がかかります。
痒みが強く、夜眠れていない
市販薬や保湿剤を数日塗っても赤みが引かない
ジュクジュクしている、黄色いかさぶたができている
このようなサインがあれば、決して無理をせず当院へご相談ください。
子どもの肌トラブルは、毎日のご家庭でのケアが何より大切ですが、「ちょっとひどくなってきたな」と思うことがあったら、いつでも「武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科」を頼ってください。ご家族に寄り添い、確かなエビデンスに基づいた最適な医療を提供いたします。
【参考・引用文献(エビデンス)】
※1:日本皮膚科学会「皮膚科Q&A」汗疹(あせも)より
※2:日本小児科学会「こどもの救急」環境整備の目安
※3:日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021」および小児皮膚疾患の外用療法基準
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当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)
© Morino Kodomo Clinic
