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【小児科医から妊婦さんへのお願い:第5回】上の子の食べ残しに要注意!サイトメガロウイルスからお腹の赤ちゃんを守る「3つの約束」と正しい知識

当院のブログシリーズ「小児科医から妊婦さんへのお願い」も、いよいよ第5回となりました。 これまでは、ワクチン(予防接種)の力を使ってお腹の赤ちゃんを守る方法をお伝えしてきました。しかし、今回お話しする病気には、「予防するためのワクチン」がまだ世界中のどこにもありません。

その病原体の名前は「サイトメガロウイルス(CMV)」。

このウイルスがお腹の赤ちゃんに感染すると、重い障害を残す危険性があります。ワクチンという盾がないからこそ、お母さん自身の「日々のちょっとした行動」と「正しい知識」が、赤ちゃんを守る唯一のバリアになります。 特に、「上のお子さんがいる妊婦さん(経産婦さん)」は絶対に知っておいていただきたい、日常に潜む感染予防のお話をします。

「サイトメガロウイルス」って、どんなウイルス?

大人が感染しても、少し風邪気味かな?と体がだるくなる程度で、ほとんどの場合は感染したことにすら気づきません。

しかし、お母さんが「妊娠中に初めて」このウイルスに感染した場合(初感染)、胎盤を通してお腹の赤ちゃんにも感染してしまうことがあります。これを「先天性サイトメガロウイルス感染症」と呼びます。 赤ちゃんに症状が出た場合、低出生体重、頭が小さい(小頭症)、肝炎、そして運動や知能の発達に遅れが出るといった、非常に重篤な状態を引き起こすことがあります。

「正しい数字」を知って、正しく「恐れ」ましょう

「そんな怖いウイルス、どうしよう!」とパニックになる前に、まずは客観的なデータ(数字)をみてみましょう。

もし妊娠中にお母さんが初めて感染してしまったとしても、必ず赤ちゃんにうつるわけではありません。お腹の赤ちゃんへ感染する確率は「約40%」と言われています。 さらに、万が一赤ちゃんに感染してしまったとしても、実際に何らかの症状が出る赤ちゃんは「20〜30%程度」です。つまり、約70〜80%の赤ちゃんは全くの無症状で、元気に生まれてきます。

「感染=必ず重症な障害が出る」というわけではありません。このことを知っておくだけで、過度な不安を少し和らげることがでると思います。

小児科医が見逃せない「遅発性難聴」のサイン

ただし、一つだけ小児科専門医として注意喚起しておきたいことがあります。 それは「遅発性(ちはつせい)難聴」の存在です。

お母さんのお腹の中で感染しても、生まれた時は全くの無症状で新生児の聴覚スクリーニング検査もパスする赤ちゃんがたくさんいます。しかし、その中の数%の赤ちゃんが、成長するにつれて徐々に耳の聞こえが悪くなってしまうことがあるのです。

「最近、後ろから呼んでも振り向かないな」
「テレビの音をすごく大きくしたがるな」
「言葉の遅れが少し気になるな」

そんな日常のちょっとしたサインが、実はサイトメガロウイルスの影響だった、というケースがあります。だからこそ、生まれた後の小児科での定期健診や、日常的な「聞こえ」のチェックがとても大切です。

一番の感染源は、目の前にいる「上の子」です

では、妊娠中のお母さんはどこから感染する確率が一番高いのでしょうか。 実は、あなたがいま抱っこしている「上のお子さん」です。

サイトメガロウイルスは、感染した人の「唾液」や「尿(おしっこ)」の中に長期間にわたって排出されます。 保育園や幼稚園に通う子どもたちは、おもちゃを舐め合ったりする中で日常的にこのウイルスに感染します。そして、子ども自身は元気でも、数ヶ月から長いと数年もの間、唾液や尿の中にウイルスを出し続けます。

今日からできる!ウイルスから赤ちゃんを守る「3つの約束」

物理的にウイルスを体内に入れないための、今日からできる「3つの約束」をご紹介します。

1. 「あーん」の共有(食べ残し・食器・タオルの共有)をやめる
「ママ、これ美味しいよ!あーん」と差し出されたフォーク。もったいないからと食べる上の子のご飯。 愛おしいコミュニケーションですが、唾液を介してウイルスが直接お母さんの口に入ります。 妊娠中は、「同じスプーンやフォーク、コップ、タオルを共有しない」「上の子の食べ残しは食べない(パパに食べてもらいましょう!)」を徹底してください。

2. オムツ替えや鼻水拭きの後は、必ず「石鹸で手洗い」
上の子の「おしっこ」や「鼻水」「よだれ」のついたおもちゃを触った後は、無意識に自分の口や鼻を触る前に、必ず石鹸と流水で15秒以上、しっかり手を洗ってください。

3. キスは「おでこ」か「ほっぺ」に
泣いている上の子を抱きしめて、お口にチュッ。妊娠中はお口とお口のキスは避けてください。 キスはおでこやほっぺにして、その分、力いっぱい「ギューッ」と抱きしめてあげてください。

もし不安なことがあったらご相談ください

「そういえば先週、上の子の飲みかけのジュースを飲んじゃった…」 と、この記事を読んで青ざめているお母さんもいらっしゃるかもしれません。

「あれもダメ、これもダメ」と神経質になりすぎて、お母さんがストレスで疲れ果ててしまっては元も子もありません。「今は少し特別な期間なんだ」と割り切って、パパにもしっかり協力を仰ぎながら、できる範囲で感染対策を習慣にしていきましょう。

不安なことは、健診や上の子の診察のついでに、なんでも聞いていただければと思います。

次回はついにシリーズ最終回。 猫ちゃんを飼っている方や、ガーデニングや土いじりが趣味の妊婦さんは必見の「トキソプラズマ」についてお話しします。お楽しみに!


※本記事の内容は、最新の研究・エビデンスに基づいて作成しております。ご自身の健康状態に関する判断は、必ず主治医とご相談ください。

<参考>
・神戸大学HP「先天性サイトメガロ症候群とは
先天性トキソプラズマ&サイトメガロウイルス感染症 患者会「トーチの会」HP

 

 

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院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

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