<GWのBBQに潜む危険>子どもを生肉から守る!小児科専門医が教えるカンピロバクター・O157食中毒とギラン・バレー症候群の予防法 - 武蔵小杉駅の小児科 - 武蔵小杉森のこどもクリニック小児科・皮膚科のブログ

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<GWのBBQに潜む危険>子どもを生肉から守る!小児科専門医が教えるカンピロバクター・O157食中毒とギラン・バレー症候群の予防法

ぽかぽかとした春の陽気が心地よくなり、もうすぐ待ちに待ったゴールデンウィーク(GW)がやってきます。ご家族やお友達と一緒に、自然の中でのバーベキュー(BBQ)を計画されている方も多いのではないでしょうか。青空の下、みんなで網を囲んで食べるお肉や野菜は格別に美味しいですよね。子どもたちの笑顔が弾ける、最高の思い出になるはずです。

しかし、毎年この時期から夏にかけて心配になることがあります。それは「食中毒」の危険性です。BBQは野外での調理となるため、ご自宅のキッチンとは勝手が違い、ついつい衛生管理が甘くなってしまうことが多いです。 楽しい思い出がつらい病気の記憶に変わらないよう、今日は日本専門医機構認定小児科専門医の視点から「BBQと食中毒」について詳しくお話しします。

なまにくや生焼けの肉を子供に食べさせないで!

 「新鮮なお肉だから大丈夫」
「表面がこんがり焼けているから平気」

というのは、大変危険な誤解です。子どもは決して大人のミニチュアではありません。胃酸の分泌や腸管の免疫力がまだまだ未熟なため、大人ならなんともないようなわずかな細菌であっても、子どもにとっては重篤な食中毒を引き起こす原因になってしまいます。 だからこそ、なまにくや生焼けの肉を子供に食べさせないでください。

生肉からO157の恐怖

特に牛肉を取り扱う際に警戒すべきなのが「腸管出血性大腸菌 O157」です。ニュースなどで耳にしたことがある方も多いでしょう。 生肉からO157に感染してしまうと、ベロ毒素という非常に強力な毒素によって、激しい腹痛や真っ赤な血便を引き起こします。さらに恐ろしいのは、溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症といった、命に関わる重篤な合併症を引き起こす危険性があることです。ほんの少しの菌が体内に入るだけで感染してしまうため、十分な注意が必要です。

カンピロバクター感染とギラン・バレー症候群

もう一つ、絶対に忘れてはならないのが、主に鶏肉や豚肉に潜む細菌による「カンピロバクター感染」です。日本で発生する細菌性食中毒の中で最も多いのが、このカンピロバクターによるものです。 ごく少量の菌でも感染が成立し、2〜5日の潜伏期間を経たあと、発熱、激しい腹痛、水のような下痢や血便、嘔吐といった症状が現れます。小さなお子さんは水分が取れなくなるとすぐに脱水症状に陥るため、大変危険です。

さらに怖いのは、カンピロバクター感染からギランバレー症候群になる可能性があるという点です。 ギランバレー症候群の説明をしましょう。これは、細菌やウイルスに感染したことをきっかけとして、自分自身の免疫システムが誤って自分の末梢神経を攻撃してしまうという自己免疫疾患です。 発症すると、まず手足のしびれや脱力感から始まり、ひどくなると自力で歩行することが困難になったり、顔面麻痺が起きたりします。さらに重症化すると、呼吸をするための筋肉まで麻痺してしまい、一時的に人工呼吸器が必要になることもあります。多くの方は時間をかけて回復に向かいますが、数ヶ月から年単位の長期入院や、辛いリハビリテーションが必要になることも珍しくありません。 ほんの一口の「生焼けの鶏肉」が、子どもから元気に走り回る自由を奪ってしまう危険性を、どうか知っておいてください。

※カンピロバクターやギラン・バレー症候群の詳細については、下記の当院のブログも参考にしてください。
【注意!夏の食中毒①】こどももなりうる食中毒、カンピロバクターとは?──ギラン・バレー症候群の危険も!

家族を守る!BBQでの徹底対策

子どもたちを恐ろしい食中毒から守るためには、大人が正しい知識を持ち、環境を整えてあげることが不可欠です。今年のGWのBBQでは、対策として

「生肉は中心部まで75℃で1分以上加熱」

「生肉用と食べる用の箸・トングを分ける」

「食材は保冷剤とクーラーボックスで10℃以下に管理」

の3点を徹底してください。

レトロなピクセルアート(ドット絵)のイラストです。タイトルは「BBQでこどもを守る!」。ドーム状の保護シールドの中で、家族4人がBBQを楽しんでいます。父親は2本のトングを使い分け、近くに「75℃1分加熱!」の吹き出しがあります。母親は食材を取り出しており、クーラーボックスの上に「10℃以下管理!」の吹き出しがあります。シールドの外側には、嫌そうな顔をした細菌やウイルスのキャラクターたちが「近寄れない!」「悔しい!」と吹き出しを出しています。左下に「武蔵小杉 森のこどもクリニック 小児科・皮膚科」のロゴがあります。背景はキャンプ場(テント、川、太陽、木)です。

生肉は中心部まで75℃で1分以上加熱
食中毒菌は熱に弱いです。「表面の色が変わったから大丈夫」と安心せず、中までしっかり火を通しましょう。中心部の赤みが完全に消え、肉汁が透明になるまでしっかり焼き切ることが大切です。

② 生肉用と食べる用の箸・トングを分ける
生肉を網にのせる時に使ったトングで、そのままお肉を取り分けていませんか?せっかくお肉を焼いても、トングを介して菌が口に入ってしまいます。「焼く専用」と「食べる専用」の区別を必ずおこなってください。

③ 食材は保冷剤とクーラーボックスで10℃以下に管理
日中の気温が上がると、常温放置した食材の中で菌があっという間に増殖します。食材は焼く直前までクーラーボックスに保管しましょう。開け閉めを最小限にし、直射日光を避ける工夫も大切です。

まとめ

基本的なルールを守れば、BBQは安全に楽しく過ごすことができます。 万が一、BBQの数日後に「お腹が痛い」「熱が出た」「血便が出た」などの症状が見られた場合は、決して自己判断で市販の下痢止めを飲ませず、早めに小児科を受診してください。下痢止めを使うことで、かえって腸内に菌を閉じ込めてしまい症状を悪化させることがあります。

「武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科」では、エビデンスを重要視しながらもわかりやすい説明と、患者さんに応じた説明をこころがけ、優しく寄り添った診療姿勢を大切にしています。専門外来として小児循環器、アレルギー(食物アレルギー・気管支ぜんそく・アトピー性皮膚炎など)・夜尿・低身長・心臓・赤ちゃんのあたまの形・便秘・腎臓なども幅広く対応しています。何か少しでもご不安なことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。

ご家族皆様で、笑顔あふれる健康で楽しいゴールデンウィークをお過ごしください!

【参照】
・内閣府食品安全委員会HP「食中毒予防のポイント(BBQなど)」
・農林水産省HP「バーベキューを楽しむ皆様へ」

 

 

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武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科の外観写真の画像
当院の外観写真

 

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

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