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生後2か月から始まる「ワクチンラッシュ」。何度も小児科に足を運び、スケジュールを管理するのは本当に大変です。
1歳を過ぎていくつかのワクチンが一段落するとホッと一息つけますが、ここでポッカリと抜け落ちてしまいがちなのが「日本脳炎ワクチン」です。
今回から「忘れやすいワクチンシリーズ」と題して、注意すべき予防接種について解説します。第1回目のテーマは「日本脳炎ワクチン」。ぜひ、お手元に母子健康手帳をご用意して一緒に確認してみてください。

小児科医の目から見ても、日本脳炎は最もスケジュールから漏れやすいワクチンの代表格です。それには以下の2つの理由があります。
理由①:1歳半のワクチンから期間が空くため
0〜1歳代は打つべきワクチンが目白押しですが、1歳6か月頃の「水痘(水ぼうそう)ワクチン2回目」で一旦ラッシュが落ち着きます。日本脳炎の標準的な開始時期は「3歳」。この約1年半の空白期間が、うっかり忘れの最大の原因です。
理由②:小児科を受診する機会が減る「9歳」での追加接種
日本脳炎ワクチンは、3〜4歳で計3回打ったのち、9歳〜13歳未満の間に「第2期」としてもう1回(計4回目)接種します。小学校中学年になると体が丈夫になり、風邪で小児科を受診する機会自体が減るため、クリニックで医師から「次はこのワクチンですね」とお声がけするチャンスも減ってしまい、結果として忘れてしまう方が多いのです。
「今の日本で日本脳炎にかかるの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。確かに国内での発症者数は年間数名程度ですが、これはウイルスが消滅したわけではなく「ワクチンで社会全体が守られているから」です。
国立感染症研究所などのデータによると、万が一発症(脳炎を発症)した場合の予後は非常に厳しく、根本的な特効薬は現在もありません。
致死率:約20〜40%
後遺症が残る確率:生存者の約45〜50%
とても怖い数字ですが、裏を返せば「ワクチンを打つことで、子どもたちを確実に守れる病気」でもあります。だからこそ、接種漏れを防ぐことが極めて重要です。
実は、日本脳炎ワクチンは法律上「0歳6か月」から接種可能です。「3歳から」というのはあくまで標準的な目安にすぎません。
日本脳炎ウイルスは蚊(コガタアカイエカ)を介して感染を広げます。西日本や千葉県など、感染源となるウイルスを保有する豚が多い地域にお住まいの場合、日本小児科学会も「生後6か月からの早期接種」を推奨しています。
では、当院のある川崎市中原区(武蔵小杉周辺)や東京都内の場合はどうでしょうか。
私たちは、一般的な生活圏であれば標準通り「3歳0か月」からのスタートで問題ないと考えています。
ただし、ご家庭のライフスタイルによっては早めの接種をおすすめします。
西日本や千葉県などに頻繁に帰省される
自然豊かな場所へキャンプによく行く
このような場合は、0歳6か月から日本脳炎を開始する方も多くいらっしゃいます。迷われたら、お子さんの生活環境に合わせて最適なスケジュールを一緒に考えますので、お気軽にご相談ください。
【日本脳炎ワクチンのスケジュール】
第1期初回(2回)
3歳(または生後6か月〜)
※接種間隔は1〜4週間あける
第1期追加(1回)
4歳(初回の2回目からおおむね1年後)
第2期(1回)
9歳〜13歳未満
「うちの子、3歳を過ぎているのにまだ打ってない!」「もう10歳だけど第2期を打ったか分からない!」と焦ってしまった親御さん、まずは母子健康手帳の「日本脳炎」のページを開いてみてください。
もし空欄があっても大丈夫です。気がついた時がベストタイミングですので、当院までご予約ください。
当院では24時間Webから予防接種の予約が可能です。「どのワクチンを予約すればいいか分からない」という場合は、受付窓口でお声がけください。看護師が母子手帳を拝見し、必要なワクチンとおすすめのスケジュールを医師とともに提案させていただきます。
ご家族の不安を少しでも和らげ、笑顔で子育てができるようスタッフ一同サポートさせていただきます。 次回は「忘れやすいワクチンシリーズ②:年長さんのMR・おたふくかぜ」について解説します。どうぞお楽しみに!
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当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)
© Morino Kodomo Clinic
