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クリニックの診察室で、親御さんからこんなお話をよく伺います。
「熱は下がったのに、コンコンという乾いた咳だけがずっと残っていて・・・」
「夜中になると特に咳がひどく、親子で寝不足なんです」
季節の変わり目や集団生活の始まりには、子どもはよく咳をします。その多くはいわゆる「風邪(ウイルス感染症)」ですが、中には「少ししつこいな」「いつもの風邪とは様子が違うな」と感じる咳があります。そんな時、小児科専門医が常に念頭に置いている感染症の一つが「マイコプラズマ感染症」です。
「名前は聞いたことがあるけれど、RSウイルスなどと何が違うの?」という疑問にお答えすべく、日本専門医機構認定小児科専門医の視点から、病気の特徴から治療法まで詳しく解説いたします。少し長くなりますが、お子さんの健康を守るための大切な情報ですので、ぜひ最後までお付き合いください。
⏱️ 忙しい方のためのまとめ(3つの要点)
熱が下がっても夜間・早朝に激しい乾いた咳が続く場合、「マイコプラズマ感染症」の疑いがあります。
一般的な抗生剤が効かず「耐性菌」も増えているため、専門医による慎重な検査と薬の選定、重症度の見極めが不可欠です。
明確な出席停止期間はないため、ご家庭で水分補給と加湿(湿度50〜60%)を行い、咳が落ち着いて元気になれば登園・登校可能です。
■ 受診のご予約・ご相談はこちらから
「小児科一般外来の当日順番予約」はこちらから
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「インフルエンザ注射ワクチン」はこちらから
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専門外来(アレルギー・心臓・低身長・夜尿症・思春期早発・あかちゃんの頭の形・こどもの頭痛など)のご予約はお電話(044-739-0888)で
マイコプラズマは、ウイルスではなく「細菌」の仲間ですが、少し変わった特徴を持っています。一般的な細菌が身を守るために持っている「細胞壁(鎧のようなもの)」を持たない、ふにゃふにゃとした極小の微生物なのです。主にのどや気管支、肺などの気道に感染し、潜伏期間が2〜3週間と非常に長いため「どこで感染したか分からない」ことが多いのも特徴です。
お子さんの様子を見る際、以下のサインに注意してください。
しつこい夜間の乾いた咳
コンコンという乾いた咳から始まり、次第に激しくなります。特に夜間から早朝にかけて咳き込むことが多く、熱が下がった後も3〜4週間続くことが珍しくありません。
歩き回れる肺炎(Walking Pneumonia)
気管支から肺に及ぶと「マイコプラズマ肺炎」を引き起こします。肺炎といっても症状が比較的軽く、歩き回れるほど元気なケースも多いのが特徴です。
年齢による症状の違い
2歳未満の乳幼児は鼻水や軽い咳で済むことが多いですが、幼児や学童期(小学生・中学生)になると典型的な激しい咳が出やすく、肺炎のリスクも高まります。

「うちの子、マイコプラズマかも?」と思ったら、自己判断せず小児科を受診してください。当院では症状や流行状況を詳しくお聞きした上で、お子さんに最適な以下の検査をご提案します。
迅速検査
のどや鼻の奥を綿棒でこすり、約15分で結果が出ますが、陽性に出ない「偽陰性」も多いため補助的に使用します。
PCR検査(核酸検査)
のどの粘液などから遺伝子を検出する非常に感度の高い検査です(結果が出るまでに時間がかります)。
耐性菌かどうかを判定することもできます。
胸部レントゲン検査
肺炎が疑われる場合、当院の協力機関にて撮影を依頼し、特徴的な影がないかを確認します。
【お薬選びが非常に重要な理由】
前述の通り、マイコプラズマには細胞壁がありません。一般的な風邪や細菌感染(溶連菌など)でよく使われるペニシリン系の抗生剤は「細胞壁を壊す」薬なので、マイコプラズマには全く効かないのです。そのため「マクロライド系」という別の種類の抗菌薬を使用します。
しかし近年、このマクロライド系が効かない「耐性菌」が急増しており、小児科領域で大きな問題となっています。薬を飲んでも改善しない場合は別の抗菌薬へ変更しますが、お子さんへの副作用を考慮し、慎重に見極める必要があります。 また、重症化して肺炎が悪化するケースでは、病原体そのものよりも「体の過剰な免疫反応」が肺を傷つけていることがあります。その際は、日本小児呼吸器学会のガイドライン等に基づき、行き過ぎた炎症を強力に抑える「ステロイド薬」の使用を検討し、お子さんの体を守ります。
適切な医療機関での治療と並行して、ご家庭でのサポートも回復を早める大切な要素です。
こまめな水分補給
咳や発熱で水分が失われやすいため、湯冷まし、麦茶、経口補水液などを少しずつ与えてください。
十分な休息と加湿
体力を消耗するためゆっくり休ませ、加湿器等で室内の湿度を50〜60%に保つことで気道の乾燥を防ぎ、咳を和らげます。
登園・登校の目安
インフルエンザのような「解熱後〇日」という明確な出席停止期間はありません。熱が下がり、激しい咳が落ち着いて本人が元気に過ごせるようになれば登園可能です。
かつてはオリンピックの年に流行る「オリンピック病」と呼ばれていましたが、近年は一年を通して見られる感染症です。 私たち「武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科」は、エビデンス(医学的根拠)に基づいた確かな医療をご提供するとともに、ご家族の不安な気持ちに寄り添うことを大切にしています。「ちょっと長引いているな」「いつもの咳と違うな」と感じたら、お気軽にご相談ください。
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<参考>
・厚生労働省HP「マイコプラズマ肺炎」
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当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)
© Morino Kodomo Clinic
