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当院の定点観測データに基づく、地域の感染症週報「もりのこIDWR」をお届けします。
※IDWR=Infectious Disease Weekly Report
7月も中旬に入り、子どもたちが心待ちにしている夏休みがいよいよ始まりますね。楽しい計画を立てているご家庭も多いかと思いますが、地域では依然として手足口病をはじめとする感染症が高い水準で推移しています。
今週の警戒ポイントは、先週に引き続き100件を超え、警報レベルとなっている「手足口病・ヘルパンギーナ」の流行です。また、長らく確認されていなかった新型コロナウイルス(COVID-19)の陽性者も1名確認されました。
ご家族で安心してお出かけや帰省を楽しんでいただけるよう、日本専門医機構認定小児科専門医の視点から最新の動向とホームケアのポイントをお伝えします。
<忙しい方のためのまとめ>
現在、手足口病・ヘルパンギーナの流行が非常に顕著です。また、急性胃腸炎も引き続き高い水準で推移しています。
【当院の診断数】
| 疾患名 | 件数 | 状況・トレンド |
| 手足口病 / ヘルパンギーナ | 116件 | 🔴 警報レベルで推移(先週119件) |
| 急性胃腸炎(嘔吐下痢) | 30件 | 🔴 高水準で横ばい(先週30件) |
| 溶連菌感染症 | 5件 | 🟡 横ばい |
| ヒトメタニューモウイルス | 2件 | 🔵 落ち着いています |
| アデノウイルス | 1件 | 🔵 落ち着いています |
| 水痘(水ぼうそう) | 1件 | 🔵 落ち着いています |
| マイコプラズマ | 1件 | ⚠️ 散発傾向(長引く咳に注意) |
| 新型コロナウイルス | 1名 | ⚠️ 久しぶりの確認(夏の増加に注意) |
| RSウイルス感染症 | 0件 | 🔵 落ち着いています |
| インフルエンザA/B型 | 0件 | 🔵 落ち着いています |

今週も診察室には手足口病のお子さんが多く来院されており、看病にあたる親御さんのご苦労・ご疲労もピークに達していることとお察しいたします。ご自宅で少しでも安心してお過ごしいただけるよう、重要なポイントを3つにまとめました。
1. 手足口病は「脱水予防」が最重要です
国立感染症研究所(NIID)のデータによれば、手足口病は例年7月中旬から下旬にかけてピークを迎えます。8月中も流行が続くことが多いため、引き続き警戒が必要です。
一番の合併症リスクは、口の中の発疹(痛み)によって水分が摂れなくなることによる「脱水」です。日本小児科学会の推奨通り、経口補水液(OS-1など)を利用し、スプーン1杯ずつこまめに水分を与えるホームケアを心がけてください。
2. 新型コロナウイルス(COVID-19)への備え
長らくゼロが続いていましたが、今週1名の陽性が確認されました。全国的にも、人の移動が増える夏に向けて微増傾向が見られることがあります。
厚生労働省のガイドラインでは「発症日を0日として発症後5日目まで(かつ症状軽快から24時間経過するまで)」は外出を控えることが推奨されています。夏休みの帰省でご高齢の祖父母とお会いするご予定がある方は、体調不良時は無理をしないなど、思いやりのある行動をお願いいたします。
3. 胃腸炎のホームケア「吐いた直後は飲ませない」
急性胃腸炎も30件と高止まりしています。嘔吐した際、慌ててお水を与えたくなりますが、「吐いた直後には水分を与えない」のが鉄則です。
胃の神経が過敏になっているため、すぐに水分を摂ると再び吐いてしまい、余計に体力を消耗します。嘔吐後1〜2時間は胃を休ませ、その後ティースプーン1杯(約5ml)の経口補水液から少しずつ再開してください。
Q1. 手足口病の症状が落ち着いてきました。プールにはいつから入れますか?
A. 「熱がなく、元気で、食事が普段通りとれており、水ぶくれが完全に乾燥していること」が目安です。
日本小児科学会等の見解に基づき、ウイルスは症状消失後も便の中に2〜4週間排出されることが分かっています。プールの水からの感染リスクは低いものの、タオルの貸し借りや密接な接触で感染が広がります。水ぶくれがジュクジュクしている状態での参加は控え、完全にカサブタになってから楽しみましょう。
Q2. 新型コロナウイルスの現在の療養期間を教えてください。
A. 「発症日を0日目として5日間経過し、かつ、解熱および症状が軽快した翌日を経過するまで」が目安です。
法律に基づく厳格な外出自粛は求められなくなりましたが、感染拡大を防ぐため上記の期間は外出を控えることが推奨されています。発症後10日間はウイルスを排出する可能性があるため、マスクの着用や高齢者との接触を控えるなどのご配慮をお願いします。
Q3. マイコプラズマの患者さんが出ているようですが、普通の風邪とどう違いますか?
A. 「熱が下がっても、しつこい乾いた咳が長引く」のが特徴です。
肺炎マイコプラズマという病原体による感染症で、初期症状は風邪と似ていますが、解熱後も強い咳が1週間以上(長いと3〜4週間)続くことがあります。一般的な風邪薬や一部の抗生物質が効きにくい耐性菌の可能性もあるため、咳が長引く場合は再受診をご検討ください。
いよいよ待ちに待った夏休み。子どもたちにとって、たくさんの素晴らしい経験ができる貴重な時間です。楽しい計画を万全の体調で迎えられるよう、少しでも不安な症状がある場合は、決して無理をせず「武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科」を頼ってください。
地域の皆様の健やかな夏休みを、スタッフ一同、全力でサポートさせていただきます!
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当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)
© Morino Kodomo Clinic
