【武蔵小杉の小児科】もりのこIDWR(感染症週報、10/26-31):インフルエンザAと胃腸炎が高水準で継続中。 - 武蔵小杉駅の小児科 - 武蔵小杉森のこどもクリニック小児科・皮膚科のブログ

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【武蔵小杉の小児科】もりのこIDWR(感染症週報、10/26-31):インフルエンザAと胃腸炎が高水準で継続中。 - 武蔵小杉駅の小児科 - 武蔵小杉森のこどもクリニック小児科・皮膚科のブログ

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【武蔵小杉の小児科】もりのこIDWR(感染症週報、10/26-31):インフルエンザAと胃腸炎が高水準で継続中。

武蔵小杉周辺にお住まいの皆様、こんにちは。
「武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科」院長のくま先生(小児科専門医)です。

10月26日から31日までの感染症定点観測データ「もりのこIDWR」をお届けします。
※IDWR:Infectious Disease Weekly Report(感染症発生動向調査週報)

<忙しい方のためのまとめ>

  • インフルエンザAと胃腸炎が同数(各36名)で継続中
    インフルエンザAは一時より落ち着きましたが、依然として高水準です。溶連菌感染症も毎週コンスタントに確認されています。

  • 溶連菌のあと「コーラ色の尿」「まぶたのむくみ」が出たらすぐ受診
    溶連菌感染から1〜3週間後に血尿や顔のむくみ・腫れが見られた場合は、急性糸球体腎炎の可能性があるため速やかにご相談ください。

  • フルミスト接種直後の発熱は、まず当院へ
    フルミスト(鼻の生ワクチン)接種直後に熱が出て他院でインフルエンザ検査を受けると、ワクチンのウイルスに反応して「偽陽性」が出ます。そこで抗インフルエンザ薬を飲むとワクチンの効果が台無しになるため、接種直後の発熱は当院にご相談いただき、「フルミスト直後の発熱」であることをお伝えください。

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【当院の診断数(10/26-31)】

感染症名 今週の診断数 前週からの推移 前週の数
インフルエンザA 36 ⇨ 54
インフルエンザB 0 0
COVID-19(コロナ) 1 ⇩ 7
胃腸炎 36 ⇨ 40
RSウイルス 6 ⇨ 8
ヒトメタニューモウイルス 0 3
アデノウイルス 1 3
溶連菌感染症 6 ⇨ 5
水痘(水ぼうそう) 0 0
おたふくかぜ 0 0
はしか 0 0
マイコプラズマ 2 ⇨ 2
百日咳 0 0

【院長による今週のポイント解説】

インフルエンザA型


先週の54名から36名へとやや落ち着きを見せました。とはいえ、まだまだ油断できる数字ではありません。今週も「学校で隣の席の子が休んでいる」「部活動の中で一気に広がった」という話を診察室で聞きました。熱が出始めて12時間以上経ってからの受診で迅速検査を行います(発熱がある者の落ち着いていれば発熱した翌日の受診が良いでしょう)。
※ぐったりしている、痙攣があった、ぼーっとしているなどがあればすぐの受診で。

重症化を防ぐために、まだ予防接種を検討していないご家庭は親御さんも含めワクチン接種を検討してください。
当院では鼻からのスプレータイプ「フルミスト」も従来の注射ワクチンも両方取り揃えています。

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溶連菌感染症

今週は6名のお子さんが診断を受けました。毎週コンスタントに出てきています。 「のどが痛い」「熱とともに体に赤いぶつぶつが出た」と言って受診される子が多く、のどを見ると真っ赤で、舌がイチゴのようにブツブツしているのが特徴です。溶連菌と診断されたら、処方された抗菌薬(抗生物質)を指示された日数分、症状が消えてもしっかり最後まで飲み切ることが何より大切です。途中でやめるとぶり返したり、後述する腎臓の病気につながることがあります。

「武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科」の感染症週報「もりのこIDWR(10/26~31)」。ハロウィーン特別仕様のアイキャッチ画像。くまの着ぐるみを着たくま先生が、インフルエンザ・胃腸炎の継続流行、溶連菌感染後の血尿(コーラ色の尿)やまぶたのむくみ、フルミスト(経鼻インフル生ワクチン)接種後の発熱対策を黒板で解説。

小児科専門医による今週のQ&A

Q. 溶連菌にかかった後、病院で尿検査をしなくていいのですか?

A. 元気に回復していれば、全員一律の尿検査は必要ありません。ただし「1〜3週間後」の尿の色やむくみには注意してください。

昔は「溶連菌にかかったら2〜3週間後に必ず検尿をしましょう」と指導されることが一般的でした。しかし現在、日本小児腎臓病学会などの知見に基づき、症状のないお子さん全員にルーチンで検尿を行う方針は見直されつつあります。無症状の段階で検査をしても、重症化の予防には直結しないことが分かってきたためです。当院でも、全員への定期検尿は行っていません。

ただし、ごく稀に溶連菌の感染から1〜3週間(およそ10日〜14日前後)経ったころに、「溶連菌感染後急性糸球体腎炎(PSAGN)」という腎臓の病気を発症することがあります。 治ったあとに以下の症状がないか、ご家庭でしっかり観察してあげてください。

  • おしっこの色がおかしい
    赤茶色、ウーロン茶やコーラのような黒っぽい色になる(血尿)。

  • 顔や体がむくんでいる
    朝起きたときに「まぶた」が腫れぼったい、靴下の跡が深く残る。

  • おしっこの回数や量が明らかに減った。

  • 急激に体重が増えている。

これらは腎臓のフィルターが炎症を起こしているサインです。もし思い当たる症状があれば、様子を見ずにすぐ当院へお越しください。その場で尿検査や血圧測定など必要な検査を行います。

Q. フルミスト(鼻のインフル生ワクチン)を打った直後に熱が出ました。他院で検査をしたらインフルエンザ「陽性」と言われ、抗インフル薬を出されたのですが、飲んでも大丈夫でしょうか?

A. ワクチンのウイルスに反応した「偽陽性」の可能性もあります。抗インフルエンザ薬を飲んだ場合はワクチンの効果が消えてしまいます。

診察室で多い質問です。
 「フルミストを打った翌日に熱が出て、慌てて夜間救急(他院)に行ったら鼻の検査をされて陽性。ゾフルーザを処方されたけれど、本当に飲ませていいのか迷って・・・」という内容です。

このケースで抗インフルエンザ薬を飲むかどうかは注意が必要です。

フルミストは、生きたウイルスを極限まで弱めて鼻腔に吹き込む「弱毒生ワクチン」です。 そのため、以下の2つの特徴があります。

  1. 接種後数日以内に、軽い発熱や鼻水が出ることがある(10%以下のお子さんに見られます)。

  2. 鼻の中にワクチンのウイルスが存在するため、接種後数日間〜1、2週間ほどは、通常のインフルエンザ迅速抗原検査をすると「陽性」反応が出てしまう。

つまり、本物のインフルエンザに感染したのではなく、「鼻に入れたワクチンのウイルス」を検査キットが拾って陽性と判定しているだけの可能性もあります。 ここでタミフルやゾフルーザなどの抗インフルエンザ薬を飲んでしまうと、薬がワクチンの生ウイルスをやっつけてしまい、せっかくつけたかった免疫が体の中に作られなくなってしまいます(接種が無駄になります)。

【当院からのお願い】
当院でフルミストを接種された後、数日以内にお熱が出た場合は、当院を受診してください。
「いつフルミストを接種したか」を踏まえた上で、本物の感染なのかワクチンの反応なのかを慎重に見極めて対応いたします。

【参考:抗インフルエンザ薬を使った後のフルミスト接種間隔】
日本小児科学会の指針では、抗インフルエンザ薬を使った直後は体内に薬が残っておりワクチンのウイルスが増えられないため、以下の期間をあけてからフルミストを打つことと定められています。

  • タミフル(オセルタミビル)・リレンザ(ザナミビル)
     内服終了後、48時間(2日)以上あける

  • ラピアクタ(ペラミビル)
    点滴終了後、5日以上あける

  • ゾフルーザ(バロキサビル)
    薬が体内から抜けるのに時間がかかるため、内服後17日以上あける

■ さいごに

10月も終わりを迎え、武蔵小杉駅周辺は冷たい風が吹き抜ける日が多くなりました。幼稚園や小学校では、音楽会や作品展、学習発表会の練習が本格化している頃でしょうか。行事に向けて一生懸命に取り組む子どもたちの姿は頼もしいものですが、同時に疲れが出やすい時期でもあります。

インフルエンザも胃腸炎も、日常の予防の基本は「標準的な感染予防(手洗い、マスク、換気など)」と「しっかり湯船に浸かって温まり、早く寝ること」に尽きます。 週末はお子さんと一緒に、温かいスープやお鍋でも囲んでゆっくり体を休めてください。

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武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科の外観写真の画像
当院の外観写真

 

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

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