放っておかないで!“いぼ”はうつる?子どもも大人も注意したい尋常性疣贅のお話 - 中原区、武蔵小杉駅の小児科 - 武蔵小杉森のこどもクリニック小児科・皮膚科のブログ

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放っておかないで!“いぼ”はうつる?子どもも大人も注意したい尋常性疣贅のお話 - 中原区、武蔵小杉駅の小児科 - 武蔵小杉森のこどもクリニック小児科・皮膚科のブログ

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放っておかないで!“いぼ”はうつる?子どもも大人も注意したい尋常性疣贅のお話

はじめに

「いぼ」と聞くと、なんとなく昔からある皮膚のトラブルというイメージを持たれる方も多いのではないでしょうか。特にお子さんの手や足に、硬くてザラザラしたできものを見つけて「これって何?」と心配になる親御さんもいらっしゃると思います。
今回は、子どもにも大人にも起こる「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」、つまり“ウイルス性のいぼ”について分かりやすくご紹介します。


「いぼ」ってなに?〜ウイルスが原因〜

いぼの正体は、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)というウイルスによって皮膚が感染してできる小さな腫瘤です。特に子どもは免疫が未熟で、擦り傷などからウイルスが入り込みやすいため、手足を中心にいぼができやすい傾向にあります。

よく見られるいぼの特徴

  • 手のひらや足の裏にできることが多い

  • 表面がザラザラしていて、盛り上がっている

  • 色は皮膚色〜白っぽいものまでさまざま

  • 押すと痛みを感じることもある(特に足の裏)


「うつるの?」気になる感染の仕方

尋常性疣贅は人から人へ、または自分の体の別の部位へもうつる可能性があります。たとえば、

  • プールや公園で裸足になったとき

  • 共用のタオルやマットを通じて

  • いぼを掻いて、爪で他の部位に触れたとき

このような日常的な場面でも感染が広がることがあります。そのため、早めに適切な治療を行うことが大切です。


当院での治療法

当院では、患者さんの年齢やいぼの状態に応じて、日本皮膚科学会のガイドラインに準拠して以下の治療法を行っています。

① 液体窒素療法(保険診療)

  • マイナス196℃の液体窒素を使っていぼを凍結させる治療です

  • 通常、1〜2週間に1回の通院で数回の治療が必要です

  • 少し痛みを伴いますが、一般的で安全性の高い治療です

② モノクロロ酢酸(自費診療)

  • ウイルスに感染した皮膚を化学的に腐食させて取り除く方法です

  • 比較的やさしい刺激で、液体窒素が苦手なお子さんや、痛みに敏感な方におすすめです

  • 自費診療となります

③ ヨクイニン内服(保険診療)

  • ヨクイニンは「ハトムギ」から抽出された生薬で、皮膚のターンオーバーを整える働きがあります

  • いぼを内側からゆっくりと改善することを目的に使用します

  • 特に複数のいぼがある場合や、痛みのある治療が難しい方(小さなお子さんなど)に補助療法として用いられます

  • 即効性はありませんが、皮膚の状態を整え、治りやすくするサポート役として期待されます


よくある質問Q&A

Q. いぼは自然に治りますか?
A. 免疫力が高まることで自然に治ることもありますが、数ヶ月〜数年かかることもあります。放置していると数が増えることもあるため、早めの受診をおすすめします。

Q. 家族にうつる心配は?
A. 皮膚が直接触れたり、共用の物を通してうつることがあるので、いぼがある場合はタオルやバスマットを分けるようにしましょう。

Q. 学校や保育園はお休みしないといけませんか?
A. 基本的には日常生活に制限はありません。ただし、プールなど皮膚が密に接触する場面では注意が必要です。


まとめ:見つけたら放置しないことが大事!

「いぼ」は、単なる皮膚のトラブルに見えるかもしれませんが、ウイルス感染による皮膚疾患であり、放っておくと広がってしまうことがあります。
特にお子さんの場合、学校や習い事などで他の子どもにうつしてしまうこともあるため、気になるできものを見つけたら、なるべく早めに皮膚科を受診しましょう。


当院の特徴

当院では、お子さんから大人の方まで、年齢を問わずいぼの診療に対応しております。治療には凍結療法(液体窒素)や痛みに配慮したモノクロロ酢酸(自費診療)、さらに補助的な方法としてヨクイニンの内服も組み合わせることで、効果的に改善を目指すことができます。症状に合わせて最適な方法をご提案しますので、まずはお気軽にご相談ください。
皮膚科は日時指定の予約制となっております。初診の方もWebから予約を取得して頂けます。

<参考>
日本皮膚科学会ガイドライン:尋常性疣贅診療ガイドライン2019

武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科の外観写真の画像
当院の外観写真

 

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

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