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【小児科専門医が解説】こどもの頭痛、我慢させていませんか?〜慢性化を防ぐ「頭痛外来」という選択肢〜

今週(2026年3月15~21日)は国際頭痛週間だったことをご存じですか?
日本頭痛学会:国際頭痛週間(3月15日~3月21日)のお知らせ

国際頭痛週間にちなみ、今回はご相談が非常に多い「こどもの頭痛」について、日本専門医機構認定小児科専門医の視点から詳しくお話ししたいと思います。

武蔵小杉「森のこどもクリニック」のこども頭痛外来の診察風景。紺色のスクラブを着た院長が、制服姿の女子中学生と母親に笑顔で優しく説明し、看護師が寄り添って見守る温かい色鉛筆風イラスト。

「我慢できる=治療は不要」ではありません

こどもの頭痛(片頭痛や緊張型頭痛など)は、大人の頭痛と比べて少し特徴が異なります。痛みが続く時間が比較的短く、痛みのピークが過ぎるとすぐに元気に遊び始めたりすることが多いのです。そのため、周囲からは「さっきまで痛がっていたのに嘘だったのかな?」と誤解されてしまうことが少なくありません。

親御さんとしてはまずは「様子を見よう」と思うかもしれませんが、「我慢できる=治療は不要」ではないということを、ぜひ知っていただきたいと思います。

痛みというものは目に見えません。ですが、「頭痛のせいで大好きな体育を見学した」「友達との約束をキャンセルした」「授業中、痛くて黒板に集中できなかった」といったことが少しでも起きているなら、それはお子さんの生活の質(QOL)を確実に奪っています。痛みを我慢して耐えることは、決して当たり前のことではありません。

頭痛は放置することで、やがて「慢性化」してしまう

「そのうち治るだろう」「市販の鎮痛薬でやり過ごせているから大丈夫」と頭痛を放置してしまうことには、医学的に見て大きなリスクが伴います。最大の懸念は、頭痛は放置することで慢性化してしまうという点です。

人間の脳や神経は、痛みを繰り返し経験し続けると、その刺激に対してどんどん敏感になっていきます。これを「感作(かんさ)」と呼びます。最初は月に1回の頭痛だったものが、痛みの回路が過敏になることで、月に数回、やがて週に数回と頻度が増えてしまうことがあるのです。

また、痛がるお子さんを見て、頻繁に市販の痛み止めを飲ませてしまうケースも見受けられます。お薬を使うこと自体は悪いことではありませんが、月に10日以上など過度に使用し続けると、かえって脳が痛みに敏感になり「薬物乱用頭痛」というさらに複雑な状態を引き起こす恐れがあります。毎日のように頭痛が続けば、最悪の場合、不登校の引き金にもなりかねません。

軽症から治療するほうが、圧倒的に制御しやすい

医療の世界には、どんな疾患にも共通する大原則があります。それは「こじらせる前に、早めに手を打つ」ということです。これは、こどもの頭痛においても全く同じです。

痛みが慢性化し、脳の神経が過敏になってしまった後から元の状態に戻すには、非常に長い時間と根気が必要になります。一方で、頭痛の回数がまだ少なく、痛みの程度もそれほど強固ではない「軽症」の段階でご相談いただければ、軽症から治療するほうが圧倒的に制御しやすいというエビデンス(科学的根拠)があります。

「こんな軽い症状で病院に行ってもいいのかな?」と遠慮される親御さんもいらっしゃいますが、どうかご遠慮なく軽い症状のうちに頼っていただきたいと考えています。

「予防治療」で頭痛発作は減らせます

「病院に行っても、結局強い痛み止めを出されるだけでは?」と心配される方もいらっしゃるかもしれません。しかし、現在の小児頭痛治療は「痛いときに薬で抑える(急性期治療)」だけではありません。

年齢にもよりますが、痛みが起きる回数そのものを減らし、万が一痛みが起きても軽く済むようにコントロールしていく「予防治療」というアプローチがあり、これによって頭痛発作はしっかりと減らしていくことが期待できます。

予防治療は、毎日規則的にお薬を飲む方法だけではありません。実は、生活習慣の見直しも立派な予防治療の一つです。 たとえば、日々の診療で私はお子さんたちにこんなことを尋ねています。 「朝ごはんはちゃんと食べてるかな?お茶やお水、学校でどれくらい飲んでる?」

  • 十分な睡眠
    睡眠不足はもちろん、休日の寝だめも頭痛の引き金になります

  • 規則正しい食事
    空腹による低血糖は片頭痛の敵です

  • こまめな水分補給
    特にこれからの季節、隠れ脱水は頭痛を招きやすくなります

こうした一人ひとりの生活背景をお聞きし、ご家族と一緒に「なぜ頭痛が起きるのか」「どうすれば防げるのか」を考え、アドバイスしていくのが私たちの役割です。

悩んだら「こどもの頭痛外来」という選択肢を

もし、お子さんが繰り返し頭痛を訴えることがあれば、ぜひ「こどもの頭痛外来という選択肢がある」ことを思い出してください。
当院では、こどもの頭痛に特化した「こどもの頭痛外来」を設けております。 詳しい診療内容や受診の目安については、こちらのページをご覧ください。

▶ 「武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科」|こどもの頭痛外来

ご予約はお電話(044-739-0888)で承っています。

国際頭痛週間を機に、お子さんの「頭が痛い」という小さなサインに、もう一度耳を傾けてみてください。ご不安なことがあれば、いつでも当院にご相談ください。

 

 

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武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科の外観写真の画像
当院の外観写真

 

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

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