Medical こどもの頭痛外来について
はじめに
お子さまの「頭が痛い」は、単なる体調不良の一時的な症状と捉えられがちですが、繰り返す頭痛や日常生活に支障をきたすような痛みには、専門的な評価が必要です。小児の頭痛は、身体的だけでなく心理的・環境的要因とも密接に関係しており、的確な診断と多角的なアプローチが求められます。
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お子さまの「頭が痛い」は、単なる体調不良の一時的な症状と捉えられがちですが、繰り返す頭痛や日常生活に支障をきたすような痛みには、専門的な評価が必要です。小児の頭痛は、身体的だけでなく心理的・環境的要因とも密接に関係しており、的確な診断と多角的なアプローチが求められます。
小児の頭痛は大きく「一次性頭痛」と「二次性頭痛」に分類されます。
分類 | 代表疾患 | 特徴 |
---|---|---|
一次性頭痛 | 片頭痛、緊張型頭痛 | 明確な原因疾患がなく、繰り返す慢性的な頭痛 |
二次性頭痛 | 脳腫瘍、髄膜炎など | 原因となる疾患が存在。緊急対応が必要な場合あり |
小児においても頻度が高く、6歳ごろからみられます。片頭痛は以下のような特徴があります。
精神的ストレスや姿勢不良が原因とされ、以下のような特徴があります。
以下のような症状がある場合は、精密検査(画像診断など)が必要です。
このような場合には、MRIや血液検査、髄液検査などを実施し、腫瘍や炎症性疾患、頭蓋内出血などの鑑別を行います。
当院では、以下のステップで丁寧に評価を行います。
治療は「急性期治療」と「予防的治療」に分けて考えます。
薬剤名 | 用量目安 | 補足 |
---|---|---|
イブプロフェン | 5~10mg/kg | 第一選択薬。空腹時は注意。 |
アセトアミノフェン | 10~15mg/kg | 小児でも安全性高い。 |
トリプタン製剤 | 年齢・体重に応じて選択 | 効果不十分な場合に使用検討。 |
以下のような場合に予防薬を検討します。
薬剤名 | 特徴 |
---|---|
アミトリプチリン | 片頭痛にも緊張型頭痛にも有効 |
プロプラノロール | 動機があるお子さまにも適応可 |
トピラマート | 抗てんかん薬としても使用される |
薬物治療に加え、生活習慣の見直しやストレス管理も非常に重要です。
お子さまの頭痛は、大人と比べて言語化が難しく、見過ごされやすい症状です。学校でのパフォーマンス低下や、家庭でのイライラ・無気力なども頭痛の影響かもしれません。痛みを正しく理解し、適切に対応することで、多くの場合は改善が見込めます。
お子さまが「頭が痛い」と訴えるとき、それは”心と体のSOS”かもしれません。気になる症状がある際は、お早めにご相談ください。ご家庭とともにお子さまの健やかな毎日をサポートいたします。