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夏が近づくと、外遊びが楽しくなる季節。
でも、そ「虫刺され」でかゆがるお子さんが増えてきます。
「ちょっと赤くなってるだけだし、大丈夫かな?」
「いつも通り薬を塗っておけば平気?」
そんなふうに思っているパパ・ママも多いのではないでしょうか?
しかし、虫刺されがきっかけで炎症が広がったり、とびひになったりすることもあるんです。
今回は、皮膚科専門医の立場から、「虫刺され(虫刺性皮膚炎)」について、原因・症状・家庭でのケア方法・予防法まで詳しく解説します。
「虫刺され」と一言で言っても、実は医学的には“虫刺性皮膚炎(ちゅうしせいひふえん)”と呼ばれます。
蚊やブヨ、ノミ、ダニなどに刺されたことによって起こる皮膚の炎症で、特に子どもは大人よりも反応が強く出やすいのが特徴です。
お子さんにこんな症状が出たら、虫刺性皮膚炎の可能性があります。
赤く腫れて、中央に小さなポツン(丘疹)がある
ひどくかゆがって、つい掻き壊してしまう
掻いた部分がジクジクして、黄色いかさぶたがついている
数日たっても腫れがひかず、熱感や痛みを伴う
とくに注意したいのが、とびひ(伝染性膿痂疹)への進行です。掻きこわした部分から細菌が入り、周囲の皮膚にどんどん広がってしまうことがあります。
刺された直後は、冷たいタオルや保冷剤で冷やしてあげると、かゆみや腫れを抑えるのに効果的です。
市販のかゆみ止めでは追いつかない場合も。赤みや腫れが強い時は、早めに医療機関で適切な薬(ステロイド剤)を使いましょう。
※「ステロイド=怖い薬」と思われがちですが、正しい使い方をすれば、短期間で炎症をしっかり抑えてくれる頼もしい薬です。
かゆみで眠れなかったり、無意識に掻きむしってしまうと、悪化の原因に。
爪を短く切る、手袋をする、寝る前に薬を塗ってガーゼを貼るなどの工夫が効果的です。
以下のようなときは、早めに小児科または皮膚科を受診しましょう。
赤みや腫れがどんどん広がっている
掻き壊してジクジクしている
複数の箇所に膿がたまってきている
発熱を伴っている
完全に防ぐことは難しいですが、事前の対策でリスクはぐっと減らせます。
肌の露出を避ける服装(長袖・長ズボン・靴下)
虫除けスプレーやシールを活用(年齢に合ったものを選びましょう)
草むらや水辺は蚊やダニの温床です。遊び終わったら、すぐにシャワーを浴びるのも効果的。
虫刺されは、たかが虫刺され…と軽く見がちですが、お子さんのデリケートな肌にとっては深刻なトラブルに発展することもあります。
かゆみで眠れない、傷がとびひになってしまう――そんなことになる前に、正しいケアと予防でしっかり守ってあげましょう。
もし、虫刺されが長引いたり、治りにくいと感じたら、どうぞお気軽に当院にご相談ください。
当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)