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男子もHPVワクチンを!9価HPVワクチン「シルガード9®」が男の子にも承認取得!

HPVワクチン」と聞くと、皆さんはどんなイメージをお持ちでしょうか?多くの方は「子宮頸がん予防のワクチン」というイメージが強いかもしれません。これまでは、主に女性の病気を予防するために推奨されてきましたが、実はこのウイルスは男性にとっても、とても身近でリスクのあるものなんです。そしてこの度、9つのHPV型に対応するワクチン「シルガード9」が、男の子への接種も承認されました

HPVウイルスとは

子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)。このウイルスは、性交渉を介して感染します。しかし、単に性交渉の経験があるかどうかだけではなく、誰でも感染する可能性がある、ごくありふれたウイルスなんです。そして、感染してもほとんどの人は自然に治りますが、一部の人では、がんや様々な病気を引き起こすことがあります。

具体的には、女性の子宮頸がんだけでなく、尖圭コンジローマや、肛門がん咽頭がんなど、男女問わずにかかる可能性のある病気の原因にもなります。

 

HPVワクチン、男の子にもなぜ大切なの?

「子宮頸がんは女性の病気なのに、なぜ男の子がワクチンを打つ必要があるの?」そう疑問に思うのは当然のことです。この問いにお答えするために、少しだけ深く掘り下げてみましょう。

HPVは、子宮頸がんだけでなく、尖圭コンジローマや、肛門がん中咽頭がんなど、男女問わずにかかる可能性のある病気の原因にもなります。

これらの病気の原因の多くはHPVです。男の子も、ワクチンを接種することで、将来、これらの病気になるリスクを大きく減らすことができます。

これまで、男性のHPVワクチンといえば、2価(サーバリックス)と4価(ガーダシル)の2種類が承認されていました。しかし、今回、より多くの種類のHPVに対応できる9価ワクチン「シルガード9」が、ついに男の子も接種できるようになりました。これにより、男性もより広範囲な予防ができるようになります。

また、もう一つの重要な理由があります。それは「周りの大切な人を守る」という視点です。

HPVは、パートナー間で感染します。男の子がワクチンを接種することで、自分自身を守るだけでなく、将来のパートナーや、大切な人をHPV感染から守ることにもつながります。これは、公衆衛生の観点からも非常に重要なことです。

 

👨‍⚕️ シルガード9、どんな病気に効くの?

シルガード9は、以下の9種類のHPVに予防効果が期待できます。

  • HPV6型・11型:尖圭コンジローマの原因の約90%を占めます。
  • HPV16型・18型:女性の子宮頸がんの原因となります。咽頭がん・肛門がん・陰茎がんの原因にもなります。
  • HPV31型・33型・45型・52型・58型:子宮頸がんの原因の約20%を占めます。

この9種類のウイルスに幅広く対応することで、より高い予防効果が期待できます。

オーストラリアやイギリスなどでは、すでに男性も定期接種の対象となっており、高い接種率を達成しています。これらの国々では、HPV関連疾患の発症率が大幅に減少しており、ワクチン接種の効果が実証されています。

 

💉 接種のタイミングと回数

シルガード9は、男の子の場合、9歳以上から接種が可能です。

接種回数は、2回または3回です。

  • 9歳以上15歳未満:初回接種から6ヶ月後に2回目を接種します。
  • 15歳以上:初回、2ヶ月後、6ヶ月後の3回接種が原則となります。

ワクチンは、まだ性交渉の経験がない思春期前の時期に接種することが最も効果的だとされています。ぜひ、早めの接種(中学1年生くらい)をご検討ください。

 

よくあるご質問

Q. 接種費用はどれくらいですか?

A. 現時点では男性へのHPVワクチンは定期接種の対象外です。そのため、自費での接種となります。費用の詳細については、お気軽に当クリニックまでお問い合わせください。

Q. 副作用はありますか?

A. 代表的な副反応としては、接種部位の痛み、腫れ、赤みなどが挙げられます。また、まれに発熱や頭痛、吐き気などがみられることもあります。

Q. もうすでに性交渉の経験がありますが、効果はありますか?

A. はい、効果はあります。HPVは種類が多いため、たとえすでに感染しているHPVがあったとしても、まだ感染していない他のHPVへの感染を予防することができます。


 

家族で考える、大切な予防医療

私たちは、こども達が将来、心身ともに健康で、幸せな人生を送ってほしいと願っています。今回の「シルガード9」の男の子への承認は、まさにその願いを叶えるための大きなチャンスです。

このワクチンは、子宮頸がんだけでなく、男女ともに罹患する可能性のある様々ながんや病気を予防するためのものです。自分自身を守り、そして将来のパートナーを守るための、大切な一歩です。

知ること」が、まず最初のステップです。

行動すること」が、その次のステップです。

今回の承認を機に、ご家族でHPVワクチンについて話し合ってみるきっかけにしていただけたら幸いです。もしご質問やご不安な点があれば、いつでも当クリニックにご相談ください。私たちスタッフ一同、皆さまを温かくお迎えし、丁寧にご説明させていただきます。

皆さまのご来院を心よりお待ちしております。

<参考>

MSDニュースリリース:HPVワクチン「シルガード9」が男性にも承認を取得

 

 

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当院の外観写真

 

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

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