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手足口病およびヘルパンギーナが流行しています。
手足口病とは?ヘルパンギーナとは?
手足口病は、主に4歳までの幼児(特に2歳以下)を中心に夏に流行が見られる感染症です。1/3の患者さんに発熱がみられ、手足口に水疱がみられます。水疱は時に膝・肘・おしりにもみられます。近年の手足口病の患者さんでは、罹ってから数週間後に爪が剥がれ落ちるケースがみうけられます。
ヘルパンギーナも夏に流行する感染症で、発熱に加え口の中に口内炎のような潰瘍ができ、喉の痛みや食欲の低下などを引き起こします。
手足口病・ヘルパンギーナともに、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスが原因ウイルスです。これらのウイルスは脳炎や脊髄炎、心筋炎などの重症な病態を引き起こすこともあるといわれていますので、「苦しそう」「けいれん」「機嫌が異常に悪い」「嘔吐が続く」などの症状がある場合は病院を受診してください。
検査は?
流行状況と診察所見から診断します。これらのウイルスを短時間で検出する迅速検査はありません。
治療は?
手足口病およびヘルパンギーナでは、多くの場合は自然治癒し後遺症を残すことはありません。特効薬はありませんので、対症療法(症状に対応した治療)が原則です。抗生剤は無効です。また、ワクチンもありません。
*脳炎、脊髄炎、心筋炎等の重症な病態に陥った場合はこの限りではありません。
口の中が痛い場合は、しみないものを与えてください。熱いものや、塩味・酸味のつよいものは避けましょう。脱水にならないよう、少量頻回に水分摂取することも重要です。
予防は?
エンテロウイルスやコクサッキーウイルスは、飛沫感染に加え接触感染もするウイルスですので手洗いが重要です。便にもウイルスが排出されていますので、特に排便前後やおむつ交換前後の手洗いが肝要です。
登園はいつからできる?
熱がなく元気になれば登園・登校は可能です。
特に許可証が必ず必要な疾患ではありませんが、園や学校に確認するとよいでしょう。
川崎市中原区
武蔵小杉 森のこどもクリニック 小児科・皮膚科
院長 大熊 喜彰
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)