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「先生、もう何ヶ月も痒くて……夜もぐっすり眠れないんです」
「薬をやめるとすぐ蕁麻疹がでてきてしまいます。」
患者さんの身体や腕には、地図のような赤みと膨らみ。 毎日現れては消え、また現れる「慢性蕁麻疹(まんせいじんましん)」。 原因がはっきりしないことも多く、「いつまで続くんだろう」という不安が、さらに心も疲れさせてしまうと思います。
今日は、そんなしつこい蕁麻疹に悩む12歳以上のお子さん、そして同じ悩みを持つ大人の皆さんに、「ゾレア(オマリズマブ)」という注射治療のお話をします。

蕁麻疹の治療といえば、まずは「抗ヒスタミン薬」という飲み薬。 多くの方はこれで症状が落ち着くのですが、中には一筋縄ではいかないケースもあります。
「毎日薬を飲んでいるのに、やっぱり出る」
「薬を倍に増やしても、痒みが引かない」
特に思春期のお子さんの場合、痒みで授業に集中できなかったり、部活に身が入らなかったり。かといって薬を強くすると、今度は副作用の「眠気」が受験勉強の邪魔をしてしまう……。
実は、飲み薬だけでコントロールできない時の「次の切り札」として、*「ゾレア」という治療薬があります。
蕁麻疹が起きるとき、体の中では「IgE(アイジーイー)」という物質が、マスト細胞という細胞に悪さをすることで、痒み物質が放出されます。 ゾレアは、この「IgE」そのものを捕まえてしまうお薬。
いわば、火事が起きる前に、火種を回収してしまうようなもの。 マスト細胞のスイッチが入るのをブロックして、症状を大元から抑え込みます。
よく心配されるステロイドとは違うので、顔が丸くなったり骨が弱くなったりといった副作用の心配はありません。世界中で使われていて、日本でもその効果と安全性はしっかり認められています。
先日、ある中学生(14歳)の患者さんが教えてくれた言葉が印象的でした。
彼女は半年以上、原因不明の蕁麻疹に悩んでいました。夕方になると手足が腫れ上がり、痒くて勉強どころじゃない。薬を飲めば蕁麻疹はひくものの、やめるとまた出現してかゆみに襲われる。
当院では「ゾレア」を提案しました。 治療は4週間に1回の皮下注射。 始めて1ヶ月後、彼女は診察室でパッと明るい顔を見せてくれました。
「昨日は一度も痒くなりませんでした。久しぶりに朝まで起きずに眠れたんです」
3ヶ月経つ頃には、飲み薬を減らしても蕁麻疹は出なくなりました。眠気もないから、本来の集中力を取り戻して部活にも復帰できたそうです。 「当たり前の生活(QOL)」を取り戻したことを、うれしく思いました。
ゾレア治療の対象は「12歳以上」。 つまり、中学生以上のお子さんはもちろん、成人の方も治療を受けられます。
当院「武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科」の強みは、小児科と皮膚科が同じ場所で連携していること。
12歳〜中学生・高校生のお子さん
日本専門医機構認定小児科専門医が、成長や学校生活への影響も考えながら、小児科でしっかり診ます。
成人の患者さん
皮膚のプロである日本皮膚科学会認定皮膚科専門医が、大人のライフスタイルに合わせて、皮膚科できめ細やかに診察します。
「いい薬なのはわかったけど、高いんでしょう?」 そう思われるかもしれません。高価な薬剤ではありますが、慢性蕁麻疹に対するゾレア治療は保険適応です。年齢や所得に応じた「高額療養費制度」や「医療費助成制度(こども医療費助成など)」が使えるケースが多々あります。 自治体によっても違うので、まずは一度ご相談ください。
血液検査やこれまでの経過を見て、本当にゾレアが必要かどうか、医学的な視点でお話しします。
慢性蕁麻疹は、見た目の辛さ以上に、心まで削られてしまう病気です。 「治らない」と一人で抱え込まず、当院にご相談ください。痒みのない、穏やかな日常を取り戻すお手伝いが出来たらと思っています。
小児の場合は「じっくり専門外来」で対応いたします。お電話(044-739-0888)でご予約ください。
成人の場合は皮膚科で対応いたします。当院Web予約ページの「皮フ科」タグから日時指定予約を取得してください。
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)
© Morino Kodomo Clinic
