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こんにちは。「武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科」です。
突然ですが、HPVワクチンの接種はお済みでしょうか?
当院では、9種類のHPV感染を防ぐ9価ワクチンの接種を対象者へ推奨しています。
HPVにはいくつかの種類(型)があり、9価ワクチンを接種することで、子宮頸がんの原因となる7つの型に加え、尖圭コンジローマの原因となる2つの型に対する抗体が作られます。9価ワクチンは、これにより子宮頸がんや尖圭コンジローマを予防するワクチンです。
日本人の子宮頸がんの原因となるHPV型の88.2%をカバーするといわれています。
日本では1年間に約3000人の女性が子宮頸がんを発症し命を落としています。一般的に他の多くのがんは高齢になるほど発症率が高くなりますが、子宮頸がんは20代から上昇し、40代でピークを迎えます。出産や子育てをしている世代の発症率が高く、小さい子どもを残して亡くなることもあるため、子宮頸がんは「マザーキラー」とも呼ばれます。
~平成20年度生まれの女の子と保護者の皆様へ~
2024年度に高校1年生相当(平成20年度生まれ)の女の子は、公費による接種期間の最終年度にあたります。接種回数は合計3回で、標準的な接種間隔で3回の接種を完了するまでに約6か月かかります。そのため、接種を希望する方は今年2024年の9月末までに1回目の接種を開始する必要があります。
夏休みの期間を利用してぜひHPVワクチン接種をご検討ください。
公費接種対象者:小学校6年生~高校1年生相当の女子(2008年4月2日~2013年4月1日生まれの女子)
以前まで日本ではHPVワクチンの接種を受けた後に、広い範囲に広がる痛みや手足の動かしにくさ、不随意運動(動かそうと思っていないのに体の一部が勝手に動いてしまうこと)などを中心とする多様な症状が起きたことが報告されていました。国ではこのような報告を受け、様々な調査研究が行われていますが、「ワクチン接種との因果関係がある」という証明はされていません。近年ではHPVワクチン接種対象者への公費化が再開し、早期予防の観点からHPVワクチンの接種が積極的に推奨されています。
接種方法は筋肉注射で行います。接種後は注射部位が腫れたり痛むことがあります。その他の症状についての不明点や、接種に関して不安を持たれている方がいましたらいつでもお気軽にご相談ください。
川崎市在住で当院で接種をご希望の方は、こちらよりご予約ください。
【参考】
厚生労働省「小学校6年~高校1年生相当の女の子と保護者の方へ大切なお知らせ」
国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)全国がん罹患データ(2016年~2019年)
武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科
看護師
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)