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【日本専門医機構認定小児科専門医がやさしく解説】うちの子、本当に食べちゃダメ?「食物経口負荷試験」で食物アレルギーの正しいゴールを見つけよう

離乳食が始まると、ご家族には楽しみが増える一方で、「もしアレルギーが出たらどうしよう…」という不安もつきまとうかもしれません。特に卵や牛乳、小麦などを初めて口にさせるときは緊張した親御さんも少なくありません。

さて、本日は親御さんからご相談を受けることが多い「食物経口負荷試験(しょくもつけいこふかしけん)」についてお話しします。漢字が並んでいて少し難しい印象を受けるかもしれませんが、こども達の「食べられる喜び」を守るための、とても前向きで大切な検査です。


そもそも「食物経口負荷試験」ってどんな検査?

食物経口負荷試験とは、一言でいうと「アレルギーが疑われる食べ物を、病院で医師に見守られながら、実際に少しずつ食べてみる検査」です。

「えっ、アレルギーかもしれないのに食べさせるの?」と驚かれるかもしれません。しかし、この検査には大きく分けて2つの重要な目的があります。

  1. 本当にその食べ物でアレルギー症状が出るのかを「確定」するため

  2. これまで除去していた食べ物が、「どれくらいなら安全に食べられるようになったか」を確認するため(量を推定する)

実は、この検査は食物アレルギーを診断するための「最も確実な方法(ゴールドスタンダード)」とされています。

小児科の診察室で、母親から少量のゆで卵を食べさせてもらう1歳の女の子と、食物経口負荷試験を笑顔で見守る女性医師と看護師の優しい水彩画イラスト

「血液検査」だけではダメなの?

よく、「採血でアレルギー検査をして、数値が高かったから完全除去しています」というご相談を受けます。

確かに血液検査(特異的IgE抗体検査)は、体がその食べ物に反応しやすい状態か(感作されているか)を知るための大切な手がかりです。しかし、「血液検査の数値が高い=絶対に食べられない」というわけではありません。数値が高くても、実際に食べてみたら全く症状が出ないお子さんはたくさんいらっしゃいます。

逆に言えば、血液検査の結果だけで「念のため」と完全に食事から除外してしまうと、こどもの成長に必要な栄養素が不足してしまったり、将来的に食べる楽しみを奪ってしまったりする「不要な食物除去」につながるリスクがあるのです。

「必要最小限の除去にとどめ、安全に食べられる範囲を見つける。」それが私たちの目指すゴールです。

検査はどのように進めるの?(具体例)

では、実際にどのように検査を行うのか、具体的なイメージを持っていただけるよう「ゆで卵」を例にご説明します。

ある日突然、卵を丸ごと1個食べさせるような乱暴なことは絶対にしません。 たとえば、「まずは固く茹でた卵の卵黄を、1個を16個に分けたうちの1つ(1/16)だけ食べてみましょう」といった具合に、ごく微量からスタートします。

  1. 負荷前診察と体温、心拍数などの測定
  2. 食べる
    決まった量の食べ物を口にします。

  3. 様子を見る
    30分〜1時間ほど、クリニックでリラックスしながら過ごしていただきます。絵本を読んだり、おもちゃで遊んだりしてリラックスして待つのがポイントです。

  4. ステップアップ
    1回の負荷で終了することもあります。症状が出なければ、少しだけ量を増やして再び食べ、また様子を見ることもあります。

これを数回繰り返し、目標とした量を食べても症状が出なければ「クリア(陰性)」となります。もし途中で皮膚の赤みや咳などの症状が出た場合は、そこで検査をストップし、出た症状に対して速やかに適切な処置を行います。

安全に検査を受けていただくために

食物経口負荷試験は、アレルギー症状(じんましん、咳、嘔吐、そして重篤なアナフィラキシーなど)を誘発する可能性がゼロではないことをご説明したうえで行っています。だからこそ、ご自宅での自己判断による「試し食い」は非常に危険です。

クリニックや病院で行う負荷試験は、万が一症状が出た場合に備え、抗アレルギー薬やアドレナリン(エピペン®など)といった治療薬をすぐに投与できる「安全な環境」を整えた上で実施されます。当院でも、お子さんの体調やこれまでの経過をしっかり問診し、リスクを評価した上で、適応となるかを慎重に判断しています。
※リスクが高いと判断される場合は、高次医療機関をご紹介し連携して治療にあたります。

多くの方が悩まれる4つの質問について、Q&A形式で分かりやすくお答えします。

Q1. 血液検査でアレルギー反応(数値が高め)が出ました。念のため、全く食べさせないほうがいいのでしょうか?

A. 自己判断での「完全除去」はおすすめしません。まずは医師にご相談ください。

「血液検査の数値が高い=絶対に食べられない」と誤解されている方は非常に多いです。確かに数値はひとつの目安になりますが、数値が高くても、実際に食べてみたら全く症状が出ないお子さんはたくさんいらっしゃいます。 「念のため」とむやみに食事から除外してしまうと、お子さんの成長に必要な栄養素が不足してしまったり、将来的に食べられるようになるチャンス(耐性獲得といいます)を遅らせてしまったりする可能性があります。当院では、問診や血液検査の結果を総合的に判断し、必要があれば先ほどお話しした「食物経口負荷試験」を行いながら、「安全に食べられる量」を見つけるお手伝いをしています。必要最小限の除去にとどめることが、今の食物アレルギー治療の基本です。

Q2. 春から保育園(幼稚園)に入園予定です。給食のアレルギー対応は、どのように進めればいいですか?

A. 園に提出する「生活管理指導表」を医師が作成します。余裕を持ってご受診ください。

集団生活が始まると、親の目が届かない場所での食事が増えるため、不安も大きくなると思います。保育園や幼稚園では、安全に給食を提供するために、医師の診断に基づいた「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」の提出が求められます。 この書類には、何をどれくらい除去すべきか、万が一症状が出たときにどう対応すべきかが具体的に記載されます。当院でも作成を承っております。園によっては独自のルールがある場合もありますので、まずは園としっかりコミュニケーションを取り、必要な書類を持参のうえ、入園前の少し余裕を持った時期にご来院ください。ご家族、園、そしてクリニックで連携して、お子さんを守っていきましょう。

Q3. もし間違えてアレルギーのある食べ物を食べてしまい、症状が出たらどうすればいいですか?

A. 落ち着いて症状を観察し、重い症状(アナフィラキシー)のサインがあれば迷わず救急車を!

どれだけ気をつけていても、誤食(間違えて食べてしまうこと)は起こり得ます。いざという時にパニックにならないよう、あらかじめ対処法を知っておくことが大切です。 口の周りが少し赤くなる、ポツポツと軽いじんましんが出るといった軽度な症状であれば、あらかじめ処方されている飲み薬(抗ヒスタミン薬)を飲ませて、静かに様子を見ます。 しかし、「ゼーゼーと息苦しそうにしている」「何度も繰り返し吐く」「顔色が悪くぐったりしている」「声がかすれる」といった症状が複数同時に現れた場合は、非常に危険な「アナフィラキシー」のサインです。この場合は、決してためらわずに救急車(119番)を呼んでください。また、医師から「エピペン®(アドレナリン自己注射薬)」を処方されているお子さんは、すぐに太ももに注射してください。躊躇は禁物です。

Q4. 食物アレルギーは、大きくなったら治るのでしょうか?一生食べられないままですか?

A. 多くのこども達は、成長とともに食べられるようになります。焦らずゆっくり進みましょう。

「この先ずっと、みんなと同じケーキが食べられないのかな…」と悲しい気持ちになる親御さんもいらっしゃるかもしれません。消化吸収機能や免疫機能が未熟な乳幼児期に発症した食物アレルギー(特に卵、牛乳、小麦など)は、成長に伴って自然に治っていく(耐性を獲得する)割合が非常に高いことが分かっています。小学校に入る頃には、多くのお子さんが制限なく食べられるようになっています。 ただし、ピーナッツや木の実類(くるみ、カシューナッツなど)は、長引きやすかったり、少量しか食べれない傾向があります。お子さん一人ひとりのペースがありますので、定期的にクリニックで経過を見ながら、適切なタイミングで負荷試験などを行い、焦らず一歩ずつ進めていきましょう。

院長からのメッセージ

食物アレルギーの治療は、以前の「とにかく避ける」時代から、「正しい診断のもと、食べられる範囲で安全に食べて、少しずつ体を慣らしていく」時代へと大きく変わりました。

お子さんが「おいしいね」と笑顔でごはんを食べる姿は、ご家族にとって何よりの幸せだと思います。私たち「武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科」は、その笑顔を守るためのサポーターです。

「うちの子、そろそろ牛乳飲めるかな?」
「検査の数値が高かったけれど、どうしたらいい?」

ネットで調べて不安になったときは、ぜひ一度ご相談にいらしてください。丁寧にお話を伺い、お子さん一人ひとりに合わせた無理のないペースで、一緒に解決の糸口を見つけていきましょう。
アレルギー専門外来はお電話(044-739-0888)で予約を承っております。

 

 

 

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武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科の外観写真の画像
当院の外観写真

 

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

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