<トラベルワクチン通信①>「腸チフス」ってどんな病気? - 中原区、武蔵小杉駅の小児科 - 武蔵小杉森のこどもクリニック小児科・皮膚科のブログ

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<トラベルワクチン通信①>「腸チフス」ってどんな病気?

当院の「トラベルワクチン外来」では仕事、その帯同、旅行などで海外渡航するかたが多く受診されています。楽しい海外生活の準備の真っ只中、「そういえば、海外の感染症って大丈夫なのかな…?」と、ふと心配になることもあるかもしれません。

今回は、トラベルワクチン通信として「腸チフス」を説明します。

 

「腸チフス」ってどんな病気?

「腸チフス」は、チフス菌という細菌が原因で起こる感染症です。この菌は、腸の中に住み着いて、熱を出したり、お腹の調子を悪くしたりします。
「チフス」という名前を聞くと、なんだか昔の病気のようなイメージがあるかもしれませんが、実は世界中で年間2,000万人もの人が感染していると言われている、決して珍しい病気ではありません。特に、衛生状態があまり良くない地域、例えばインドやパキスタン、東南アジア、中南米、アフリカなどでは、今でもよく見られる病気です。

 

どうやって感染するの?

腸チフスは、食べ物や飲み物を介して感染することがほとんどです。チフス菌に汚染された水や氷、加熱が不十分な食品(特に生野菜や生の魚介類、カットフルーツなど)を食べたり飲んだりすることで、菌が体の中に入ってしまいます。

イメージしてみてください。例えば、

  • 屋台で売っている、洗っていない生野菜のサラダ
  • 不衛生な場所で作られた、氷たっぷりのジュース
  • ちゃんと火が通っていないお肉や魚

こういったものが、感染源になる可能性があるんです。

 

どんな症状が出るの?

感染してから1~3週間くらい経ってから症状が出ることが多いです。主な症状は、

  • 高熱(だんだん上がっていきます)
  • 頭痛
  • 全身のだるさ
  • お腹の不快感(便秘になったり、下痢になったりすることもあります)
  • バラ疹(お腹や胸にバラ色の小さな発疹が出ることがあります)

などです。 最初はただの風邪かな?と思うような症状から始まることもありますが、だんだん熱が下がりにくくなったり、意識が朦朧としてきたりと、重症化すると命に関わることもあります。特に、小さなお子さんの場合は、症状が分かりにくいこともあるので注意が必要です。

 

腸チフス、どうやって予防する?

海外旅行での腸チフス予防には、いくつかポイントがあります。

  1. 予防接種を検討する
    腸チフスの予防接種があります。流行地へ渡航する予定がある場合、特に長期滞在や田舎への旅行を計画している場合は、渡航前にご相談ください。予防接種を受けることを強くおすすめします。
  2. 清潔な水と食品を選ぶ
    • 生水は飲まない!
      ボトルに入ったミネラルウォーターを買いましょう。
    • 氷は避ける!
      どんな水で作られているか分からないからです。
    • 生野菜や皮をむいていない果物は避ける!
      自分で皮をむける果物なら比較的安全です。
    • 十分に加熱された食品を選ぶ!
      熱々のできたての料理を選びましょう。
    • 屋台の食べ物には注意!
      衛生状態を確認し、慎重に選びましょう。
  3. 手洗いを徹底する
    食事の前やトイレの後など、こまめに石鹸と清潔な水で手を洗いましょう。水が使えない場合は、アルコール消毒液も有効です。

 

もし感染してしまったら?

もし海外旅行中や帰国後に、熱や体調不良が続くようであれば、すぐに医療機関を受診してください。その際、「海外に渡航していたこと」を必ず医師に伝えてくださいね。腸チフスは抗菌薬で治療できますが、早期発見・早期治療が大切です。

 

まとめ

腸チフスは、適切な予防策を取れば防げる病気です。海外旅行は、お子さんにとっても貴重な体験になるはず。旅行前に予防接種を行い、正しい知識を身につけ、万全の準備をして、楽しい思い出をたくさん作ってきてください。

 

武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科の外観写真の画像
当院の外観写真

 

 

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

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