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こんにちは。
今年の梅雨入りは例年より遅いようですね。しかし、もう7月。夏という季節に入りました。日差しもどんどん強くなりますね。
今回は、赤ちゃんの日焼けとビタミンDについてまとめてみました。
“日焼け”とは、地上に届く紫外線による皮膚の変化です。UVB(短波長紫外線)が急性の日焼け症状(発赤、紅斑、水疱)などの原因になり、長期に過度に暴露されると皮膚の老化や皮膚がんの原因になります。UVA(長波長紫外線)は、メラニン増加、色素沈着、皮膚のたるみ・しわなどの原因になります。
このように説明されると、日焼けすることが怖くなりますよね。
しかし、ここでのポイントは、“紫外線を長期に過度に曝露したとき”ということ、そして、今回お伝えしたいことは、極端な紫外線防御はお勧めしません、ということです。
こどもの皮膚は成人に比べて、表皮も薄く、紫外線に対するバリア機能が弱いこと、平均余命が長くなったこともあり成人になったときの皮膚がん発生を防ぐため、以前は、過度に日光を避ける風潮がありました。その結果、乳幼児のビタミンD欠乏症が増えていることがわかりました。
乳児のビタミンD欠乏症って、なんでしょうか。
ビタミンDは体内で産生できる唯一のビタミンです。紫外線(UVB)があたることにより皮膚で合成されます。体内のカルシウム代謝を調整し主に骨を作ることに役立っていますが、不足することで骨変形(くる病、O脚、X脚)、けいれん等をひき起こします。食事からもビタミンDは摂取できますが(きのこ、魚類に多く含みます)、食事摂取のみでは不足気味であると言われています。
何分くらい日光を浴びた方がよいかは、住んでいる地域や季節、天候、個人差等の影響もあり、規定は難しいのですが、参考までに。文献2では、日焼け止めをしない顔と手を露出した状態で、晴れた7月のつくば(北緯36度)12時で3.5分、15時で10.1分と記載されています。
“紫外線を極端に怖がらず、過度にあたえることを避けながらうまく屋外での活動をおこなう”。
素敵な夏になりますように。
〈紫外線の浴びすぎを防ぐには(資料5より)〉
武蔵小杉森のこどもクリニック 小児科・皮膚科
小児科医
〈参考文献・資料〉
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)