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最近、大変ショッキングなニュースが報道されました。
東京・葛飾区で女子中学生3人が面識の無い人から渡されたジュースを飲んで具合が悪いなどと訴え、救急搬送される事件がありました(Yahooニュース記事)。
また、2024年11月には大阪で、公園で見知らぬ男から渡されたガムを食べた小学生の女の子ら4人が腹痛を訴えう、ち3人が救急搬送されるという事件もありました。
このニュースを見て、私たち小児科医も強い危機感を抱きました。
子どもは、大人から何かをもらうと「ラッキー!」と喜んでしまいがちです。
特に、ラムネや飴、チョコレートなどは見た目もかわいく、美味しそうに見えます。
でも、子どもにとって「良いもの」と「危ないもの」を見分けるのはとても難しいことです。
悪意を持った人が、見た目を偽装して渡してくることもあるかもしれません。
「見た目がラムネでも、中身は薬かもしれない」
これは私たち大人でも驚くような話ですが、現実に起きています。
親子で話し合っておいてほしい大切なポイントを、3つにまとめました。
→ お菓子、ジュース、ガム、何であっても、見た目に関係なく 口に入れないこと を約束しましょう。
→ 近所のおじさん、おばさんでも、渡されたら「あとでお母さんに聞いてからね」と伝える習慣を。
→ 受け取ってしまった場合も、すぐに保護者や先生に伝えることで被害を防げます。
普段からしっかりしている子、警戒心の強い子でも、ちょっとした油断や「その場の空気」で行動が変わることがあります。
たとえば…
「友達が先にもらって食べていたから、自分も大丈夫だと思った」
「おじさんが優しそうで、『たくさんあるからどうぞ』って言ってきたから断れなかった」
「断ったら悪い気がして…」
こうした子どもならではの心理が、判断を鈍らせるのです。
だからこそ、“事前に話しておくこと”がとても重要です。
「知らない人からもらったものは口にしない」
これは単なるしつけやマナーではありません。
命を守る行動です。
親が子どもを信じることは大切ですが、それと同じくらい「一緒にルールを確認すること」も必要です。
どうか、この機会にお子さんとしっかり向き合って話していただきたいと思います。
「知らない人からのプレゼントは、いらないよ」
「君の命が、何よりも大切だよ」
そんな一言が、子どもたちの未来を守る大きな力になります。
今回のような事件は、地域全体で防いでいくことも大切です。
幼稚園や保育園、学校でも「知らない人との関わり方」を話し合う時間を設けるようお願いするのも一つの方法です。
「うちの子だけ」ではなく、「みんなで守る」。そんな意識を広げていけたらと思います。
当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)