大切な娘さんを守りましょう! 子宮頸がん予防とHPVワクチンのお話 - 中原区、武蔵小杉駅の小児科 - 武蔵小杉森のこどもクリニック小児科・皮膚科のブログ

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大切な娘さんを守りましょう! 子宮頸がん予防とHPVワクチンのお話

今日は、お子さんを持つお父さん、お母さんにぜひ知っていただきたい、子宮頸がんの予防とHPVワクチンについてお話ししたいと思います。

最後に、男児向けの4価HPVの話もあります。ぜひ、目を通してください。
当院は開院当初から女児・男児ともにHPVワクチン接種を積極的に行ってきています。
当院HP:HPVワクチン(女性向け)
当院HP:HPVワクチン(男性むけ)


 

子宮頸がんって、どんな病気?

子宮頸がんと聞くと、少し遠い話に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は私たちの子どもたち、特に女の子たちにとって、とても身近で大切なことなんです。
「子宮頸がん」という言葉は聞いたことがあっても、具体的にどんな病気か知らない方がほとんどではないでしょうか?

子宮頸がんは、子宮の入り口(子宮頸部)にできる「がん」です。このがんのほとんどは、HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスへの感染が原因で起こります。HPVは、性交渉によって男女間で感染することが知られており、性交渉の経験がある女性の多くが一生に一度は感染すると言われています。

そして、残念ながら、日本全国で毎年約1.1万人の女性が子宮頸がんになっており、年間約3,000人もの方が亡くなっています。。特に、25歳から40歳の女性のがんによる死亡原因の第2位と、若い世代の命を奪うことの多い病気なんです。25歳から40歳というと、働き盛りだったり、もしかしたら結婚や出産を考えている時期かもしれません。そんな年齢で発症する怖い「がん」なのです。


 

HPVワクチンで、子宮頸がんを「予防」できるって本当?

そうなんです! これが今日一番お伝えしたい大切なポイントです。

実は、子宮頸がんの主な原因であるHPVの感染を防ぐことで、子宮頸がんの80%~90%を予防できるとされています。その予防のために効果的なのが、HPVワクチンなんです。

現在、日本で接種できるHPVワクチンは、複数の種類がありますが、「9価HPVワクチン」というものが、より多くの種類のHPV感染を予防できるため、非常に高い効果が期待されています。


 

「うちの子はまだ小さいし…」と思っていませんか?

HPVワクチンは、HPVに感染する前に接種することが最も効果的だと言われています。そのため、現在、小学校6年生から高校1年生に相当する女の子は、予防接種法に基づき、公費でHPVワクチンを接種することができます。つまり、自己負担なしでワクチンを打つことができるんです。
HPVは性交渉でうつし合うこと、ワクチンではすでに感染しているHPVを排除できないこと、すでに進行しているHPV関連の病変を抑制する効果はないことから、日本での適応を守って、初めての性行為の前に接種することが効果的と考えられます。当院では中学1年生での接種をおすすめします!

お子さんが将来、子宮頸がんというつらい病気に苦しむことのないように、子どものうちに予防のチャンスがあるというのは、親としてとてもありがたいことですよね。


 

接種を見送っていた時期があったのはなぜ?

もしかしたら、テレビやインターネットで、HPVワクチンに関するさまざまな情報に触れたことがあるかもしれません。

実は、2013年から約9年間、行政からの働きかけが一時的に差し控えられていた時期がありました。これにより、HPVワクチンの接種率は一時的に大きく低下してしまったんです。

しかし、その後の研究や世界の状況から、HPVワクチンの安全性と有効性が改めて確認され、2022年4月から再び積極的な接種の呼びかけが再開されました

勧奨が再開されてからは、少しずつ接種率が回復してきていますが、残念ながら、以前の水準にはまだ及ばず、地域によっては接種率が10%未満のところもあります。


 

大切な情報を「見える化」する「ワクチンJAPAN」

このような状況の中で、M3総研という会社が厚生労働省やJAMDASと協力し「ワクチンJAPAN」というサイトを立ち上げました。このサイトでは、HPVワクチンの定期接種の状況や、地域ごとの接種率などのデータが分かりやすく可視化されています

「私の住んでいる地域の接種率はどうなんだろう?」 「全国的に見て、どんな状況なんだろう?」

といった疑問をお持ちの親御さんや、医療従事者、自治体の方々が、正確な情報を得ることで、一人ひとりが適切な選択をするための手助けをしてくれるんです。


 

娘さんの未来のために、今できること

子宮頸がんは、早期発見・早期治療が大切な病気ですが、できることなら、お子さんにそんな大変な思いはさせたくないですよね。

HPVワクチンは、まさに「子宮頸がんになる前の予防」ができる画期的なワクチンです。

もちろん、ワクチンを打つかどうかは、最終的にはご家庭での判断になります。しかし、お子さんの健やかな未来のために、まずはHPVワクチンについて正しい知識を持つことが第一歩だと私は考えています。

もし、HPVワクチンについて疑問や不安なことがあれば、いつでも当クリニックにご相談ください。お子さんの健康を守るため、一緒に考え、サポートさせていただきます。

大切な娘さんの未来のために、HPVワクチンの接種をぜひ前向きに検討してみてくださいね。


ちなみに、HPVは女性だけでなく、男性も感染するウイルスです。男性がHPVに感染すると、咽頭がん、肛門がん、陰茎がんなど、様々ながんの原因になることがあります。日本では現在のところ、男性へのHPVワクチン接種は定期接種の対象ではありませんが、希望される方は4価HPVワクチンを自費で接種することが可能です。ご自身の、そして大切なパートナーの健康を守るためにも、男性のHPVワクチン接種についても、関心をお持ちいただけると嬉しいです。

 

 

武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科の外観写真の画像
当院の外観写真

 

 

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

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