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これからの季節、気温が上がり、子どもたちの熱中症リスクが高まります。熱中症は適切な予防と対策で防ぐことができますので、今回は子どもの熱中症について、その症状、予防法、そして万が一の際の対処法をわかりやすくお伝えします。
熱中症とは、高温多湿な環境下で体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調節がうまくできなくなることで起こる健康障害の総称です。特に子どもは大人よりも体温調節機能が未熟で、体重に対する体表面積の割合が大きいため、外部の熱の影響を受けやすいとされています。
熱中症の症状は程度によって異なりますが、以下のような兆候が見られます。
軽度(I度):
中等度(II度):
重度(III度):
これらの症状が見られた場合は、速やかに適切な対処を行うことが重要です。
子どもの熱中症を予防するためには、以下の点に注意しましょう。
こまめな水分補給:
喉が渇く前に定期的に水分を摂取させましょう。特に運動中や外遊びの際は、20~30分おきに水分補給を促すことが大切です。
適切な服装:
黒っぽい衣服は避け、通気性の良い明るい色の衣服を選びましょう。外出時には帽子を着用させましょう。
涼しい環境の確保:
室内ではエアコンや扇風機を適切に使用し、外出時は日陰を利用するなどして、体温が上がりすぎないように工夫しましょう。
バランスの取れた食事と十分な睡眠:
日頃から栄養バランスの良い食事と十分な睡眠を心がけ、暑さに負けない体力作りをサポートしましょう。
暑さに慣れさせる:
徐々に暑い環境に慣れさせることで、体の適応力を高めることができます。ただし、無理は禁物です。
万が一、子どもに熱中症の症状が見られた場合、以下の対応を行ってください。
涼しい場所へ移動:
直ちに日陰や冷房の効いた室内など、涼しい場所に移動させます。
衣服を緩める:
衣服を緩め、体からの熱放散を助けます。
体を冷やす:
濡れたタオルや氷嚢を使って、首、脇の下、太ももの付け根などを冷やします。
水分補給:
意識がはっきりしている場合は、水や経口補水液を少しずつ飲ませます。意識が朦朧としている場合は、無理に飲ませないでください。
医療機関への連絡:
症状が改善しない、または重度の症状が見られる場合は、速やかに医療機関を受診するか、救急車を呼んでください。
熱中症は、適切な予防と早期の対処で防ぐことができます。子どもは自分の体調の変化を上手に伝えられないことが多いため、周囲の大人が注意深く見守り、適切な対応を心がけることが大切です。
<参考>
・教えて!ドクター配布フライヤー「熱中症」
・国立成育医療研究センターHP「熱中症(熱射病)」
・こども家庭庁HP「みんなで見守り「こどもの熱中症」を防ぎましょう!」
・日本小児科学会HP「熱中症」
当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)