ブログ
Blog
Blog
近年、子どもの食物アレルギーが増加しています。特に、ナッツ類のアレルギーが急増しており、保護者の皆さんにとっても心配の種となっています。今回は、消費者庁が令和6年9月に発表した「食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書」 の内容をもとに、最新の調査結果と日常生活での注意点をまとめました。
この調査では、全国のアレルギー専門医から6,033例の即時型食物アレルギー症例が報告されました。そのうち、0歳から6歳までの子どもが全体の74.4%を占めています。特に0歳児が23.5%と最も多く、幼児期に食物アレルギーが集中していることがわかります。
報告された症例の原因食品は以下の通りです。
特に、クルミやカシューナッツなどのナッツ類が上位に入っており、これらのアレルギーが増加傾向にあることが示されています。
誤ってアレルギーの原因となる食品を摂取してしまうケースも報告されています。特に、表示ミスや加工食品の成分表示を見落とすことが原因となることが多いです。表示ミスによる誤食例では、牛乳やクルミ、鶏卵、小麦、落花生が主な原因食品として挙げられています。
誤って原因食物を摂取した場合、アナフィラキシーないしアナフィラキシーショックを呈することもあります。アナフィラキシーないしアナフィラキシーショックを呈した場合、アドレナリンが投与されます。
全症例の24.9%でアドレナリンが投与され、22.4%が入院を必要としました。特にショック症状を呈した586例のうち、63.7%にアドレナリンが投与され、63.1%が入院しています。これらの数字から、食物アレルギーが重篤な症状を引き起こす可能性があることがわかります。
お子さんがすでに食物アレルギーと診断されている場合は、下記のような対応を心がけましょう。過去にアナフィラキシーを起こしたことがある場合は、かかりつけでアドレナリン自己注射(エピペン®)を処方してもらう事ができます。
食物アレルギーは適切な管理と周囲の理解によって、安全に生活することが可能です。最新の情報を活用し、お子さんの健康を守りましょう。
当院のアレルギー専門外来では、問診・診断検査(血液検査・食物負荷試験・プリック検査など)・適切な最小限の除去と食べていく治療・誤食事対応のアドバイス・エピペン®処方など、それぞれのお子さんに応じて対応しております。
<参考>
・消費者庁:令和6年即時型食物アレルギーによる健康被害に関する全国実態調査
・当院HP:「アレルギー疾患でお困りの方へ」
当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)