こどもが失神!?親が知っておくべき原因と対処法 - 中原区、武蔵小杉駅の小児科 - 武蔵小杉森のこどもクリニックのブログ

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こどもが失神!?親が知っておくべき原因と対処法

お子さんが突然意識を失って倒れたら、親御さんはとても驚き心配になりますよね。「失神」とは、一時的に意識を失い、すぐに回復する状態のことを指します。今回は、子どもの失神の原因や対処法について詳しく解説します。

子どもの失神の主な原因

子どもの失神はさまざまな原因で起こりますが、多くは一時的なもので、重大な病気が隠れていることは少ないです。代表的な原因を紹介します。

1. 血管迷走神経性

最も多い原因のひとつが「血管迷走神神経性」の失神です。長時間立っていたり、急に立ち上がったりすると、血圧が低下し脳への血流が減少することで意識を失います。特に思春期のお子さんに多く見られます。排便時に失神することもあります。

2. 過換気症候群

強い不安やストレスにより呼吸が速くなり、二酸化炭素が急激に減少することで、めまいや失神を引き起こすことがあります。

3. 起立性調節障害

思春期前後の小児に多くみられ、起立時にめまい、動悸、失神などが起きる自律神経の機能失調です。立ちくらみあるいはめまいを起こしやすい、朝なかなか起きられず午前中調子が悪い、乗り物に酔いやすいなどの特徴があります。

4. てんかん

てんかん発作の一種として、突然意識を失うことがあります。失神後にけいれんを伴う場合や、意識が回復した後もしばらくぼんやりしている場合は、てんかんの可能性を考える必要があります。

5. 心臓の病気

ごくまれに、心臓の異常(不整脈や心筋症、肺高血圧、冠動脈起始異常など)が原因で失神を引き起こすことがあります。特に運動中や興奮時に突然失神した場合は、心臓の病気の可能性があるため、すぐに医療機関を受診しましょう。

6. もやもや病

もやもや病は、内頚動脈という脳血管の終末部が原因不明で進行性に細くなってしまう病気です。 人口10万人あたり6-10人程度いると考えられています。もやもや病では、脳血管の狭窄・閉塞のために脳の血流が悪くなり脳虚血症状を引き起こすとともに、 弱いもやもや血管が破れて脳出血を起こすこともあります。こどもでは、脳虚血がほとんどであり、脳出血はまれです。

失神したときの正しい対処法

お子さんが失神したときは、慌てずに以下の対応をしてください。

  1. 安全を確保する:失神したときに頭を打たないように、周囲の安全を確認しましょう。
  2. 足を少し高くして寝かせる:血流を良くするために、仰向けに寝かせて足を少し高くすると回復が早くなります。
  3. 意識が回復するか確認する:数十秒以内に意識が戻る場合が多いですが、呼びかけても反応がない場合は救急車を呼びましょう。

まとめ

こどもが失神した場合は、上にあげたように背景に病気が隠れている場合があり、重篤なものも含まれますので、まずはかかりつけを受診しましょう。万が一のときに落ち着いて対応できるよう、対処法をしっかり覚えておきましょう。

当院では、小児の失神に関する相談も受け付けております。気になる症状がある場合は、お気軽にご相談ください。

<参考>
社会福祉法人済生会HP「起立性調節障害」
日本小児神経外科学会HP「もやもや病」

 

武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科の外観写真の画像
当院の外観写真

 

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

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