【2025年最新版】小児科医が解説:こどものコロナワクチン、今年の冬はどうする?~不安なパパママに知ってほしい最新情報~ - 武蔵小杉駅の小児科 - 武蔵小杉森のこどもクリニック小児科・皮膚科のブログ

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【2025年最新版】小児科医が解説:こどものコロナワクチン、今年の冬はどうする?~不安なパパママに知ってほしい最新情報~

新型コロナウイルスの患者数などがニュースで連日のように報道させることはなくなりましたが、依然として新型コロナウイルス感染症は流行を繰り返しています。一方では、2020~2021年頃のようなコロナ禍よりは社会が平穏を取り戻しつつあります。そんな中、親御さんたちの心の中には新たな疑問が生まれているのではないでしょうか。

「こどものコロナワクチンはどうしたらいいの?」

「もう昔ほど怖くない病気になったんじゃないの?」

「副反応も気になるし、本当に接種するメリットはあるの?」

クリニックの診察室でも、こうした声を耳にする機会が増えました。大切なお子さんのことだからこそ、毎年悩むのは当然です。

だからこそ、日本専門医機構認定小児科専門医として、2025年の秋冬シーズンに向けて皆さんが知っておくべき最新の情報を、科学的根拠(エビデンス)に基づいて、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思います。この記事が、皆さんの不安を少しでも和らげ、ご家庭でワクチンについて話し合うための「一つの判断材料」になれば幸いです。

当院ではスパイクバックス(モデルナ社、mRNAワクチン)を使用しています。接種をご希望される方は下記の内容をご確認の上、当院までお電話ください(044-739-0888)。

 

「ただの風邪」ではない?新型コロナの今と“見過ごせない”リスク

 

新型コロナの感染症法上の位置づけが5類に移行し、「普通の病気」という認識が広まりました。確かに、流行初期に比べて重症化率は低下しています。しかし、それはウイルスが「ただの風邪」になったという意味ではありません。特にこども達にとっては、インフルエンザと同様に、時に体に大きな負担をかけることがある病気です。

 

入院や死亡のリスクは、今もゼロではない

 

流行が落ち着いた現在でも、新型コロナウイルスが原因でお子さんが入院したり、多くはありませんが重症化したりするケースは報告され続けています。特に、基礎疾患が無くても(もともと健康だったお子さんでも)、感染をきっかけに脳症や心筋炎といった重い合併症を起こした報告が見られています。中等症以上の症例において脳症が17.9%、心筋炎は1.7%みられたと報告されています。日本のデータでも、新型コロナで亡くなったお子さんの約7割には基礎疾患がなかったという報告があり、健康なお子さんにとっても決して油断できないことを示しています。

 

合併症「小児多系統炎症性症候群(MIS-C)」

 

小児科医として特に注意を払っているのが、「小児多系統炎症性症候群(MIS-C)」です。これは、新型コロナに感染してから数週間後に、心臓、腎臓、脳など全身の様々な臓器に激しい炎症が起こる重い合併症です。川崎病に似た症状(高熱、発疹、目の充血など)が現れ、多くの場合、集中治療室での管理が必要になります。MIS-Cは、ウイルスの流行状況に関わらず、感染者がいる限り起こりうる病気です。

 

深刻な後遺症「Long COVID(ロングコビッド)」

 

熱が下がっても終わらないのが、新型コロナの厄介な点です。感染したお子さんのうち、決して少なくない割合で後遺症(Long COVID)に悩まされていることがわかっています。

  • 倦怠感(とにかく体がだるい、疲れやすい)
  • 集中力の低下(ぼーっとしてしまう、勉強に集中できない)
  • 頭痛
  • 息切れ
  • 気分の落ち込み

といった症状が長く続くことで、学校生活や日常生活に大きな支障をきたすことがあります。お子さんの大切な成長期に、こうした見えない後遺症が影を落とす可能性は、決して軽視できません。

 

【2025年秋冬】新しいワクチンは何が違う?その効果は?

 

今年の秋冬シーズンから接種が始まるワクチンは、これまでとは中身が変わります。

2025-2026年秋冬シーズン用ワクチン:LP.8.1/XEC 対応ワクチン

これは、現在世界的に流行の主流となっている変異株に対応するために開発された、最新のワクチンです。ウイルスが少しずつ姿を変えていくのに合わせて、私たちの武器であるワクチンも最適化されているのです。

では、この新しいワクチンにはどのような効果が期待できるのでしょうか?

 

発症・重症化をしっかり防ぐ

 

「発症」や「重症化」を防ぐ効果があります(100%感染を防ぐことを保証するものではありません)

米国における検討において以下が報告されています。
<0~4歳>
初回シリーズの発症予防効果は接種後2か月で63.8%、接種後5か月で58.1%。
<5~11歳>
初回シリーズのみならず、その後の追加接種による発症予防効果が確認された。追加接種による発症予防効果は接種後1か月時点で76.7%であった。また、既感染者であっても再感染する可能性はあり、ワクチン接種による追加の発症予防効果が得られることも確認された。

新しいLP.8.1/XEC 対応ワクチンも、現在の流行株に対して同等以上の効果を発揮し、お子さんが高熱で苦しんだり、入院したりするリスクを大きく減らしてくれると考えられます。

また、ワクチン接種は、前述した重症合併症(MIS-CやLongCOVIDなど)のリスクを大幅に低減させる効果も報告されています。

 

親御さんが一番知りたい「副反応」のすべて

 

大切なお子さんへの接種だからこそ、副反応は最も心配な点だと思います。どのような症状が、どのくらいの頻度で起こるのかをお伝えします。

 

ほとんどは一時的

 

国内全体で4億回以上のワクチン接種が行われ、5~11歳の小児に対しては、のべ450万回以上、0~4歳の小児については50万回以上の接種が行われ、アン税制に関する情報が積み重ねられています。まず知っていただきたいのは、副反応のほとんどは接種後1~2日で自然に軽くなる一時的なものだということです。

当院で使用するスパイクバックス(モデルナ社製)の主な副反応の頻度は以下の通りです。(※過去の臨床試験データより)

 

注射した場所の痛み:約70-90%

発熱(38℃以上):10~20%前後

疲労感:約40%

頭痛:約40%

筋肉痛 :約35%

 

注射した部位の痛みや、小さなお子さんでは機嫌が悪くなるといった症状が多く見られます。発熱しても、ほとんどは1~2日で解熱します。もし高熱でつらそうであれば、受診してください。対応させていただきます。

 

心配される「心筋炎・心膜炎」について

 

重い副反応として心筋炎・心膜炎が知られていますが、その頻度は非常に稀です。特にリスクが高いとされる10代男性でも100万回接種あたり数十件程度であり、そのほとんどは軽症で自然に回復します。

そして最も重要な点は、新型コロナウイルスに感染した方が、ワクチン接種よりも心筋炎になるリスクが何倍も高いという事実です。「心筋炎が怖いから接種しない」という選択は、逆にお子さんをより高い心筋炎のリスクに晒してしまう可能性があるのです。

 

当院の接種スケジュールについて

 

当院では、モデルナ社の新しい「スパイクバックス筋注(1価:LP.8.1対応)」を使用します。Blog記載時点(2025年10月)ではこどもの場合は任意接種(自費)となります。年齢や接種歴に応じた接種スケジュールは以下の通りです。
接種をご希望される方は当院までお電話ください(044-739-0888)。
※65歳以上の公費での新型コロナウイルスワクチン接種は当院では行っておりません。

対象年齢 新型コロナワクチン接種歴 接種回数と間隔
生後6か月~4歳 未接種 2回接種(初回免疫) ※通常、4週間の間隔をあけます
5~11歳 未接種 2回接種(初回免疫) ※通常、4週間の間隔をあけます
接種歴あり 1回接種 ※前回接種から3か月以上あけます
12歳以上 接種歴あり 1回接種 ※前回接種から3か月以上あけます

ご自身のスケジュールがご不明な場合は、いつでもお気軽にご相談ください。

 

最後に伝えたいこと:メリットはデメリットを大きく上回ります

 

ここまで最新の情報をお伝えしてきましたが、最も伝えたいことは「こども達の新型コロナワクチン接種は、そのメリットがデメリット(副反応のリスク)を大きく上回る」ということです。

ワクチンは、今も存在する重症化や合併症、そして後遺症のリスクからお子さん自身を守るための、最も有効で安全な手段の一つです。

もちろん、接種を最終的に決めるのは保護者の皆さんです。私たちはその判断を無理強いすることは決してありません。しかし、その大切な判断をするために、どうか正確な情報に基づいてご検討いただきたいと心から願っています。

この記事を読んでも、まだ不安や疑問が残るかもしれません。そんな時は、いつでも私たちにご相談ください。ご家族にとって最善の選択ができるよう、サポートさせていただきます。

私たち「武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科」は、これからも地域の皆さんとともに、こども達一人ひとりの健やかな成長と、その先にある幸せな未来を、全力で守っていきたいと考えています。


【根拠・参考資料】

 

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武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科の外観写真の画像
当院の外観写真

 

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

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