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「うちの子、健診で心臓に雑音があるって言われたけど大丈夫?」〜赤ちゃんの心雑音〜

「うちの赤ちゃん、健診で心臓に雑音があるって言われたんです…」

当院の心臓外来を受診される親御さんから、よく聞かれるお話です。大切なお子さんのこと、もし心臓に何か異常があるとしたら…と、ご心配でたまらないお気持ちで皆さん受診されます。

このブログでは、赤ちゃんの心雑音について、親御さんが抱える疑問や不安に寄り添いながら、分かりやすく解説していきます。具体例を交えながら、どうして雑音が聞こえるのか、どんな時に心配が必要なのか、そしてどんな検査をするのかなど、詳しくお伝えします。


 

そもそも「心雑音」って何?

心臓は、全身に血液を送り出すポンプの役割をしています。その際、血液が心臓の中や血管を通る時に、「ヒュー、シュー」というような音が聞こえることがあります。これが「心雑音」です。

聴診器で心臓の音を聞くと、「ドックン、ドックン」という正常な心臓の音(心音)に加えて、この雑音が聞こえることがある、というわけです。


 

赤ちゃんの心雑音、ほとんどは心配いりません!

新生児健診や乳幼児健診で「心雑音がありますね」と言われても、すぐに焦らないでください。
健康な子どもの10〜30%にも心雑音は聞こえると言われています。また、赤ちゃんの心雑音の約90%は、成長とともに自然に消えていく「生理的雑音(無害性雑音)」だと言われています。

では、どうして生理的雑音が聞こえるのでしょうか?

 

生理的雑音(無害性雑音)の正体

生理的雑音は、心臓や血管に病気があるわけではなく、お子さんの成長や体の状態によって一時的に聞こえる雑音のことです。具体的には、以下のような原因が考えられます。

  • 体の成長に伴うもの: 赤ちゃんの心臓や血管は、成長とともにどんどん変化していきます。特に生まれたばかりの頃は、お腹の中にいた時の血液の流れから、外の世界での血液の流れに大きく変化する時期なので、一時的に雑音が聞こえることがあります。
  • 貧血: 貧血になると、血液が薄くなり、心臓がいつもよりたくさん働かなければならなくなります。そのため、血液の流れが速くなり、一時的に雑音が聞こえることがあります。
  • 発熱時や泣いた後など、一時的に心臓の働きが活発になっている時: 熱が出ている時や、赤ちゃんが激しく泣いた後などは、心臓が普段より速く動いています。このような時も、一時的に雑音が聞こえることがあります。
  • 痩せているお子さん: 体が小さく、痩せているお子さんの場合、心臓の音を遮るものが少ないため、心臓や血管のわずかな血液の摩擦音が聞こえやすくなることがあります。

生理的雑音は、これらの原因が解消されたり、お子さんが成長したりすることで、自然と聞こえなくなっていくことがほとんどです。


 

でも、こんな心雑音には注意が必要!「病的雑音」とは?

ごくまれに、心臓に何らかの病気が隠れているために聞こえる「病的雑音」の場合もあります。

例えば、以下のような心臓の病気が原因で雑音が聞こえることがあります。

  • 心室中隔欠損症 (VSD): 心臓の右心室と左心室を隔てる壁に穴が開いている状態です。この穴から血液が漏れることで雑音が聞こえます。小さい穴であれば自然に閉じることもありますが、大きい場合は治療が必要になることもあります。
  • 心房中隔欠損症 (ASD): 心臓の右心房と左心房を隔てる壁に穴が開いている状態です。VSDと同様に、穴の大きさによって治療の必要性が変わってきます。
  • 動脈管開存症 (PDA): 赤ちゃんがお腹の中にいる時に開いている「動脈管」という血管が、生まれてからも閉じずに開いたままになっている状態です。この血管を血液が流れることで雑音が聞こえます。
  • 肺動脈狭窄症 (PS): 肺に血液を送る血管(肺動脈)が狭くなっている状態です。狭い部分を血液が通過する際に雑音が聞こえます。
  • 大動脈弁狭窄症 (AS): 全身に血液を送る大動脈の出口にある弁(大動脈弁)が狭くなっている状態です。

 


 

心配な心雑音のサインは?

ほとんどの心雑音は心配ないとはいえ、親御さんとしては「うちの子の雑音は大丈夫なのかな?」と不安になりますよね。

以下のような症状がお子さんに見られる場合は、心臓に負担がかかっているサインかもしれません。雑音の有無にかかわらず、小児科医に相談しましょう。

  • ミルクを飲むのに時間がかかる、飲みきれない
  • 体重が増えにくい、成長が悪い
  • 呼吸が速い、息苦しそう
  • 顔色や唇の色が悪い(特に運動後や泣いた後など)
  • 汗をかきやすい(特に頭や顔)
  • いつもよりぐったりしている、元気がない

これらの症状は、心臓の病気だけでなく、他の病気が原因で起こることもあります。気になる症状があれば、受診してください。


 

心雑音が見つかったら、どんな検査をするの?

「心雑音がある」と指摘された場合、まず聴診で雑音の質や場所などを詳しく確認します。その上で、必要に応じて以下のような検査を行います。

 

1. 胸部レントゲン検査

心臓の大きさや形、肺の血管の状態などを確認します。心臓が大きくなっていたり、肺の血管が張っていたりする場合は、心臓に負担がかかっている可能性があります。協力医療機関と連携して撮影します。

 

2. 心電図検査

心臓の電気的な活動を記録する検査です。不整脈がないか、心臓に負担がかかっていないかなどを確認します。横になって行う検査で、短時間で終了します。当院では、お子さんがリラックスして検査を受けられるよう、工夫しています。

 

3. 心臓超音波検査(心エコー検査)

これが最も重要な検査です。超音波を使って、心臓の形や大きさ、血液の流れ、弁の動きなどを詳しく観察します。ちょうど妊婦さんがお腹の赤ちゃんを見るエコー検査と同じようなイメージです。

この検査で、心臓のどこに、どんな病気があるのか、あるいは病気がないのかを正確に診断することができます。お子さんに痛みを与えることはなく、安全に検査ができますのでご安心ください。当院では、お子さんが飽きないようにDVDを見せたり、絵本を読み聞かせながら検査を行うなど、お子さんのペースに合わせて進めます。


 

当院の心臓外来について

「心雑音があるって言われたけど、どうしたらいいんだろう…」

「なんとなく、うちの子の呼吸が速い気がする…」

そんな親御さんの不安に寄り添い、丁寧な診察と分かりやすい説明を心がけています。心臓超音波検査や心電図検査も当院で行うことができ、お子さんに負担なく、スムーズに検査を進めることが可能です。もし心臓に病気があることが分かった場合は、必要に応じて専門の高次医療機関へのご紹介も迅速に行います。

当院の心臓外来では、以下のようなお悩みにも対応しています。

  • 検診で心雑音を指摘された
  • 胸痛、動悸、息切れがある
  • 学校の心臓検診で引っかかった
  • 川崎病の経過観察
  • 不整脈があると言われた

お子さんの心臓について、少しでも気になることがあれば、お気軽にご相談ください。


 

親御さんが気になるQ&A

 

Q1. 心雑音は、いつ頃消えますか?

A1. 生理的雑音の場合、お子さんの成長とともに自然に消えていくことがほとんどです。早いお子さんでは生後数ヶ月で消えることもありますし、小学校に入る頃まで聞こえるお子さんもいます。雑音の大きさや種類によっても異なりますが、いずれにしても、心臓に異常がない場合は心配いりません。

 

Q2. 心雑音があると言われたら、運動を制限した方がいいですか?

A2. 心臓に病気がない「生理的雑音」であれば、運動を制限する必要は全くありません。むしろ、適度な運動は心身の健康に良い影響を与えます。もし心臓に病気がある場合は、病状によって運動の制限が必要になることもありますが、その場合は医師から詳しく説明がありますのでご安心ください。自己判断で運動を制限せず、必ず医師に確認するようにしましょう。

 

Q3. 生理的雑音と病的雑音は、親が見分けられますか?

A3. 残念ながら、親御さんが聴診器を使わずに見分けるのは非常に難しいです。心雑音の聞こえ方だけで判断することはできません。そのため、健診で心雑音を指摘された場合は、必ず診察や検査を受けることが大切です。特に、前述したようなお子さんの気になる症状がある場合は、早めに受診しましょう。


 

まとめ

赤ちゃんの心雑音は、親御さんにとって非常にご心配なことだと思います。
もしお子さんの心雑音を指摘されたら、まずは当院までお電話(044-739-0888)ください。当院では、お子さんとご家族の不安に寄り添い、丁寧な診察と分かりやすい説明を心がけています。

お子さんの健やかな成長のために、どんなことでもお気軽にご相談ください。

 

 

武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科の外観写真の画像
当院の外観写真

 

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

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