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10代の若者を中心に百日咳の患者数が増加しています。
NHK感染症データと医療・健康情報「百日咳」
テレビ長崎ネットニュース
RBCネットニュース(沖縄)
FNNプライムオンライン(NST新潟総合テレビ情報)
この感染症は、特有の激しい咳を特徴とします。この10代~成人の百日咳流行が、乳幼児に感染させてしまうことが大いに危惧されています。特に乳幼児にとっては重篤な合併症を引き起こす可能性があります。本記事では、百日咳の基本情報から、10代での増加傾向、その原因と対策について詳しく解説します。
百日咳とは?
10代での百日咳増加の現状
百日咳の主な症状と経過
診断と治療方法
予防接種とその重要性
日常生活での予防策
百日咳は、百日咳菌(Bordetella pertussis)による急性気道感染症で、特有のけいれん性の咳発作を特徴とします。感染経路は主に飛沫感染で、患者の咳やくしゃみによって広がります。乳幼児が重症化しやすい一方、近年では10代や成人の間でも発症が増加しています。
東京都感染症情報センターによると、近年、乳幼児期の予防接種の効果が減弱した成人の発病が問題になっています。この背景には、幼少期に受けたワクチンの効果が時間とともに低下し、免疫が減衰することが関係しています。
東京都感染症情報センター「百日咳」
百日咳の症状は以下の3つの段階に分けられます:
カタル期(約2週間):風邪のような症状が現れ、徐々に咳が強くなります。
痙咳期(約2~3週間):短い咳が連続的に起こり、咳の最後に大きく息を「ヒューッ」と吸い込む特徴的な症状が見られます。
回復期(2~3週間):激しい咳は徐々におさまりますが、時折、発作性の咳が続くことがあります。
特に乳児では無呼吸発作など重篤な症状を引き起こす可能性があり、注意が必要です。
診断は、咽頭ぬぐい液を採取して病原体を分離・同定することで行われます。治療には、マクロライド系抗菌薬(エリスロマイシン、クラリスロマイシンなど)が使用され、特にカタル期での早期治療が効果的です。
百日咳の最も効果的な予防法は、予防接種です。日本では、三種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風)や四種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風・不活化ポリオ)が定期接種として行われています。しかし、これらのワクチンの免疫効果は5~10年程度で減弱してしまいます。
2018年8月、小児科学会から小学校入学前(年長さん)に「三種混合ワクチン(DPT)」の追加接種が推奨されるようになりました。また、11歳になると接種する二種混合ワクチン(DT)のかわりに三種混合ワクチン(DPT)を接種することも勧められています(ただし、両方の時期共に任意接種(自費)となります)。
おにいちゃんやおねえちゃんが百日咳にかからないように、そして赤ちゃんを守るためにも、年長さんになったら三種混合ワクチン(DPT)を接種されることをお勧めいたします。
日本小児科学会「知っておきたいわくちん情報」
日常生活での予防として、以下の点が重要です:
手洗いの徹底:外出後や食事前後に石鹸で手を洗うことで、感染リスクを減少させます。
咳エチケットの実践:咳やくしゃみをする際は、ティッシュや肘で口と鼻を覆い、飛沫の拡散を防ぎます。
体調不良時の外出自粛:症状がある場合は、他者への感染を防ぐため、外出を控えることが望ましいです。
10代での百日咳の増加は、個人だけでなく社会全体の健康にも影響を及ぼします。適切な予防接種の受診と日常生活での予防策を徹底し、感染拡大を防ぎましょう。
<参考>
・国立健康危機管理研究機構感染症情報提供サイト「百日咳」
・東京都感染症情報センター「百日咳」
当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)