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ふと赤ちゃんのお口の中を覗いたとき、「あれ?舌や頬の内側が白くなっている!」と驚いたことはありませんか? 「ミルクのカスかな?と思ってガーゼで拭いても取れない…」 「もしかしてカビ!?」
そんな不安を抱えて、ネット検索をしているお母さん、お父さん。それはもしかすると「鵞口瘡(がこうそう)」かもしれません。名前は少しおどろおどろしいですが、決して珍しい病気ではなく、赤ちゃんにはよくあることです。
当院で行っている1カ月健診(公費のため無料)や2カ月健診(無料)の際にも、 「先生、口の中が白いのが気になって…」 というご相談はとても多いんです。
今日はこの「鵞口瘡」について、正しい知識と対処法を一緒に学んでいきましょう。

鵞口瘡とは、「カンジダ・アルビカンス」という真菌(カビの一種)が、口の中の粘膜で増えてしまい、白い苔(こけ)のようなものが付着する状態のことです。
「カビ!?」と聞いてショックを受ける方もいるかもしれませんが、カンジダ菌自体は私たちの体(皮膚や口の中、腸内など)に普段から住んでいる「常在菌」のひとつ。大人であれば免疫の力で増殖を抑え込んでいるのですが、生まれたばかりの赤ちゃんはまだ免疫機能が未熟です。そのため、ちょっとしたバランスの変化で菌が増えすぎてしまい、目に見える形となって現れるのです。
舌、頬の内側、上あご、唇の裏などに白い斑点ができる。
ミルクのカス(乳カス)に似ているが、こすっても簡単に取れない。
無理に剥がそうとすると、赤くなって出血することがある。
ここが一番気になるポイントかもしれません。 見分けるための簡単なチェック方法は、「授乳後、しばらく時間が経ってから確認する」ことです。
ミルクの残り(乳カス)
時間が経つと唾液で自然に消えたり、ガーゼで優しく拭うとスルッと取れます。
鵞口瘡
時間が経っても消えません。ガーゼで優しく拭いても、粘膜にベッタリとくっついていて取れません。
【重要】
もし取れない場合、ゴシゴシこするのはNGです!無理に取ると粘膜を傷つけ、そこから雑菌が入ってしまう恐れがあります。
免疫の未熟さ
赤ちゃんは抵抗力が弱いため、常在菌であるカンジダが増えやすい。
産道感染
生まれてくるときに、お母さんの産道でカンジダをもらってくることがあります。
抗生物質の使用
風邪などで抗生物質を飲むと、体内の細菌バランスが崩れ、カンジダが増えやすくなることがあります。
授乳グッズや乳首
哺乳瓶の乳首や、お母さんの乳首にカンジダがいる場合もあります。
「赤ちゃんが機嫌よくミルクを飲めているなら、様子見(経過観察)でOK」なことが多いです。
鵞口瘡自体は、痛みやかゆみを伴わないことが多いです。 そのため、白い部分が少しあっても、赤ちゃんがいつも通りおっぱいを飲んで、機嫌よく過ごしているなら、自然に免疫がついて治るのを待つのが一般的です。
ただし、以下のような場合は治療が必要です。
口の中が痛くて、おっぱいを飲みたがらない(哺乳量が減った)。
白い部分が急速に広がっている。
お尻にも赤い発疹がある(「カンジダ皮膚炎」を併発している可能性があります)。
何度も繰り返している。
このような場合は、抗真菌薬(カビを退治するお薬)の塗り薬やシロップを処方します。お薬を使えば、数日から1週間程度できれいになることがほとんどです。
お薬を使う場合も、様子を見る場合も、お家でのケアは大切です。
無理にこすらない
授乳グッズの消毒
哺乳瓶の乳首や、おしゃぶりなどは、しっかりと洗浄・消毒(煮沸や薬液消毒)しましょう。カンジダはカビなので、清潔を保つことで増殖を防げます。
お母さんのケア
母乳育児の場合、お母さんの乳首にもカンジダがついていることがあります(乳頭に痛みや痒みがある場合は要注意)。授乳後は清浄綿で拭くなど清潔を保ち、もしお母さんに症状がある場合は皮膚科や産婦人科に相談してくださいね。
赤ちゃんの口の中が白いと、最初はびっくりすると思います。 でも、鵞口瘡は赤ちゃんの成長過程でよく見られるもの。決して怖い病気ではありませんし、不潔にしていたからなるわけでもありません。
当院では、1カ月健診、2カ月健診のタイミングで、赤ちゃんの全身状態と合わせてお口の中もしっかりチェックしています。 「これって鵞口瘡かな?」「様子を見ていいのかな?」と迷ったら、健診のついでに、あるいは通常の診察でもお気軽にご相談ください。
【SNSでも情報発信中!】
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Instagram: 武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科
当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)
© Morino Kodomo Clinic
