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当院は、日本小児科学会専門医が小児科一般診療・乳幼児健診・予防接種・「じっくり専門外来」を、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医が皮膚科・小児皮膚科診療を担当しています。皮膚科・小児皮膚科では、お子さんだけでなく、大人の方の皮膚トラブルにも幅広く対応しています。
最近、大人の方の皮膚科外来で、「顔が赤くてヒリヒリする」「ニキビだと思って治療しても治らない」といったお悩みをよく耳にします。もしかしたら、その症状は「酒さ(しゅさ)」かもしれません。今回は、そんな酒さについて、皆さんに分かりやすくお伝えしたいと思います。
ChatGPTで作画
「酒さ」は、主に顔に赤みやブツブツが現れる、慢性の炎症性皮膚疾患です。英語では「Rosacea」と呼ばれます。その症状は、赤ら顔やニキビに似ているため、誤診されやすいのが特徴です。
「酒さ」とニキビ、アトピー性皮膚炎はよく混同されますが、それぞれ原因や治療法が異なります。
ニキビ治療をしても改善が見られない場合、それは実は酒さだった、というケースも少なくありません。ご自身の症状がどれに当てはまるのか、正確な診断がとても重要です。
酒さは、現れる症状によって4つの主要な病型に分類されます。ご自身の症状がどのタイプに近いか、見てみましょう。
最もよく見られるタイプで、顔の赤みが主な症状です。頬や鼻、額に持続的な赤みが生じ、熱感やかゆみを伴うこともあります。また、細い血管が拡張して、肌の表面に浮き出て見える毛細血管拡張も特徴です。アルコールや辛い食べ物、温度の変化によって、顔の赤みが一時的に悪化することがあります。
このタイプは、ニキビと最も混同されやすい病型です。持続的な赤みに加え、ニキビのような赤いブツブツ(丘疹)や、膿を持ったブツブツ(膿疱)が顔に現れます。思春期にできるニキビと異なり、毛穴の詰まり(面皰)はみられません。当院を受診される方の中には、「ずっとニキビだと思って治療してきたのに治らない」という方が多く、このタイプである場合が少なくありません。
鼻が赤く腫れて、ごつごつしたこぶ(瘤)ができるタイプです。特に男性に多く見られ、鼻の皮膚が分厚くなり、毛穴が目立つようになります。これは、皮膚の組織や皮脂腺が肥大することによって起こります。比較的稀なタイプですが、美容的な影響が大きく、生活の質を損なうことがあります。
顔の皮膚症状に加え、目に症状が現れるタイプです。目がゴロゴロしたり、乾燥したり、充血したり、まぶたが腫れたりといった症状が見られます。時に、まぶたの縁が炎症を起こす眼瞼炎や、角膜に炎症が及ぶ角膜炎を合併することもあります。顔の皮膚症状よりも先に、目の症状だけで発症する場合もあるため、注意が必要です。
これらの病型は単独で現れることもあれば、複数のタイプが混在することもあります。ご自身の症状がどのタイプに当てはまるかを知ることで、より適切な治療法を選択できます。
酒さの原因はまだ完全に解明されていませんが、複数の要因が絡み合っていると考えられています。
1. 血管の異常
顔の血管が拡張しやすくなり、血流が増えることで赤みが現れます。熱いお風呂に入ったり、辛いものを食べたりすると、症状が悪化しやすいのはこのためです。
2. 免疫反応の異常
皮膚の免疫システムが過剰に反応することで、炎症が引き起こされます。
3. その他
紫外線、精神的なストレス、アルコール、刺激物なども、酒さの症状を悪化させることが知られています。
「酒さ」は慢性の病気ですが、適切な治療とセルフケアで症状をコントロールし、快適な生活を送ることは十分に可能です。当院では、患者さん一人ひとりの症状やライフスタイルに合わせた治療を提案しています。
当院では、まずは患者さんの症状を丁寧に伺い、視診に加え、必要に応じてダーモスコピー(特殊な拡大鏡)などを用いて、正確な診断を行います。酒さはニキビやアトピーと見分けがつきにくいため、こうした丁寧な診察が不可欠です。
酒さの治療には、塗り薬、飲み薬、さらには自由診療の治療など、様々な選択肢があります。
<塗り薬>
これらの塗り薬は、症状に合わせて単独で、あるいは組み合わせて使用します。
<飲み薬>
酒さの治療は、クリニックでの治療だけでなく、ご自宅でのセルフケアも非常に重要です。
「顔の赤みが気になるけど、どこに相談していいか分からない」「ニキビだと思って諦めていた」そんな方は、ぜひ一度当院皮膚科にご相談ください。
当院では、小児科と皮膚科の両面から、ご家族皆さんの健康をサポートしていきたいと考えています。
「この症状は酒さかな?」と少しでも気になったら、お気軽にご来院ください。
当院皮膚科・小児皮膚科は日時指定の予約制です。発熱患者さんとは別のクリーンな待合室と診察室で対応しています。Web予約サイトの「皮膚科」タグからご予約を取得していただくとともにWeb問診の入力をおねがいいたします。
【SNSでも情報発信中!】
当院のSNSでは、小児科・皮膚科に関する役立つ情報や、季節ごとの病気の注意点などを発信しています。ぜひフォローしてください!
Instagram: 武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科
当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)