赤ちゃんの頭の形、いつから気にするべき?ママ・パパが知っておきたい知識とケア方法 - 武蔵小杉駅の小児科 - 武蔵小杉森のこどもクリニック小児科・皮膚科のブログ

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赤ちゃんの頭の形、いつから気にするべき?ママ・パパが知っておきたい知識とケア方法

1か月健診や4か月健診で多くの赤ちゃんを拝見する中で、たくさんのママやパパから「うちの子、頭の形がちょっといびつで…」「このゆがみ、大丈夫でしょうか?」といったご相談をいただきます。

赤ちゃんのやわらかい頭蓋骨は、ちょっとしたことで形が変わりやすく、不安になりますよね。結論から言うと、頭の形は「なるべく早くから意識する」ことが大切です。特に、生後3ヶ月頃までが最も頭の形が変わりやすい時期。この時期の向き癖や寝かせ方によって、頭のゆがみが進行してしまうことがあるからです。

このブログでは、赤ちゃんの頭の形について、親御さんが抱える疑問を解決できるようお伝えします。


 

なぜ赤ちゃんの頭はゆがみやすいの?

赤ちゃんの頭の骨は、複数のプレート状の骨が組み合わさってできています。これらの骨は、生まれるときに狭い産道を通るため、ずれることで頭の形を柔軟に変えられます。また、生まれてからも、脳が急速に成長するためのスペースを確保できるよう、やわらかいままになっています。

しかし、このやわらかさがゆえに、いつも同じ方向に頭を向けて寝ていたり、抱っこの仕方で頭の一部に圧力がかかり続けたりすると、その部分が平らになってしまうのです。これを「位置的頭蓋変形症」と呼び、いわゆる「向き癖による頭のゆがみ」がこれにあたります。


 

頭のゆがみ、放置しても大丈夫?

「成長すれば治るんでしょ?」そう思っていませんか?

お子さんが自分で寝返りを打つようになり、頭にかかる圧力が均等になることで、自然に改善していくものの、ゆがみが強い場合は正常まで改善することは難しいことが分かっています。次のような影響が出る可能性も指摘されています。

  • 美容的な問題
    顔や耳の位置が左右非対称になることがあります。
  • 健康への影響
    目の位置や顎関節、かみ合わせに影響を与えるという報告もあります。また、ゆがみが原因で首の動きが悪くなり、特定の病気(斜頸など)につながっているケースもあります。

特に、お子さんの頭のゆがみがひどいと感じる場合、放置せずに早めに相談することが大切です。


 

もう一つの頭のゆがみ:頭蓋縫合早期癒合症について

ほとんどの赤ちゃんの頭のゆがみは、先ほど説明した「位置的頭蓋変形症」ですが、ごくまれに、「頭蓋縫合早期癒合症(ずがいほうごうそうきゆごうしょう)」という病気が原因で頭の形がいびつになることがあります。

これは、赤ちゃんの頭の骨のつなぎ目(縫合線)が、本来くっつくべき時期より早くくっついてしまう病気です。これによって頭蓋骨がうまく成長できず、脳の発達を妨げたり、頭の形が特定の方向にいびつになったりします。

この病気の頻度は非常にまれですが、もし当てはまるのではないかと心配になった場合は、ご相談ください。
必要に応じて、連携している大学病院や高次医療機関にご紹介いたします。

「位置的頭蓋変形症」と「頭蓋縫合早期癒合症」の見分け方

  • 位置的頭蓋変形症:
    • 原因:向き癖など、外からの圧力。
    • 形:後頭部や側頭部が平らになることが多い。
    • 特徴:ゆがみの原因となる部分を意識して向きを変えることで、少しずつ改善が見られる。
  • 頭蓋縫合早期癒合症:
    • 原因:骨のつなぎ目が早くくっついてしまう病気。
    • 形:頭の特定の部分がとがったり、平らになったり、いびつな形になる。
    • 特徴:向き癖などを直しても、頭のゆがみが全く改善しない。むしろ、ゆがみが進行していく。

どちらのゆがみか判断に迷った時も、まずは相談してください。

 

今すぐできる!赤ちゃんの頭の形をきれいに保つためのケア方法

では、具体的にどんなことに気をつければ良いのでしょうか?自宅で簡単にできるケア方法をいくつかご紹介します。

 

1. 向き癖対策

これが最も重要です。お子さんがいつも同じ方向ばかり向いて寝ている場合、反対側に顔を向けるように工夫してみましょう。

  • 寝かせる向きを変える
    添い寝をしているなら、ママやパパが寝る位置を反対側にする。ベビーベッドなら、頭と足の位置を日によって変える。
  • 向き癖と反対側から授乳する
  • おもちゃの配置を変える
    お子さんが興味を引くおもちゃや光を、向き癖と反対側に置く。
  • クッションやタオルを使う
    背中に丸めたタオルなどを入れて、向き癖と反対側に向くようにサポートする。ただし、窒息の危険がないよう、必ず目の届く範囲で行いましょう。

 

2. うつ伏せ遊び(タミータイム)を積極的に取り入れる

起きている間に、親御さんの目の届くところで、うつ伏せ遊び(タミータイム)をさせてみましょう。うつ伏せになることで、頭の後ろに圧力がかからなくなり、頭の形が整いやすくなります。また、首や背中の筋肉が鍛えられ、首の座りや寝返りの練習にもなります。

  • いつから?
    首が座る前、生後2週頃から始めて大丈夫です。不安であれば生後1か月ごろから開始してみましょう。
  • どれくらい?
    1回数分程度から。機嫌が良い時に少しずつ始め、慣れてきたら時間を延ばしましょう。

「うつ伏せってちょっと怖い…」と感じるかもしれませんが、正しい方法で行えば大丈夫です。月齢別にステップアップしていくのがおすすめです。

【月齢別タミータイムのやり方】

  • 生後1〜2ヶ月:
    • ポイント: 赤ちゃんが慣れることから始めましょう。
    • やり方: まずは、ママやパパのお腹の上や膝の上で10~30秒程度うつぶせにしてみましょう。うつぶせの体制になれることが目標です。慣れてきたら、床の上にママやパパも隣にうつぶせになり、お子さんと同じ目線でお話をしたり、歌を歌ってあげましょう。その後、1日2〜3回、1回1〜3分程度を続けて、少しずつ時間を伸ばしていきます。タオルを丸めて胸の下に入れてあげると、赤ちゃんが頭・顔を上げる練習になります
  • 生後3〜4ヶ月:
    • ポイント: 少しずつ顔を上げる練習をします。
    • やり方: 首が少しずつしっかりしてくる時期です。お子さんの目の前にお気に入りのおもちゃを置いてみましょう。おもちゃに手を伸ばしたり、顔を上げて見ようとすることで、首の筋肉がさらに鍛えられます。時間を少しずつ長くし、1回5分程度を目標にしてみましょう。
  • 生後5〜6ヶ月以降:
    • ポイント: 自由に体を動かせるようにサポートします。
    • やり方: 寝返りができるようになってくる時期です。広いスペースで自由に動き回らせてあげましょう。うつ伏せの姿勢から、ひじを曲げて上半身を支えたり、手の平で体を支えたりする練習を促してあげてください。床に寝かせたおもちゃを、手が届かない場所に置いて、動くきっかけを作ってあげるのも良い方法です。

【注意点】

  • 必ず親御さんの目が届く範囲で行いましょう。
  • 赤ちゃんが不機嫌な時は無理に続けず、やめましょう。
  • タミータイムが終わったら、仰向けに戻してあげましょう。

 

3. 抱っこの仕方を工夫する

抱っこも意外と頭の形に影響します。いつも同じ腕で抱っこしていませんか?左右の腕で交互に抱っこしたり、縦抱きや横抱きを使い分けたりすることで、頭にかかる圧力を分散させることができます。


 

こんな時はご相談ください!受診の目安

以下のような場合は、一度受診していただくことをおすすめします。

  • 生後3〜4ヶ月を過ぎても、向き癖が全く改善しない。
  • 頭のゆがみがつよく、一部が平らになっている(斜頭症・短頭症(いわゆる絶壁)の状態)
  • 首が片側にしか動かない、あるいは動かしにくそうにしている。
  • ゆがみがひどく、顔や耳の位置まで左右非対称に見える。

「ちょっといびつかも?」と不安に思うだけでも、遠慮なくご相談ください。当院では、あかちゃんの頭の形について、専門的な知識と経験に基づいてアドバイスさせていただきます。必要に応じて、頭のゆがみの程度を客観的に評価し、具体的なケア方法や、ヘルメット治療についてもお話しできます。

当院の赤ちゃんのあたまの形外来およびヘルメット治療の詳細については、当院HP「赤ちゃんのあたまの形外来」をご参照ください。


 

まとめ

  • 赤ちゃんの頭の形は、生後3ヶ月頃までが変わりやすい時期。
  • 頭のゆがみは「位置的頭蓋変形症」と呼ばれ、向き癖などが主な原因です。まれに「頭蓋縫合早期癒合症」という病気の場合もある。
  • 放置すると、美容的な問題やごくまれに健康上の影響が出る可能性も。
  • 向き癖をつけない工夫や、うつ伏せ遊び(タミータイム)で予防・改善を。
  • 不安なことがあれば、早めにご相談ください。

当院では、「じっくり専門外来」にあかちゃんの頭の形外来を設けご相談を受け付けております。お気軽にお電話(044-739-0888)でご予約ください。

 

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武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科の外観写真の画像
当院の外観写真

 

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

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