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口の中が痛くて食事が進まない、機嫌が悪い…。もしかしたら、それは口内炎かもしれません。
口内炎は大人でも辛いものですが、小さなお子さんにとっては、その痛みをうまく伝えられなかったり、食事ができなくて栄養が摂れなくなったりと、より大変なものです。
「いつものことだから、様子を見よう」と思いがちですが、中には注意が必要な口内炎もあります。今回は、お子さんの口内炎について、その原因や種類、おうちでできるケアの方法、そして病院を受診する目安について、わかりやすくお伝えします。
口内炎とは、頬の内側や唇、歯ぐき、舌など、口の中の粘膜にできる炎症の総称です。白くブツブツしたり、赤くただれたり、時には水ぶくれになったり、様々なタイプがあります。
痛みがあるため、食事の時に「痛い!」と泣いたり、飲み込むのを嫌がったり、唾液を飲み込むのも辛そうでよだれが増えたりします。
お子さんの口内炎には、いくつかの主な原因があります。
これは、頬の内側を誤って噛んでしまったり、熱いものを食べて火傷をしたり、歯の詰め物が当たったり、入れ歯が擦れたりといった物理的な刺激によって起こる口内炎です。
症状: 粘膜が赤く腫れたり、ただれたりします。患部は白っぽくなることもあります。
対処法: 刺激を取り除くことが第一です。歯並びの悪さや、合わないマウスピースなどが原因の場合は歯科医の受診が必要になることもあります。
これは、最もよく見られるタイプの口内炎です。
症状: 表面が白い膜で覆われ、周囲が赤く縁取られた、円形や楕円形の潰瘍ができます。一つの場合もあれば、複数できることもあります。
原因: 睡眠不足やストレス、栄養不足(特にビタミンB群や鉄分)が原因と言われています。
対処法: 多くの場合、1〜2週間で自然に治ります。しかし、痛みで食事ができない場合は、医療機関を受診しましょう。
ヘルペスウイルスによって引き起こされる口内炎です。特に乳幼児期に初めて感染することが多いとされています。
症状: 発熱(38〜40℃)とともに、歯肉の腫れや出血、唇や口の周りの小さな水ぶくれができます。強い痛みで食事が全く摂れなくなることもあります。
対処法: 高熱が出てぐったりしたり、水分も摂れずに脱水症状を起こしたりすることがあります。このような場合は、すぐに医療機関を受診してください。抗ウイルス薬の処方が必要になることもあります。
コクサッキーウイルスやエンテロウイルスによって引き起こされる夏風邪の一つです。
症状: 口の中の粘膜や、手のひら、足の裏、おしりなどに水ぶくれができます。口の中にできたものが口内炎のように見えます。
対処法: 特効薬はなく、安静にして自然に治るのを待ちます。ただし、高熱が出たり、水分が摂れなくなったりした場合は、脱水に注意が必要です。
手足口病と同じく、夏風邪の一種です。
症状: 突然の38〜40℃の発熱とともに、のどの奥(軟口蓋やのどちんこの周囲)に水ぶくれや小さな潰瘍ができます。このため、のどの痛みが強く、食事が摂りにくくなります。
対処法: 特効薬はなく、水分補給をこまめに行い、安静に過ごすことが大切です。
口内炎ができてしまったとき、ご家庭でできるケアをご紹介します。
痛みが強いときは、食事を工夫することで、栄養を摂りやすくなります。
口内炎が悪化しないよう、口の中を清潔に保つことが大切です。
アフタ性口内炎は、疲れや栄養不足が原因のこともあります。
多くの場合、数日から1週間程度で自然に治ることが多いですが、以下のような場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
お子さんの口内炎は、ただの小さな傷から、ウイルス感染によるものまで、様々な原因があります。
「口の中が痛くて食事が摂れない」「熱が出ている」といった症状がある場合は、我慢せずにご相談ください。当院では、お子さんの症状を丁寧に診察し、適切な治療法や、ご家庭でのケアの方法をアドバイスさせていただきます。
お子さんがつらい時期を乗り越え、また笑顔で食事ができるよう、私たちも一緒にサポートさせていただきます。
ご不明な点やご不安なことがありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。
当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)