子どもの発熱、何℃から病院に行くべき?家でのケアや対処法も解説! - 武蔵小杉駅の小児科 - 武蔵小杉森のこどもクリニック小児科・皮膚科のブログ

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子どもの発熱、何℃から病院に行くべき?家でのケアや対処法も解説!

今回は、お子さんを持つ親御さんにとって、最も身近で、そして最も不安に感じる症状の一つである「発熱」についてお話ししたいと思います。

お子さんの体がいつもより熱い、顔が赤い、ぐったりしている…。そんな時、「何度から病院に行くべきなの?」と迷う方も多いのではないでしょうか。また、「熱が出た時、家で何をしてあげられるだろう?」と心配になることもあるかと思います。

このブログでは、日本小児科学会認定小児科専門医の視点から、子どもの発熱に対する考え方、受診の目安、そしてご家庭でできる具体的な対処法を、分かりやすく丁寧にお伝えします。

 

子どもの発熱、何度からが「発熱」?

まず、大前提として知っておいていただきたいのは、「何度以上が発熱」という明確な基準はありません。 一般的に、体温が37.5℃以上を「微熱」、38.0℃以上を「発熱」と呼ぶことが多いですが、これらはあくまで目安です。

なぜ明確な基準がないのかというと、大切なのは「何度か」という数字よりも、「お子さんの様子」だからです。熱の高さは病気の重症度には必ずしも一致しないといわれています。

  • 熱は38.5℃あるけれど、本人は元気で、食欲もある。
  • 熱は37.8℃だけど、ぐったりしていて、機嫌が悪く、食欲もない。

この二つのケースでは、どちらがより注意が必要でしょうか?後者のケースですよね。発熱は、病気のサインです。しかし、熱そのものがお子さんを苦しめているわけではありません。熱は、体が病原体と戦うために、免疫力を高めている証拠なのです。
当院では、熱の数字だけでなく、お子さんの顔色、食欲、水分摂取、機嫌、そして呼吸の状態など、総合的に判断することを大切にしています。

 

1. 病院に行くべき?受診のタイミングと見極め方

では、具体的にどのような時に病院を受診すべきか、いくつかのポイントに分けて解説します。

 

【緊急性が高い場合:すぐに受診を!】

次の症状が一つでも見られた場合は、すぐに医療機関を受診してください。夜間や休日であっても、救急外来を利用することをためらわないでください。

  • 生後3か月未満の赤ちゃんの発熱
    月齢が低いほど、重症化するリスクが高いです。38.0℃以上の熱が出た場合は、迷わず受診しましょう。
  • 呼びかけに応じない、ぐったりしている、意識が朦朧としている
    意識障害の可能性があります。
  • けいれん
    熱性けいれんの場合でも、初めての場合や5分以上続く場合は医療機関を受診してください。
  • 顔色が非常に悪い、唇が紫色になっている
    酸素が足りていない可能性があります。
  • 呼吸が苦しそう、ゼーゼー・ヒューヒューと音がする、呼吸が速い
    気管支炎や肺炎の可能性があります。
  • 水分を全く摂れない
    脱水症状が心配されます。
  • 何度も嘔吐する、強い腹痛を伴う
    腹部の病気や髄膜炎なども考えられます。

 

【受診を検討すべき場合】

熱の数字だけでなく、以下の症状を参考に、受診するかどうかを判断しましょう。

  • 熱が3日以上続く
    熱が長引く場合は、何らかの感染症や、他の病気が隠れている可能性があります。
  • 38.5℃以上の熱が何回も出る
    特に、熱の数字が高い状態が続く場合は、体が病原体と十分に戦えていない可能性があります。
  • 機嫌が非常に悪い、食欲がない、水分摂取が少ない
    脱水症状や、体の消耗が心配されます。
  • 発熱と同時に、耳を痛がる、のどが痛いと訴える
    中耳炎や扁桃炎などの可能性が考えられます。
  • 発熱に加え、体に発疹が出た
    突発性発疹や、手足口病、溶連菌感染症など、様々な病気が考えられます。

 

2. 発熱時の自宅での対処法

「病院に行くべきか迷う…」という時や、「病院に行くほどではないかな」と判断した場合に、ご家庭でできる具体的な対処法をご紹介します。

 

【まずは落ち着いて!解熱剤は万能薬ではない】

– 安静にする

熱は、体が病原体と戦っているサインです。無理に遊ばせたり、外出したりせず、お子さんが十分に休めるようにしてあげましょう。

– 水分補給をこまめに

発熱時は、汗や呼吸で体の水分が失われやすくなります。脱水症状を防ぐために、お茶、水、経口補水液、りんごジュースなどを、お子さんが飲みたい時に少しずつ飲ませてあげましょう。

– 衣類と室温を調整する

  • 熱が上がりきっていない時(悪寒がする時)
    手足が冷たく、ゾクゾクと寒そうにしている時は、熱が上昇している最中です。温かい服を着せたり、布団をかけてあげたりして、体を温めてあげましょう。
  • 熱が上がりきった後(顔が赤い時)
    汗をかき始めたら、熱が下がり始めているサインです。厚着はせず、風通しの良い、吸湿性の良い肌着などに着替えさせてあげましょう。室温は快適に過ごせるように調整してください。

– 熱を下げるには?

  • 体を冷やす
    首の付け根、脇の下、足の付け根など、太い血管が通っている部分を冷やすと、熱が下がりやすいです。「冷えピタ」や「熱さまシート」などは気持ちが良いですが、熱を下げる効果は限定的です。
  • 解熱剤の使用
    解熱剤は、熱を下げることが目的ではなく、熱によって不機嫌になったり、眠れなかったり、水分が取れないなど、お子さんが辛そうな時に使用します。お子さんの様子をみて判断しましょう。

    • 熱は38.0℃でも、熱のつらさでぐったりして水分も摂れないようなら使用を検討します。
    • 解熱剤は、医師の指示に従い、用法・用量を守って使用してください。

 

3. 最後に:子どもの発熱で大切なこと

今回のブログで最もお伝えしたかったことは、「熱の数字に一喜一憂しないこと」、そして「お子さんの様子を一番に観察すること」です。

熱が出ると、親御さんは不安になりますよね。でも、お子さんの体を一番よく知っているのは、いつもそばで見ている親御さんです。熱の数字だけで判断せず、お子さんの表情や行動、食欲などを総合的に見て、「いつもと違うな」と感じたら、いつでも当院にご相談ください。

 

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武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科の外観写真の画像
当院の外観写真

 

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

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