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子どもの「トイレ近い!」もしかして病気?頻尿の原因と見分け方

「ママ、トイレ行きたい」「また?さっき行ったばっかりでしょ?」

子育て中のご家庭で、こんな会話が頻繁に交わされていませんか?

お子さんが何度もトイレに行くのを見ると、「もしかして何か病気?」と心配になりますよね。子どもの頻尿のほとんどは、特に病気のない生理的なものだったり、生活習慣が原因だったりします。しかし、中には注意が必要な病気が隠れていることも。

今回は、日本小児科学会認定小児科専門医の視点から、お子さんの頻尿について詳しく解説します。この記事を読めば、頻尿の原因や見分け方、そしていざという時にどうすればいいのかがわかります。


 

子どもの頻尿、そもそもどれくらいから?

 

そもそも「頻尿」とは、一体どれくらいの頻度を指すのでしょうか。

大まかな目安として、1日に8回以上トイレに行く場合は頻尿と判断されることが多いです。もちろん、個々のお子さんによって差はありますし、水分を多く摂った日などは回数が増えるのは自然なことです。

重要なのは、「今までと比べて明らかに回数が増えた」「尿の量も少ないのに何度も行きたがる」といった変化に気づくことです。


 

原因は?病気が隠れていることもあるの?

 

お子さんの頻尿の原因は様々です。

「トイレが近い」と聞くと、まず「膀胱炎かな?」と考える方が多いかもしれません。しかし、実はそれだけではありません。いくつかの病気が考えられますので、代表的なものをいくつかご紹介します。

 

1. 心理的な原因:心因性頻尿

 

これが、お子さんの頻尿で最も多い原因です。

新しい幼稚園や小学校への進学、兄弟ができた、親に叱られた、友達とのトラブル…など、精神的なストレスや不安が引き金になることがあります。

この場合、「トイレに行きたい」と感じても、実際に排尿する量はほんの少しだったり、寝ている間は頻尿にならないのが特徴です。また、遊んでいる時や何かに集中している時はトイレのことを忘れていることもよくあります。

心理的な要因が疑われる場合は、お子さんの話に耳を傾け、まずは安心させてあげることが何よりも大切です。原因となっているストレスを取り除いてあげることで、自然と症状が改善していくことがほとんどです。


 

2. 膀胱や尿道の炎症:急性膀胱炎

 

突然、トイレの回数がグッと増え、排尿時に痛みや違和感を訴える場合は、急性膀胱炎の可能性があります。
特に女の子は、男の子に比べて尿道が短いため、細菌が膀胱に入りやすく、膀胱炎になりやすい傾向があります。

主な症状

  • 頻尿(何度もトイレに行きたがる)
  • 排尿時の痛みやしみる感じ
  • 残尿感(おしっこを出しても、まだ残っている感じ)
  • 尿が白く濁っていたり、血が混じっていたりする
  • 発熱(稀ですが、腎盂腎炎を合併すると発熱します)

膀胱炎は、抗生物質を服用することで比較的早く治る病気です。お子さんがこれらの症状を訴えたら、早めに小児科を受診しましょう。


 

3. 尿量が増える病気:糖尿病や尿崩症

 

頻尿は、排尿の回数が増えることですが、その背景に「尿の量自体が非常に多くなる」という病気が隠れていることもあります。

<糖尿病>

お子さんの1型糖尿病も、頻尿の原因になることがあります。

血液中のブドウ糖が増えると、それを薄めるために体は尿をたくさん作るようになります。そのため、トイレの回数も増えます。

主な症状

  • 頻尿(1回の尿量も多い)
  • 多飲(喉が異常に渇き、水分をたくさん飲む)
  • 体重の減少
  • 全身のだるさや疲れやすい

<尿崩症(にょうほうしょう)>

これは、体内の水分量を調節する「抗利尿ホルモン」がうまく働かないために、尿が薄く大量に出続けてしまう病気です。

主な症状

  • 大量の尿(夜中に何度もトイレに起きることも)
  • 多飲(尿で失った水分を補うため、異常に喉が渇く)
  • 夜尿(おねしょ)

これらの病気は、早期発見が重要です。喉の渇きや体重減少など、頻尿以外の症状も合わせて注意深く観察してください。


 

4. 膀胱の機能が未熟:過活動膀胱

 

「おしっこが我慢できない」「トイレまで間に合わない!」

これは、過活動膀胱かもしれません。

膀胱が自分の意思とは関係なく勝手に収縮してしまうため、急に強い尿意を感じてしまう病気です。

主な症状

  • 突然、強い尿意を感じる(尿意切迫感)
  • トイレの回数が多い
  • 尿漏れをしてしまうことがある

過活動膀胱は、成長とともに自然に改善することも多いですが、薬で症状をコントロールしたり、排尿の時間を決めて膀胱のトレーニングをしたりすることもあります。


 

お子さんの頻尿、お家でできることは?

 

お子さんが頻尿を訴えたとき、まずは優しく話を聞いてあげましょう。

  • 「いつからそうなったかな?」
  • 「トイレに行ったとき、痛い?」「しみる?」
  • 「おしっこの色はどんな感じ?」
  • 「喉はいつもより渇くかな?」

などの質問を、お子さんが答えやすいように工夫して聞いてみてください。そして、「トイレが近くて心配だね、でも大丈夫だよ」と安心させてあげることが大切です。


 

こんな時は、迷わず小児科へ!

 

  • 発熱や排尿時の痛みを伴う
  • 尿が濁っていたり、血が混じっている
  • 喉の渇きがひどく、水分をたくさん飲む
  • 体重が減ってきた
  • 夜間もおねしょをするようになった(今までなかったのに)
  • 精神的なストレスが思い当たらない
  • 頻尿が何週間も続く

これらの症状がみられる場合は、迷わず小児科を受診してください。特に、お子さんの「いつもと違う様子」に気づくことが、早期発見につながります。

 

まとめ:お子さんの頻尿は、心と体のメッセージ

頻尿かなと思ったら、今回のブログで挙げた病気の知識を頭の片隅に置きながら、まずは落ち着いて、お子さんの様子をじっくり観察してみてください。そして、何か心配なことがあれば、いつでもご相談ください。

 

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武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科の外観写真の画像
当院の外観写真

 

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

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