その下痢、大丈夫?こどもの年齢別に知っておきたい原因と対処法 - 武蔵小杉駅の小児科 - 武蔵小杉森のこどもクリニック小児科・皮膚科のブログ

ご予約・お問い合わせ
tel.044-739-0888
  • WEB予約
  • ご意見箱
所在地
神奈川県川崎市中原区
小杉町2-228-1-1F
パークシティー武蔵小杉
ザガーデンタワーズウエスト

ご意見箱

MENU

その下痢、大丈夫?こどもの年齢別に知っておきたい原因と対処法 - 武蔵小杉駅の小児科 - 武蔵小杉森のこどもクリニック小児科・皮膚科のブログ

tel.044-739-0888

ブログ

Blog

その下痢、大丈夫?こどもの年齢別に知っておきたい原因と対処法

「うちの子、なんだかお腹がゆるくて…」

クリニックでよく耳にするお悩みのひとつが、お子さんの下痢です。

こどもの下痢はとても身近な症状ですが、その原因は年齢によってさまざま。一口に「下痢」と言っても、注意が必要なケースから、一時的なもので心配ないケースまでいろいろあります。

今回は、こどもの下痢について、年齢別に考えられる原因と、ご家庭でできるケア、そして「こんな時は受診を!」というポイントを日本小児科学会小児科専門医の視点から解説します。


 

はじめに:そもそも「下痢」ってなに?

 

医学的には、便の水分量が増えて、形がない、またはドロドロの便が頻繁に出る状態を「下痢」と呼びます。単に排便回数が多いだけでなく、便の性状がポイントです。


 

【年齢別】下痢の原因と特徴

 

 

新生児・乳児期(生後0ヶ月~1歳)

 

この時期の下痢は、大人と比べて脱水になりやすく、注意が必要です。

1. 急性胃腸炎(ウイルス性・細菌性)

こどもの下痢の最も多い原因です。ウイルスや細菌が胃腸に感染して炎症を起こします。

  • ウイルス性胃腸炎
    ロタウイルスノロウイルスアデノウイルスが代表的です。

    • ロタウイルス
      冬から春にかけて流行し、白色の泥状便が特徴です。嘔吐と発熱を伴うことが多いです。
    • ノロウイルス
      通年性ですが、特に冬に流行。激しい嘔吐と下痢が特徴です。
    • アデノウイルス
      一年中みられ、ロタウイルスに似た症状を起こすことがあります。
  • 細菌性胃腸炎
    サルモネラ菌カンピロバクター、腸管出血性大腸菌などが原因。食中毒として発症することが多く、血便や高熱を伴うことがあります。

2. 乳糖不耐症

母乳やミルクに含まれる乳糖という糖を分解する酵素がうまく働かないために下痢を起こします。

  • 二次性乳糖不耐症
    胃腸炎で一時的に酵素の働きが低下することが多いです。下痢が長引いている場合、この可能性を考えます。
    症状
    ミルクを飲むたびに下痢をし、おならが多い、お腹がゴロゴロ鳴るなどの症状が見られます。

3. 乳児下痢症

特に原因が見当たらないのに、下痢が続く状態を指します。多くは離乳食開始後や特定の食品が原因になることもありますが、心配ないことが多いです。

4. 食物たんぱく誘発胃腸症(消化管アレルギー)

特定の食品に含まれるたんぱく質が原因で、下痢や嘔吐、血便などを引き起こすアレルギーの一種です。特に牛乳が原因となることが多いです。

症状
ミルクを飲んだ後に下痢や嘔吐を繰り返す、体重が増えない、といった症状がみられます。アレルギー検査では陰性になることもあり、診断が難しい場合があります。


 

幼児期(1歳~6歳)

 

活動範囲が広がり、手づかみ食べも増えるため、ウイルスや細菌に感染する機会が多くなります。

1. 急性胃腸炎(ウイルス性・細菌性)

乳児期と同様に最も多い原因です。保育園や幼稚園での集団生活を通じて感染が広がることもあります。

2. 薬剤性腸炎

抗生物質(抗菌薬)を服用した後に下痢になることがあります。抗菌薬は悪い菌だけでなく、腸内の善玉菌も一緒に殺してしまうため、腸内細菌のバランスが崩れることが原因です。

症状
抗菌薬を飲み始めて数日後に下痢が始まることが多いです。便が緑色になることもあります。

3. 機能性便秘による「下痢」

「え、下痢なのに便秘?」と思われるかもしれませんね。実は、頑固な便秘によって、固くなった便の周りを水分が通り抜けてしまうことで、下痢のように見えることがあります。

対処法
この場合、便秘の治療が下痢の改善につながります。


 

学童期(小学生)

 

ストレスや生活習慣が下痢の原因になることも増えてきます。

1. 過敏性腸症候群(IBS)

ストレスが原因で、腹痛を伴う下痢や便秘が続く病気です。

症状
朝の登校前やテスト前など、緊張する場面で腹痛が起こり、その後下痢をする、といったパターンが多いです。

2. 炎症性腸疾患(IBD)

クローン病潰瘍性大腸炎など、腸に慢性的な炎症が起こる病気です。

症状
腹痛や下痢が長期間続き、血便、発熱、体重減少などを伴うことがあります。比較的まれな病気ですが、これらの症状が続く場合は受診して下さい。


 

ご家庭でできるケア

 

  • 水分補給
    これが最も大切です。脱水を防ぐため、OS-1などの経口補水液や、薄めの麦茶、湯冷ましなどを少しずつ頻繁に与えましょう。
  • 食事
    お腹に負担をかけない食事を。おかゆ、うどん、すりおろしたリンゴ、白身魚、豆腐など、消化の良いものを少量ずつ与えてください。
  • おしりのケア
    下痢でおしりがかぶれやすくなります。ぬるま湯で優しく洗い流し、おむつをこまめに替えてあげましょう。

 

こんな時はすぐに受診を!

 

  • 下痢が止まらない、回数が多い
  • ぐったりしている、元気がない
  • おしっこが半日以上出ていない
  • 発熱が続く
  • 激しい腹痛がある
  • 便に血が混じっている
  • 嘔吐がひどく、水分が摂れない

これらの症状が見られる場合は、すぐに小児科を受診してください。特に乳幼児は脱水が進みやすいので要注意です。


 

おわりに

 

こどもの下痢は、多くの場合、ウイルス性胃腸炎などによる一時的なものですが、中には隠れた病気が原因であることもあります。

ご心配なことがあれば、いつでもご相談ください。私たち「武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科」は、こどもたちの健やかな成長を、ご家族と一緒に見守っていきたいと考えています。

この記事が、子育て中の皆さんの不安を少しでも和らげる助けになれば幸いです。

 

【SNSでも情報発信中!】

当院のSNSでは、小児科・皮膚科に関する役立つ情報や、季節ごとの病気の注意点などを発信しています。ぜひフォローしてください!

Instagram: 武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科

 

 

武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科の外観写真の画像
当院の外観写真

 

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

詳しい医師紹介を見る  クリニックの予約を取る

お知らせ

 
 

ブログカテゴリー

最近の投稿

月別アーカイブ