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当院皮膚科・小児皮膚科では、お子さんから大人の方まで、幅広く皮膚のトラブルを診察しています。今回は、誰もが一度は経験するかもしれない「熱傷(やけど)」についてお話ししたいと思います。
「たかがやけど」と安易に考えがちですが、その重症度は見た目だけでは判断が難しいものです。特に、熱傷を負いやすい状況の理解、そして迅速で適切な初期対応が、その後の治癒に大きく影響します。このブログでは、やけどの重症度から初期対応、そしてQ&A形式でよくある疑問にもお答えしていきます。
やけどを負った時、まず何よりも大切なのは「冷やすこと」です。
やけどは、熱いものに触れたり、熱湯をかぶったりすることで、皮膚の組織が損傷を受ける状態です。その重症度は、皮膚のどの深さまで損傷が及んだかによって、主に3段階に分けられます。
これは、やけどの中でもっとも軽いものです。皮膚の表面、つまり表皮のみが傷ついた状態を指します。
2度熱傷は、さらに深い部分、真皮まで損傷が及んだ状態です。ここからは、その深さによってさらに2つに分けられます。
これは、もっとも重症度の高いやけどです。皮膚の全ての層(表皮・真皮)が破壊され、さらにその下の皮下組織、筋肉、骨にまで損傷が及んでいる状態です。
やけどの重症度は、「深さ」だけでなく、「広さ」と「場所」も重要な判断基準になります。
やけどの広さは、手のひらの大きさを基準に判断します。自分の手のひらを広げた面積を体表面積の約1%として計算します。
上記に該当する広範囲のやけどは、水分や体温調節機能に影響が出やすいため、入院が必要となる場合もあります。
やけどを負った場所によっても重症度は変わります。以下の場所にやけどを負った場合は、早急な医療機関の受診が必要です。
やけどは、日常生活のあらゆる場面で起こり得ます。特に注意したい状況をいくつかご紹介します。
Q1:やけどした後に、跡が残らないか心配です。
A1: 1度熱傷や、適切な処置が施された浅達性2度熱傷であれば、通常、跡は残りません。しかし、深達性2度熱傷や3度熱傷の場合は、やけどの跡(瘢痕)やケロイドが残ることがあります。治癒過程で、保湿や紫外線対策、場合によっては圧迫療法などを行うことで、跡をきれいにすることが可能です。気になる場合は、早めに医師にご相談ください。
Q2:やけどに「〇〇の軟膏」や「アロエ」を塗ってもいいですか?
A2: 自己判断で市販の軟膏や民間療法を行うのは避けてください。やけどした直後は、まず流水で冷やすことが最優先です。軟膏などを塗ると、その後の医師の診察を妨げることがあります。また、民間療法は科学的根拠に乏しく、かえって感染を引き起こすリスクがあります。
やけどは、早期の適切な処置がその後の治癒に大きく影響します。もしもの時は、まず流水でしっかりと冷やし、落ち着いてやけどの程度を確認しましょう。そして、「これは大丈夫かな?」と少しでも不安に感じたら、ためらわずに医療機関を受診してください。
当院では、お子さんだけでなく、大人のやけどについても丁寧な診察と処置を行っています。やけどについて不安なことがあれば、
当院の皮膚科は、お子様はもちろんのこと、大人の患者様も診察しています。やけどだけでなく、アトピー性皮膚炎、じんましん、水いぼ、いぼ、虫刺され、乾燥肌など、皮膚に関するお悩み全般に対応しております。
当院皮膚科・小児皮膚科は日時指定の予約制です。発熱患者さんとは別のクリーンな待合室と診察室で対応しています。Web予約サイトの「皮膚科」タグからご予約を取得していただくとともにWeb問診の入力をおねがいいたします。
【SNSでも情報発信中!】
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Instagram: 武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科
当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)