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最近、「みずぼうそう(=水痘)」の患者さんが増えています。当院がある川崎市では流行発生注意報が、埼玉県でも流行注意報が、青森県では流行警報が発令されています。東京都感染症情報センターのデータでは、下記のように例年になく水痘患者さんの報告数が増えています。特に保育園や幼稚園に通うお子さんの間で感染が広がっており、注意が必要です。
赤線:2025年水痘患者推移
東京都感染症情報センター作成
厚生労働省の感染症発生動向調査によると、全国的に水痘の報告数が増加傾向にあります。特に関東地方や東北地方で流行が始まり、保育施設や小学校での集団感染も報告されています。
これは、コロナ禍で行われていた感染対策が緩和されたことや、ワクチン接種率の低下が影響している可能性があります。また、長期間のマスク生活により、子どもたちの免疫力が低下していることも一因と考えられます。
みずぼうそうは、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる感染症です。主に1歳〜小学校低学年の子どもがかかりやすい病気です。しかし、このような流行状況の場合、小学校高学年や中高校生、ワクチン接種を行っていない成人も感染リスクが高い状況です。
感染した場合、以下のような症状が現れます。
全身に赤い発疹や水ぶくれが出現
かゆみを伴う
発疹は頭皮、身体、手足など全身に広がる
発疹は数日でかさぶたになり、1〜2週間で自然に治癒しますが、かきむしると痕が残ることがあります。また、まれに肺炎や脳炎などの合併症を引き起こすこともあるため、注意が必要です。
みずぼうそうはワクチンで予防可能です。日本では、現在は1歳と1歳6か月の2回接種が公費で行われていますが、小さい子供さんを持つ親御さん世代以上では1回しか接種をされていない可能性があります。
ワクチン接種が不十分な場合、感染するリスクが上がってしまいます。
ワクチンを接種することで、重症化を防ぎ、感染拡大を抑えることができます。
ただし、ワクチンを接種していても、水痘患者と接触し多くのウイルスが体内に侵入した場合は、感染する場合はあります。その場合は、軽い症状になることが一般的です。。発疹などが見られた場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
みずぼうそうは非常に感染力が強いため、以下の点に注意してください。
発疹がすべてかさぶたになるまで登園・登校を控える(通常、発症から7日程度)
※登園・登校許可証が必要になります。
兄弟姉妹や家族内での感染予防に努める
水分補給をしっかり行い、安静に過ごす
みずぼうそうは、適切な予防接種と早期の対応で重症化を防ぐことができます。お子さんの体調に変化があった場合は、早めに医療機関を受診し、周囲への感染拡大を防ぎましょう。
当クリニックでは、みずぼうそうの診察やワクチン接種を行っております。ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。
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※本記事は、2025年5月時点の情報に基づいて作成しています。最新の情報は、厚生労働省やお住まいの自治体の公式発表をご確認ください。
当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)