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「水虫って、お父さんがなる病気でしょ?」
そう思っている方が、ほとんどではないでしょうか? じつは、水虫は大人だけの病気ではありません。小さなお子さんにもうつることがあり、注意が必要な病気なのです。
今回は、水虫の原因から、家庭でできる予防法、そして当院での治療について、皆さんに分かりやすくお話ししたいと思います。ぜひご家族で読んでみてください。
ChatGPTで作画
水虫は、カビの一種である「白癬菌(はくせんきん)」が皮膚の角質層に入り込んで増殖することで起こる皮膚の感染症です。足にできるイメージが強いですが、手のひらや爪、股、頭など、体のあらゆる場所に感染します。
とくに、日本の高温多湿な気候は、白癬菌にとって格好の生育環境です。梅雨から夏にかけて、患者さんが増えるのはそのためです。
「でも、うちの子は足がいつもサラサラだし、水虫なんて縁がないはず…」
そう思われるかもしれません。
しかし、白癬菌はとても身近なところに潜んでいます。たとえば、水虫の家族が使ったバスマットやスリッパ、サンダル、プールの足ふきマットなどです。感染力が非常に強く、ちょっとした接触で簡単にうつってしまうのです。
特にお子さんは、大人よりも皮膚が薄く、抵抗力が弱いこともあり、感染しやすい傾向があります。また、兄弟で裸足で遊んだり、同じお風呂に入ったりする機会も多いため、家庭内で感染が広がりやすいのです。
当院でも、「夫に水虫があるのですが、子どもにもうつっていないか心配で…」と相談に来られるお母さんがはとても多いです。
水虫の症状は、感染した部位やタイプによってさまざまです。
足の場合
子どもの場合
子どもの水虫は、大人とは少し症状が違うことがあります。水ぶくれやかゆみがあまりなく、ただ皮がむけているだけ、ということも珍しくありません。一見すると乾燥肌やアトピー性皮膚炎と間違われやすく、診断が遅れてしまうケースもあります。
また、頭部に感染すると「しらくも」と呼ばれ、フケが出たり、脱毛したりすることがあります。これもお子さんによく見られる症状です。
「もしかして?」と思ったら、自己判断せずに、ぜひ一度当院にご相談ください。
まずは、皮膚科を受診して、検査を受けることが大切です。
当院では、患部の皮膚を少し採取し、顕微鏡で白癬菌がいるかどうかを確認します。痛みはほとんどありませんのでご安心ください。
この検査は、水虫の診断に欠かせません。なぜなら、水虫に似た他の皮膚病(掌蹠膿疱症や異汗性湿疹など)も多く、見た目だけで判断するのは難しいからです。正確な診断があってこそ、適切な治療へとつながります。
白癬菌はしつこい菌です。そのため、市販薬を自己判断で使って治ったと思っても、皮膚の奥深くに潜んでいて、再発してしまうことがよくあります。
当院では、患者さんの症状や生活スタイルに合わせて、以下の治療法を組み合わせて行います。
治療期間は、症状によって異なりますが、最低でも数か月から半年以上かかることも珍しくありません。焦らず、根気よく治療を続けることが大切です。
水虫を予防するためには、日常生活でのちょっとした工夫が大切です。
「これって水虫かな?」とご家族の誰かが少しでも気になったら、放置せずに当院にご相談ください。
私たちは、お子さんの皮膚から大人の皮膚まで、家族みんなの健やかな毎日をサポートします。
当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)