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【皮膚科・小児皮膚科】え、耳のつけ根に小さな穴!?「耳前瘻孔」ってどんな病気?

「あれ、この子、耳のつけ根に小さな穴が空いてる!」

お子さんのお顔をふと見たら、耳の付け根あたりにポツンと小さな穴を見つけて、驚かれた経験はありませんか?

「これって何かの病気?」
「穴が空いてて大丈夫なの?」

そんな風に不安に思われる方もいらっしゃるかもしれません。この小さな穴、実は「耳前瘻孔(じぜんろうこう)」という、先天性の病気なんです。

今回は、この耳前瘻孔について、その原因から症状、治療法まで、分かりやすくお話ししたいと思います。


Geminiで作画


 

耳前瘻孔って、一体なに?

耳前瘻孔は、簡単に言うと、耳の軟骨や皮膚が作られる過程で、本来ならくっつくはずの部分がうまくくっつかずに、ごく小さな隙間ができてしまった状態です。

お母さんのお腹の中にいるときに、耳の周りの組織が合体して耳の形が作られますが、その合体が不完全だと、耳の付け根のあたりに細いトンネルのような管が残ってしまいます。この管の入り口が、目に見える小さな穴というわけです。

場所は、耳の付け根の前方、顔に近い部分にあることがほとんどです。片側だけにあることもあれば、両側にあることもあります。

実は、この耳前瘻孔は、それほど珍しいものではありません。日本人の約5%に見られると言われています。意外と身近な存在なんですね。

 

普段はなにも問題ないけれど…

耳前瘻孔は、穴があるだけで、普段は特に痛みやかゆみなどの症状はありません。

「うちの子の穴、全然気にならないわ」

という方も多いでしょう。

しかし、この小さな穴には、皮膚の老廃物がたまって臭いのもとになったり、細菌が入り込みやすいという特徴があります。普段は問題なくても、体調を崩したり、抵抗力が落ちたりすると、このトンネルの中で細菌が繁殖してしまうことがあります。

そうなると、次のような症状が現れることがあります。

  • 穴の周りが赤く腫れる:炎症が起きているサインです。
  • 押すと痛みがある:触ると痛みを伴います。
  • 膿(うみ)が出る:白い液体や、臭いのある膿が出てくることがあります。
  • 強いかゆみがある:炎症によって、かゆみを感じることもあります。

このような症状が出ている状態を、「耳前瘻孔感染症」と呼びます。

 

感染したら、どうすればいいの?

耳前瘻孔に感染症が起きた場合、ご自宅で穴を絞ったり、膿を出そうとしたりするのは絶対にやめてください。無理に触ると、かえって炎症が悪化したり、ばい菌が奥に入り込んでしまったりする危険性があります。
まずは、お近くの皮膚科または小児科を受診してください。

診察では、医師が炎症の程度を判断し、適切な治療を行います。

  • 抗生物質の投与:炎症が軽度な場合は、飲み薬や塗り薬の抗生物質で細菌の増殖を抑えます。
  • 膿を出す:膿が溜まっている場合は、医療用の器具を使って切開し、膿を出す処置を行うことがあります。
  • 外科的処置:炎症がひどく、何度も繰り返す場合は、手術で瘻孔を切除することも検討されます。

手術は、炎症が完全に治まってから行われるのが一般的です。感染した状態で手術をすると、細菌が体内に広がるリスクがあるためです。
手術と聞くと不安に思われるかもしれませんが、耳前瘻孔の手術は、日帰りまたは数日の入院で行われることが多く、比較的簡単な手術とされています。

手術で瘻孔を完全に切除することで、感染を繰り返す心配はなくなります。

 

感染させないためには?

耳前瘻孔の感染を防ぐためには、普段からのケアが大切です。

  • 穴を触らない:お子さんには、穴をいじったり、触ったりしないように言い聞かせましょう。
  • 清潔を保つ:お風呂に入った際に、優しく石鹸で洗って清潔を保つようにしてください。ただし、ゴシゴシこすったり、シャワーを勢いよく当てたりするのは避けてください。
  • 感染のサインに気づく:穴の周りが赤くなっていないか、腫れていないかなど、日頃から注意して見てあげましょう。

もし、少しでも「おかしいな?」と感じたら、迷わず医療機関を受診してください。早期に発見し、適切な処置を行うことで、症状の悪化を防ぐことができます。


 

まとめ

耳前瘻孔は、生まれつき耳の近くにある小さな穴で、普段は特に問題ありません。しかし、細菌が入り込んで感染を起こすと、赤く腫れたり、痛みや膿が出たりすることがあります。

感染した際は、ご自宅で触らず、必ず皮膚科や小児科を受診してください。

もし、お子さんに耳前瘻孔が見つかっても、過度に心配する必要はありません。多くの場合、何の問題もなく過ごせます。しかし、感染を繰り返す場合は手術という選択肢もありますので、ご不安な点があれば、いつでもお気軽にご相談ください。

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当院の外観写真

 

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

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