ブログ
Blog
Blog
今日のテーマは、私たちの身近な皮膚トラブルの一つである「口唇ヘルペス」についてです。
「唇がムズムズ、チクチクするな…」と思ったら、数日後に小さな水ぶくれができて、痛くて食事もままならない。そんな経験、ありませんか?それは、まさに口唇ヘルペスかもしれません。
口唇ヘルペスは、一度感染すると何度も再発する厄介な病気ですが、そのメカニズムを正しく理解し、適切な対策を取ることで、上手に付き合っていくことができます。
この記事では、口唇ヘルペスがなぜできるのか、どんな症状が出るのか、そして再発を防ぐためにはどうすれば良いのかについて、分かりやすくお伝えします。
口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス1型というウイルスが原因で起こる感染症です。このウイルス、実はとても身近な存在で、ほとんどの人が子どもの頃に感染していると言われています。
では、なぜ子どもの頃に感染しても、すぐに口唇ヘルペスとして症状が出ないのでしょうか?
それは、ウイルスが感染後すぐに症状を引き起こすのではなく、三叉神経節という顔の神経の根元にひっそりと潜伏するからです。ちょうど、静かに身を潜めているスパイのようなイメージですね。
そして、私たちの体調が悪くなったり、疲れて免疫力が落ちたりすると、「今だ!」とばかりに活動を再開し、神経に沿って唇や口の周りの皮膚に出てきて、水ぶくれなどの症状を引き起こします。これが、ヘルペスの再発です。
単純ヘルペスウイルス1型は、主に以下の経路で感染します。
特に、口唇ヘルペスの症状が出ている間は、水ぶくれの中にウイルスが大量に含まれているため、感染力が非常に高くなります。
小さなお子さんがいるご家庭では、大人が口唇ヘルペスを発症した際に、お子さんにキスをしたり、同じ食器を使ったりしないように注意が必要です。初めて感染したお子さんは、ヘルペス性歯肉口内炎という、口の中にたくさんの口内炎ができ、高熱を伴う重い症状が出ることがあるからです。
口唇ヘルペスの症状には、いくつかの段階があります。これを理解しておくことで、「あ、そろそろ来るな…」という初期のサインに気づき、早めの治療につなげることができます。
口唇ヘルペスは、「どれだけ早く治療を始めるか」が重要です。「あれ、もしかして口唇ヘルペスかも?」という予兆を感じた段階で、すぐに皮膚科を受診しましょう。
市販薬もありますが、本当にヘルペスなのかどうかの判断は難しいため、まずは皮膚科を受診して、正しい診断と治療を受けることをおすすめします。
一度感染したヘルペスウイルスを体から完全に排除することは、残念ながらできません。
しかし、再発の引き金となる要因を避けることで、再発頻度を減らすことは可能です。
口唇ヘルペスは、再発するたびに辛い思いをしますが、決して珍しい病気ではありません。
大切なのは、「なんか変だな?」という体のサインに気づき、早めに適切な対応をすることです。もし、今「もしかして口唇ヘルペスかな…?」と心配されている方がいらっしゃいましたら、ぜひ当院にご相談ください。
患者さん一人ひとりの状態に合わせて、最適な治療法をご提案します。
当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)