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今日は、お子さんの肌に茶色いあざを見つけて「これって何だろう?」「もしかして病気?」と心配されているお父さん、お母さんに向けて、「カフェオレ斑」について、小児科医の視点からわかりやすくお話ししたいと思います。
ChatGPTで作画
お子さんの体に、カフェオレのような色をした、薄茶色の楕円形のあざはありませんか?これを「カフェオレ斑」といいます。
生まれたときからあることもあれば、赤ちゃんのときには見えなかったのに、だんだんと色が濃くなってきて気づくこともあります。見た目は平らで、大きさも形もさまざまです。
もし、お子さんのあざが平らで薄茶色なら、もしかしたらカフェオレ斑かもしれませんね。
カフェオレ斑は、皮膚の色を決めているメラニン色素が増えることでできます。なぜ増えるのかは、実はまだはっきりとわかっていません。
生まれつきの体質のようなもので、多くは遺伝とは関係ないといわれています。
健康上の問題は?
カフェオレ斑は、基本的には病気ではありません。
見た目が気になるという以外には、体の機能に影響を与えたり、痛みやかゆみを伴ったりすることはありませんので、ご安心ください。
カフェオレ斑は、見た目以外に問題がないため、必ずしも治療は必要ありません。
しかし、「見た目が気になる」という理由で治療を希望される場合は、レーザー治療が選択肢となります。カフェオレ斑はレーザーで薄くなってもすぐ再発することが多いので、少ない個数であれば経過観察でよいと考えます。
レーザー治療は、あざの色素に反応する特殊な光をあてることで、色素を少しずつ薄くしていく方法です。当院ではレーザー治療は行っておりませんが、専門の施設へご紹介しています。
さて、ここからが特に重要なお話です。
カフェオレ斑は基本的には健康上の問題はありませんが、数が多かったり、特殊な形をしていたりする場合は、特定の病気が隠れている可能性があり、注意が必要です。
その代表的な病気が「神経線維腫症1型(NF1)」という病気です。
「神経線維腫症1型」は、皮膚、神経、骨など、全身にさまざまな症状があらわれる遺伝性の病気です。この病気の患者さんの多くに、カフェオレ斑が見られます。
「え、うちの子もそうかも…?」と不安になったお父さん、お母さん、ご安心ください。
カフェオレ斑があるからといって、必ずしもNF1というわけではありません。
1つや2つカフェオレ斑があるだけでは、NF1と診断されることはほとんどありません。重要なのは、カフェオレ斑の「数」です。
以下のような場合は、念のため小児科や皮膚科を受診してご相談いただくことをお勧めします。
これらの条件に当てはまる場合、NF1の可能性を考える必要があります。
NF1の診断は、カフェオレ斑の数だけでなく、他にも様々な症状を総合的に判断して行われます。
など、これらの症状が複数見られる場合に、NF1と診断されることがあります。しかし、これらの症状は、赤ちゃんのうちは見られないことも多く、成長とともに少しずつ現れることが多いです。
そのため、もしお子さんのカフェオレ斑の数が気になる場合は、定期的に小児科で身長や体重のチェックと一緒に、あざの様子も診てもらうと良いでしょう。
今回は、カフェオレ斑についてお話ししました。
お子さんのあざを見つけて不安に感じたら、まずは一人で悩まず、御相談ください。
当院皮膚科・小児皮膚科は日時指定の予約制です。発熱患者さんとは別のクリーンな待合室と診察室で対応しています。Web予約サイトの「皮膚科」タグからご予約を取得していただくとともにWeb問診の入力をおねがいいたします。
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当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)