「はちみつは1歳になってから」〜赤ちゃんにNGな理由と守りたい命の話〜 - 中原区、武蔵小杉駅の小児科 - 武蔵小杉森のこどもクリニックのブログ

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「はちみつは1歳になってから」〜赤ちゃんにNGな理由と守りたい命の話〜

1歳未満の赤ちゃんにはちみつを与えてはいけない理由」についてお話しします。
お子さんの離乳食を始めたばかりのご家庭では、「はちみつって栄養がありそう」「自然な甘味だから安心かも」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

でも、1歳未満の赤ちゃんには絶対に、はちみつを与えてはいけません。

なぜなら、乳児ボツリヌス症という、命に関わる重い病気を引き起こす可能性があるからです。


◆ 乳児ボツリヌス症とは?

乳児ボツリヌス症とは、ボツリヌス菌という細菌が赤ちゃんの腸の中で増殖し、毒素を出すことで起こる病気です。

ボツリヌス菌の芽胞(がほう)という“種のようなもの”は、自然界の土や食べ物の中にも存在しています。はちみつには、この芽胞が含まれている可能性があるのです。

大人の腸内にはボツリヌス菌の芽胞が入っても発症しません。腸内環境が整っていて、菌が増えるのを防げるからです。

でも、1歳未満の赤ちゃんの腸内環境は未熟で、菌が増殖しやすいため、感染するリスクがあります。


◆ どんな症状が出るの?

乳児ボツリヌス症の症状には以下のようなものがあります。

  • 母乳やミルクの飲みが悪くなる

  • 元気がなくなる

  • 泣き声が弱くなる

  • 便秘が続く

  • 筋力が低下して、だらんとした感じになる

  • 呼吸がうまくできなくなる(重症化すると命にかかわることも)

これらの症状が出た場合は、すぐに病院を受診する必要があります。


◆ 実際にあった例

数年前、生後5か月の赤ちゃんが離乳食として与えられたはちみつ入りのジュースをきっかけに乳児ボツリヌス症を発症し、亡くなったという痛ましいニュースがありました。

ご両親も「はちみつが危ないなんて知らなかった」と話しておられたそうです。

このような事故は、知識があれば防げるものです。だからこそ、私たち医療者は繰り返し伝える必要があると感じています。


◆ はちみつを使った加工品にも注意!

「そのままのはちみつじゃなければ大丈夫なの?」と思われるかもしれませんが、はちみつが使われているパン・お菓子・飲料などもNGです。

加工されていても、加熱が不十分な場合はボツリヌス菌の芽胞が生き残っている可能性があります。
ラベルの「原材料名」に“はちみつ”と書かれていたら、1歳未満の赤ちゃんには与えないようにしましょう。


◆ いつからはちみつOKになる?

はちみつは、1歳を過ぎれば与えてもOKです。
腸内環境が整ってきて、ボツリヌス菌が増殖しにくくなるからです。

ただし、初めて食べさせるときは少量から。


◆ まとめ|赤ちゃんの命を守るために

  • はちみつは1歳未満の赤ちゃんには絶対に与えない

  • 加工品やお菓子も注意が必要

  • 乳児ボツリヌス症は命にかかわる病気

  • 1歳を過ぎればOK。


「うっかり食べさせてしまったかも…」というときや、便秘・元気がないなどの症状があれば、すぐに小児科に相談してください。

赤ちゃんの健やかな成長を守るために、ご家族みんなで知識を共有することが何よりの予防になります。

「武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科」では、赤ちゃんの食事や育児に関するご相談も受け付けています。
お気軽にご相談ください。

 

武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科の外観写真の画像
当院の外観写真

 

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

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