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「あれ、脇の下にもう1つふくらみが?」
「胸の横にほくろみたいなのがあって、なんだかふくらんできたみたい…」
もしかして、それって「副乳(ふくにゅう)」かもしれません。
あまり聞き慣れない言葉かもしれませんね。当クリニックは、お母さん方から「これって何ですか?」とご相談を受けることがあります。今回は、この「副乳」について、皆さんにご理解いただけるよう、わかりやすくお話ししたいと思います。
副乳は、生まれつきある乳腺の「残り」のようなものです。人間の赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいるとき、実は、乳房のもとになる組織(乳腺堤)が、わきのあたりから脚の付け根にかけて、一列に並んでできる時期があります。まるで犬や猫のように、たくさんの乳首が並ぶ状態です。
通常は、胸にある1対の乳腺だけが成長し、それ以外の乳腺は退化してなくなっていきます。しかし、この退化がうまくいかず、一部がそのまま残ってしまうことがあります。これが、副乳の正体です。
副乳は、乳腺堤というライン上にできます。具体的には、わきの下、胸のすぐ下、お腹、太ももの付け根など、いろいろな場所に現れる可能性があります。
もっとも多いのは、やはりわきの下や胸のすぐ横です。
一見すると、ただのほくろやしこりのように見えることもあります。特に、副乳には以下の4つのタイプがあり、それぞれ見え方が異なります。
「小さい頃は気にならなかったのに、最近ふくらんできた…」
こんなふうに感じて、驚く方もいらっしゃるかもしれません。
副乳は、女性ホルモンに大きく影響を受けます。そのため、思春期になって女性ホルモンの分泌が活発になったり、妊娠・出産を経験したりすると、ホルモンバランスの変化で副乳が大きくなったり、痛みを伴ったりすることがあります。
これは、副乳が本来の乳腺と同じようにホルモンの影響を受けるためです。乳腺が発達する時期に副乳も一緒に発達する、ということです。
結論から言うと、副乳は病気ではありません。
基本的に、副乳があること自体に健康上の問題はありませんし、必ずしも治療が必要というわけではありません。
しかし、以下のような場合には、当クリニックにご相談ください。
これらの症状がある場合は、一度専門医の診察を受けることをおすすめします。特に、急な変化がある場合は、他の病気との鑑別も重要になります。
副乳は、皮膚にできるしこりのように見えるため、皮膚科を受診される方もいらっしゃいます。しかし、副乳は「乳腺組織」なので、本来の専門は乳腺外科や形成外科です。
当クリニックのような小児科でも、成長段階のお子さんの副乳のご相談に乗ることができます。
治療が必要と判断された場合、いくつかの選択肢があります。
どのような治療法が適切かは、個々の状況によって異なります。当クリニックでは、お子さんの状態を丁寧に診察し、ご家族とよく話し合った上で、最適な方法を一緒に考えていきます。必要に応じて、信頼できる乳腺外科や形成外科にご紹介することも可能です。
副乳は、誰にでも起こりうる、ごく自然な体の特徴です。決して恥ずかしいことではありません。もし、お子さんの体に「あれ?」と思うものを見つけたり、ご自身で気になる部分があったりしたらご相談ください。
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当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)