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春のスギやヒノキ花粉のピークが過ぎ、「やっと花粉症も一段落」と思っていませんか?実は、5月〜6月は「イネ科の花粉症」が増える時期。特に小さなお子さんの場合、「風邪かな?」と見逃されがちな症状も多く、注意が必要です。
今回は、春の終わりから初夏にかけての花粉症=イネ科アレルギーについて、親御さんに知っておいてほしいことを分かりやすくお伝えします。
イネ科とは、私たちの身近な場所にある「草」の仲間です。例えば、
カモガヤ
オオアワガエリ
ハルガヤ
などが代表的。これらは道ばた、公園、学校のグラウンド、空き地など、子どもたちがよく遊ぶ場所にも多く生えているんです。当院がある川崎市においては、近くを流れる多摩川にカモガヤが群生しています。
これらの植物は5月〜6月にかけて花粉を飛ばしやすくなるため、この時期にアレルギー症状が出るお子さんが増えてきます。
日本耳鼻咽喉科学会広島県地方部会HPより引用
「なんとなく鼻がグズグズしている」「目をかゆがっている」「咳が長引く」
こういった症状、風邪だと思って様子を見ていたら、実は花粉症だったというケースも少なくありません。
花粉症と風邪のちがいは、こんなところにあります:
症状 | 花粉症 | 風邪 |
---|---|---|
発熱 | なし(あっても微熱) | あることが多い |
鼻水 | 透明でサラサラ | 黄~緑がかった粘っこい |
くしゃみ | 連続することが多い | 時々 |
目のかゆみ | よくある | ほとんどなし |
症状の期間 | 2週間以上続くことも | 5〜10日程度 |
「朝起きた時に特にくしゃみや鼻水がひどい」「目をしきりにこすっている」などは、花粉症のサインかもしれません。
子どもの場合、「鼻づまりで眠れない」「集中できない」など、生活の質にも大きな影響が出てしまいます。アレルギーか風邪かを見極めるためにも、一度小児科で相談してみましょう。
血液検査や皮膚テストで、どの花粉に反応しているかが分かります。イネ科と分かれば、時期を限定した対策が立てやすくなります。
最近のアレルギー薬は眠くなりにくく、小さなお子さんでも使えるタイプが増えています。症状が出る前から予防的に使うと、症状が軽く済むことも。
外遊びのあとは着替え、シャワーをして花粉を落とす
洗濯物は花粉が少ない時間帯や室内干しに
花粉が多い日は、窓を開ける時間を短くする
特に5月〜6月は気候も良く、お外遊びが楽しい季節。でも、「草が多い場所=花粉が多い場所」という視点を持っておくと安心です。
「春の花粉症が終わったから大丈夫」と思っていたら、実は初夏のイネ科花粉でお子さんがつらい思いをしているかもしれません。
目のかゆみ、くしゃみ、鼻水…そんな小さなサインを見逃さず、早めの対策で快適な毎日を過ごせるようサポートしてあげましょう。
気になる症状があるときは、いつでもお気軽にご相談くださいね。
当院の外観写真
日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)