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お子さんの食物アレルギー、正しく知って安心な毎日を!~最新アレルゲン情報と賢い付き合い方~

赤ちゃんに離乳食を開始するとき、新しい食材を試してみる時などに「食物アレルギー」と聞くと、不安に感じる親御さんも多いのではないでしょうか。「どんな症状が出るの?」「何を気をつけたらいいの?」「いつか治るの?」…たくさんの疑問が頭をよぎるかもしれません。

当クリニックでは、「家族とともに地域のこども達の健やかな成長と幸せを目指します」という理念のもと、エビデンスに基づいた分かりやすい説明と、お子さん一人ひとりに寄り添った診療を心がけています。今回は、食物アレルギーについて、最新情報も交えながら、親御さんが安心して向き合えるようにお話ししたいと思います。当院では、必要に応じてアレルギー採血検査(負担を抑えた指先簡易検査もあります)、食物負荷試験、皮膚プリックテストを行っています。

 

食物アレルギーって、どんな病気?

食物アレルギーは、特定の食べ物を食べたときに、体の免疫システムが過剰に反応して、体に良くない症状が出てしまう状態を指します。本来、食べ物は体を健康に保つためのものですが、アレルギー体質のお子さんの場合、特定の食べ物を「異物」と認識してしまい、攻撃するような反応が起きてしまうのです。

症状は多岐にわたります。例えば、

  • 皮膚の症状: じんましん、かゆみ、赤み、湿疹の悪化など
  • 消化器の症状: 嘔吐、下痢、腹痛など
  • 呼吸器の症状: 咳、ゼーゼーする呼吸(喘鳴)、息苦しさなど
  • 全身の症状: 顔色が悪くなる、ぐったりする、意識がもうろうとするなど(アナフィラキシー)

特に「アナフィラキシー」は、皮膚の赤み+ゼイゼイのように複数の臓器に症状が出て、命に関わることもある重いアレルギー反応です。もし、お子さんがこのような症状を示したら、すぐに医療機関を受診するか、救急車を呼ぶ必要があります。

 

最新!食物アレルギーの原因食物トップ10(令和6年調査より)

最新の令和6年度食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書(消費者庁)では、特に以下の食べ物が上位を占めています。

  1. 鶏卵(卵): 全体の約34.2%と最も多く、乳幼児期のアレルギーの代表格です。
  2. クルミ: 約15.2%を占め、近年増加傾向にあります。木の実類のアレルギーとして注意が必要です。
  3. 牛乳: 約9.5%と、卵に次いで乳幼児に多いアレルゲンです。
  4. 小麦: 約8.1%を占めます。パンや麺類など身近な食品に広く使われています。
  5. 落花生(ピーナッツ): 約5.8%です。少量でも強い症状が出ることがあり、特に注意が必要なアレルゲンの一つです。
  6. イクラ(鮭卵): 約5.7%と、近年特に注目されています。
  7. エビ: 約3.0%です。甲殻類アレルギーとして、カニなどにも注意が必要です。
  8. カシューナッツ: 約2.7%で、クルミと同様に木の実類アレルギーとして増加傾向にあります。
  9. キウイ: 約1.3%です。果物アレルギーとして他の果物との交差反応にも注意が必要です。
  10. ソバ: 約1.1%ですが、症状が重篤になりやすいことで知られています。

このように、卵や牛乳、小麦といったおなじみの食材に加え、クルミやイクラといったアレルゲンも上位に挙がってきています。お子さんのアレルギーがどの食べ物によるものかを知ることが、適切な対応の第一歩となります。

 

食物アレルギーとの賢い付き合い方

お子さんが食物アレルギーと診断された場合、大切なのは「正しく知ること」と「適切に対応すること」です。自己判断せずに小児科専門医・アレルギー専門医を受診することが最も大切です。

食物アレルギーの治療の基本は、「正しい診断に基づいて必要最小限度の食物除去を行う」ということに尽きます。アレルギーがあると診断されても、その食べ物を完全に除去する必要があるとは限りません。医師の指導のもと、お子さん一人ひとりに合った摂取量・除去量を決め、不足する栄養素は代替食品で補うなど、栄養バランスを考えた食生活を送ることが重要です。

  1. 正確な診断を受ける: 自己判断は危険です。必ず小児科専門医・アレルギー専門医の診察を受け、必要に応じて食物経口負荷試験などの検査を行い、正確な診断とアレルゲンの特定をしてもらいましょう。
  2. 除去食は医師の指示のもとで: アレルギーの原因となる食べ物を除去する「除去食」は、医師や管理栄養士の指導のもとで慎重に行う必要があります。自己流で厳しすぎる除去食を行うと、栄養不足になったり、かえってアレルギーが治りにくくなることもあります。
  3. 誤食を防ぐ工夫:
    ・家庭での対策: 食材の管理を徹底し、調理器具や食器の使い分けにも注意しましょう。例えば、アレルギーの原因となる食材を使った料理とそうでない料理を同じまな板や包丁で続けて調理しない、といった工夫も大切です。

    外食・給食・おやつ: 事前にアレルギー情報を伝え、確認を怠らないことが大切です。アレルギー対応食の利用や、代替食の持参なども検討しましょう。

    ・成分表示の確認:
    加工食品を購入する際は、必ず成分表示を確認する習慣をつけましょう。「特定原材料7品目」(卵、乳、小麦、そば、落花生、えび、かに)と「特定原材料に準ずる21品目」の表示は特に注意が必要です。

  4. 緊急時の対応を学ぶ: 万が一、アレルギー症状が出た場合に備え、エピペン(アドレナリン自己注射薬)の正しい使い方や、医療機関への連絡方法などを家族全員で確認しておきましょう。

 

アレルギーは治ることもある!

お子さんの食物アレルギーは、成長とともに食べられるようになる「耐性獲得」が期待できるものも多くあります。特に乳幼児期に発症した卵や牛乳、小麦のアレルギーは、年齢が上がるにつれて治っていく傾向があります。定期的に医師の診察を受け、適切な時期に負荷試験を行い、適切な栄養指導を続け、食べられるようになるタイミングを見極めることが重要です。

 

最後に

食物アレルギーは、お子さんだけでなく、ご家族にとっても大きな負担となることがあります。しかし、正しい知識を持ち、適切な対応をすることで、お子さんは健やかに成長し、ご家族も安心して毎日を過ごすことができます。

もし、お子さんの食物アレルギーについて不安なことや疑問なことがあれば、いつでも「武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科」にご相談ください。お子さんとご家族に寄り添い、最適なサポートを提供させていただきます。

<参考>
国立成育医療研究センターHP「食物アレルギー」
厚生労働省「食物アレルギー」

 

武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科の外観写真の画像
当院の外観写真

 

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

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