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【皮膚科専門医が解説】保湿剤やステロイド軟こうは“たっぷり”が正解!~乾燥肌やアトピー性皮膚炎の治療効果を高める塗り方~

乾燥肌やアトピー性皮膚炎でお悩みのお子さんをもつご家庭では、毎日のスキンケアがとても大切です。その中でも、保湿剤やステロイド外用薬(軟こう・クリーム)の「塗り方」は、治療効果に直結する重要なポイントです。

結論から申し上げると、保湿剤もステロイド軟こうも「すり込まず」「たっぷりと」塗ることが大切です。「え?たっぷりでいいの?」と驚かれる保護者の方も少なくありませんが、実は“薄く塗る”ことが逆効果になるケースもあるのです。

この記事では、皮膚科専門医の立場から、正しい塗り方の理由とコツをわかりやすく解説します。


なぜ「たっぷり」がいいの?保湿剤とステロイドの働きを最大限にするコツ

●保湿剤は「水分を保つフタ」

保湿剤は、乾燥した皮膚に水分を閉じ込める役割があります。量が少なすぎると、フタの役割を十分に果たせず、肌はすぐに乾いてしまいます。

たっぷり塗ることで、皮膚全体に均一に広がり、バリア機能を補う効果が最大限に発揮されるのです。

●ステロイド外用薬は「炎症を抑える治療薬」

ステロイドは、皮膚の炎症を抑えるお薬です。特にアトピー性皮膚炎では、目に見えなくても皮膚の中で炎症がくすぶっていることが多いため、しっかりと炎症部位全体に薬が届くよう、広めに塗ることが重要です。

「赤みのある部分だけ」にちょこっと塗るのではなく、その周囲まで含めてやや広めに、たっぷりと塗ることが再発予防にもつながります。

 環境再生保全機構から引用


すり込むのはNG?肌に“置く”ように優しく塗ろう

保湿剤やステロイド外用薬を塗る際、ごしごしとすり込むように塗るのは逆効果です。摩擦が皮膚に刺激となり、かえって症状を悪化させてしまうことがあります。

塗るときのポイントは、
「すり込まず」「なでるように」「肌の上にそっと置くように」
まるでバターをトーストにふんわり広げるようなイメージです。


適量の目安は「FTU(フィンガーチップユニット)」を参考に

塗る量が分からないという方におすすめなのが、「FTU(フィンガーチップユニット)」という考え方です。これは、チューブから人差し指の先から第一関節まで出した量を1単位とし、
大人の手のひら約2枚分の面積に1FTUが適量とされています。


よくある誤解:「ステロイドをたっぷり塗ると副作用が出るのでは?」

ステロイドと聞くと、「たっぷり塗ったら副作用が心配…」と感じる方も多いでしょう。確かに、長期間・広範囲にわたる使用や、適切でない使用方法は副作用のリスクがあります。

しかし、医師の指導に従って正しく使用する分には、安全性が高く、たっぷり塗ったほうが効果的かつ短期間で治癒が期待できます。むしろ、薄く塗って中途半端に治療を続ける方が、長引いてしまうことも。


まとめ:保湿剤もステロイドも「適切な量を、すり込まず、たっぷりと」

お子さんの乾燥肌やアトピー性皮膚炎のスキンケアでは、
「保湿剤もステロイドも“たっぷりと”やさしく塗る」ことが基本です。

量を気にして少なめに塗ってしまうと、せっかくの治療が十分な効果を発揮できないこともあります。「すり込む」のではなく、「肌の上にのせてあげる」ように。皮膚にやさしいケアを、毎日の習慣にしていきましょう。


当院では、塗り方の指導やご家庭でのスキンケアの疑問にも丁寧にお答えしています。気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください。

<参照>
環境再生保全機構「小児アトピー性皮膚炎ハンドブック」

武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科の外観写真の画像
当院の外観写真

 

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

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