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【皮膚科・小児皮膚科】指先が赤く腫れている!爪の横に三日月形で緑黄色の膿だまり!化膿性爪囲炎(ひょう疽)とは。

当院では小児科だけでなく、皮膚科・小児皮膚科も専門としており、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医が成人及びお子さまの皮膚トラブル全般を幅広く診療しています。今回は、お子さまに意外と多い爪の周りの炎症「化膿性爪囲炎(かのうせいそういえん)」について、わかりやすくお話していきたいと思います。


 

その指の腫れ、もしかして「ひょう疽(ひょうそ)」かも?

「爪の周りが赤く腫れて、ズキズキ痛い」

「指先から膿が出てきた」…そんな経験、ありませんか?

これ、実は「ひょう疽(ひょうそ)」という病気の可能性があります。「ひょう疽」は、医学的には「化膿性爪囲炎」と呼ばれています。少し難しい名前ですが、要は爪の周りにばい菌が感染して、膿んでしまう状態のことです。

特にお子さまは、指しゃぶりをしたり、爪を噛んだり、あるいは小さな傷からばい菌が入りやすいため、この病気になりやすい傾向があります。

「たかが指の腫れ」と放っておくと、どんどん悪化して、日常生活に支障をきたすこともあります。そこで今回は、この「化膿性爪囲炎(ひょう疽)」の原因から治療法、そしてご家庭でできる予防法まで、詳しく解説していきます。


 

なぜ、ひょう疽(化膿性爪囲炎)は起こるの?

ひょう疽は、爪の周りにある小さな傷口から細菌が入り込むことで起こります。

具体的な原因としては、以下のようなものが挙げられます。

  • ささくれを無理にむしる
    無意識にささくれを引っ張ってしまい、小さな傷を作ってしまうことがあります。
  • 深爪をする
    爪を深く切りすぎると、爪の端が皮膚に食い込み、炎症を起こしやすくなります。
  • 指しゃぶり・爪を噛む癖
    お子さまによく見られる行動ですが、口の中の細菌が傷口から入り込み、感染の原因となります。
  • 巻き爪
    爪が皮膚に食い込み、慢性的な炎症を引き起こし、細菌感染のリスクを高めます。
  • マニキュアやジェルネイル
    大人の方に多いですが、ネイルを無理に剥がしたり、爪に負担をかけたりすることで、爪周りの皮膚が傷つくことがあります。

これらの小さな傷口から、主に「黄色ブドウ球菌」や「溶連菌」といった細菌が侵入し、感染が広がると、赤み、腫れ、強い痛み、そして膿がたまるようになります。


 

ひょう疽(化膿性爪囲炎)の症状

ひょう疽の症状は、初期と進行期で異なります。

 

初期症状(軽い炎症)
  • 爪の周りが少し赤く腫れる
  • 触ると少し痛む
  • 軽度の熱感がある

この段階であれば、まだ軽い炎症で済むことが多いです。しかし、この状態を放置すると、症状はさらに悪化します。

 

進行した症状(化膿)
  • ズキズキと脈打つような強い痛み
  • 赤みや腫れがさらにひどくなる
  • 指の先端全体が熱を持っているように感じる
  • 爪の付け根や横から黄色の膿が出てくる
  • 場合によっては、爪が浮き上がったり、剥がれてしまったりすることも

この状態まで進むと、日常生活で指を使うのがつらいと感じるほどの強い痛みが生じます。


 

ひょう疽(化膿性爪囲炎)の治療法

 

ひょう疽の治療は、症状の程度によって異なります。

軽い炎症の場合

 

まだ膿が溜まっていない初期の段階では、抗菌薬の塗り薬飲み薬で治療を行います。

炎症を抑えるための塗り薬を患部に塗布し、細菌の増殖を防ぐ飲み薬を服用することで、数日から1週間ほどで症状は改善に向かいます。

 

膿が溜まっている場合

 

膿が溜まってパンパンに腫れている場合は、単に薬を塗るだけでは治りません。この場合、皮膚科での処置が必要となります。

溜まった膿を外に出してあげることで、痛みや腫れが劇的に改善します。具体的な処置としては、次のような方法があります。

  1. 切開・排膿(せっかい・はいのう)
    局所麻酔を使い、メスでわずかに皮膚を切開し、溜まった膿を押し出して排出します。処置自体は数分で終わり、痛みもほとんどありません。膿がなくなることで、すぐに痛みが和らぎます。
  2. 抗生剤の内服・点滴
    処置後に、さらに細菌の増殖を抑えるために抗生剤を内服したり、場合によっては点滴で投与したりすることもあります。

「切開」と聞くと怖いと感じるかもしれませんが、局所麻酔をするので痛みはほぼありませんし、短時間で終わります。何よりも、溜まった膿を出すことで劇的に痛みが改善するので、「早くやっておけばよかった!」とおっしゃる方がほとんどです。


 

ご家庭でできる予防と注意点

ひょう疽を予防するためには、日頃のケアが非常に大切です。

  • 爪のケア
    • 深爪をしない
      爪は指先の皮膚よりも少し長めに、まっすぐ切るのがポイントです。
    • 爪の周りの皮膚を傷つけない
      ささくれは無理にむしらず、爪切りで丁寧に切りましょう。
  • 清潔を保つ
    • 指先を清潔に保つことが大切です。特に、土いじりや外遊びの後、指しゃぶりをした後などは、石鹸を使って丁寧に手洗いしましょう。
  • 指しゃぶり・爪噛みへの対応
    • 爪を噛む癖があるお子さまは、なぜ噛んでしまうのか、その原因を探ってみましょう。ストレスや不安が原因の場合もあります。無理にやめさせるのではなく、まずは優しく見守ってあげてください。
    • 指しゃぶりも同様です。無理にやめさせようとすると逆効果になることもあります。

もし、指先が赤く腫れたり、痛みを感じたりしたら、早めに当院にご相談ください。初期の段階であれば、塗り薬だけで治ることも多いです。


 

まとめ

化膿性爪囲炎(ひょう疽)」は、小さな傷口から細菌が入って起こる身近な皮膚の病気です。

  • 原因:ささくれ、深爪、指しゃぶり、巻き爪など
  • 症状:赤み、腫れ、ズキズキする痛み、膿
  • 治療:症状に合わせて塗り薬、飲み薬、または切開・排膿処置

たかが指の腫れと軽視せず、早期の受診が大切です。

「もしかして、うちの子もそうかも?」と思われた方は、どうぞお気軽に当院にご相談ください。つらい症状が、少しでも早く良くなるよう、私たちがお手伝いします。

「武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科」では、お子さまだけでなく、ご家族皆さまの健康をサポートできるよう、専門的な知識と経験をもって、お一人おひとりに合わせた丁寧な診療を心がけています。

ご不明な点やご不安なことがありましたら、いつでもご相談ください。

当院皮膚科・小児皮膚科は日時指定の予約制です。発熱患者さんとは別のクリーンな待合室と診察室で対応しています。Web予約サイトの「皮膚科」タグからご予約を取得していただくとともにWeb問診の入力をおねがいいたします。

 

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武蔵小杉 森のこどもクリニック小児科・皮膚科の外観写真の画像
当院の外観写真

 

院長 大熊 喜彰 (おおくま よしあき)
記事監修
院長 大熊 喜彰
(おおくま よしあき)

日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務

医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)

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